トランプ氏イラン攻撃中止でNYダウ+929ドルの全面高|日経は半導体主導で小幅反発もTOPIXは下落、原油は90ドル割れへ

イラン攻撃中止でNYダウ+929ドル全面高 日経は6万4,217円で半導体主導の小幅反発もTOPIX下落 原油90ドル割れ 2026年6月12日朝のマーケット
DAILY MARKET NOTE · 2026.06.12(金)

🕊 トランプ氏イラン攻撃中止でNYダウ+929ドルの全面高|日経は半導体主導で小幅反発もTOPIXは下落、原油は90ドル割れへ

📌 日本株 · 米国株 · 為替金利 · 商品市況 / 今日の経済用語「リリーフラリー(Relief Rally/安堵の買い戻し)」

🕊 イラン攻撃中止 📈 NYダウ +929ドル 🛢 原油 90ドル割れ 📅 来週 日銀→FOMC

おはようございます、お金バイバイマンです。昨日6月11日(木)は、相場の空気を一変させるニュースが飛び込んできました。トランプ大統領がイランへの攻撃を中止し、「偉大な解決に至った」と表明したのです。前日まで市場を覆っていた中東情勢への警戒が一気に巻き戻り、米国市場ではNYダウが929ドル高(+1.86%)、ナスダックは+2.54%と、3指数そろって大きく買い戻されました。一方の東京市場(6/11)は、朝方こそ前日の米株安と中東警戒を引きずって一時1,800円超の急落となりましたが、半導体・AI関連株への押し目買いで切り返し、日経平均はわずかながらプラスで引けています。ただし「全面高」ではなく、TOPIXはむしろ下落。同じ日でも、米国と日本ではかなり様子が違いました。順番に整理していきましょう。

🇯🇵 日本株式市場(6/11木 終値・半導体主導で小幅反発もTOPIXは下落)

日経平均株価
64,217.27
▲ +38.00円(+0.06%)
急落から切り返し小幅反発
TOPIX
3,830.35
▼ -17.25pt(-0.45%)
値下がり銘柄が優勢
日本国債10年利回り
約2.69%
前日比ほぼ横ばい
高めの水準が継続

日経平均は6月11日(木)終値で6万4,217円、前日比38円高(+0.06%)と小幅に反発しました。ただ、この「+38円」という数字だけを見ると地味ですが、中身はかなり荒い一日でした。朝方は前日の米ハイテク株安と中東警戒を受けて一時1,800円を超える急落となり、ザラ場では6万2,335円(前日終値から約1,844円安)まで売り込まれる場面がありました。そこから、東京エレクトロンやキオクシア、イビデンといった半導体・AI関連株への押し目買いが入って急速に切り返し、引けにかけてプラス圏まで戻したという展開でした。ここで注意したいのは、日経はプラスでもTOPIXは-0.45%のマイナスだった点です。プライム市場の値上がりは538銘柄に対して値下がりは987銘柄(横ばい39銘柄)と、数の上では売られた銘柄のほうが多い。つまり日経のプラスは、指数への影響度が大きい一部の半導体・ハイテク株が引っ張った「狭い上げ」であって、市場全体が買われた「全面高」ではありません。長期金利(新発10年国債利回り)は約2.69%と、引き続き高めの水準で推移しています。

NIKKEI 225 · 直近12営業日
日経平均 12営業日チャート 2026/5/27-2026/6/11 6月3日に終値ベースの史上最高値6万8,402円をつけたあと、6月8日6万4,024円まで急落。その後は6万4千円台を中心にもみ合い、6月11日は6万4,217円で小幅反発。高値をつけたあと水準を切り下げる形のチャート。 69,000 68,000 67,000 66,000 65,000 64,000 63,000 6/3 68,402 ★最高値 6/8 64,024 6/11 64,217 5/27 6/1 6/3 6/8 6/11

※終値ベースで表記。6月3日(水)に終値ベースの史上最高値6万8,402円をつけたあと、6月8日(月)6万4,024円まで急落。その後は6万4千円台を中心にもみ合い、6月11日(木)は6万4,217円で小幅に反発しました。チャートはおおまかな推移を示すイメージで、最高値・安値・直近終値などの主要ポイントは確定値です。

🇺🇸 米国株式市場(米国時間6/11木 終値・イラン攻撃中止で3指数そろって大幅高)

NYダウ
50,848.38
▲ +929.60ドル(+1.86%)
5万ドル台を回復
S&P500
7,394.07
▲ +127.08pt(+1.75%)
幅広く買い戻し
NASDAQ総合
25,809.66
▲ +640.16(+2.54%)
ハイテク・AI関連が主導

米国市場は6月11日(米国時間 木)、NYダウ・S&P500・ナスダックの3指数がそろって1.7〜2.5%高と大きく上昇しました。きっかけは明快で、トランプ大統領がイランへの攻撃を中止し「偉大な解決に至った」と表明したことです。前日まで市場を押し下げていた中東リスクへの警戒が一気に巻き戻り、相場の不安心理を示すVIX指数は約12%低下しました。これがまさに、後ほど説明する「リリーフラリー(安堵の買い戻し)」の典型です。買いを主導したのは、金利上昇に弱いとされながらも値動きの大きいハイテク・AIインフラ関連で、ナスダックが+2.54%と最も大きく上げています。ただ、ここで見落としたくないのが、同じ6月11日には米5月のPPI(卸売物価指数)が前月比+1.1%と予想(+0.7%)を大きく上回る「ホットな」数字だったことです(後述)。本来なら物価高は株の重しになりやすいのに、この日は地政学リスクの後退という安心材料が勝った──つまり「物価高という悪材料を、地政学の安堵が上書きした一日」だった、という構図で見ておくとわかりやすいと思います。

💴 為替・金利(6月12日 朝時点)

USD/JPY(ドル円)
159.93
6/12 6:37時点
EUR/JPY(ユーロ円)
185.19
6/12 6:37時点
米国債10年利回り
約4.47%
前日終値4.54%から低下

為替は6月12日朝(日本時間)時点で、ドル円が1ドル=159.93円、ユーロ円が1ユーロ=185.19円です。米10年債利回りは、前日終値の4.54%から約4.47%へと低下しました。物価指標(PPI)が予想を上回ったにもかかわらず金利が下がったのは、中東リスクの後退で「有事の安全資産」とされる米国債に向かっていた資金の一部が、株式へ戻ったことも一因とみられます。ドル円は引き続き160円近辺と高い水準で、これは輸入物価を通じて私たちの食品やエネルギーの値段にも効いてくるので、私は株価以上にここを生活者目線で気にしています。なお商品市況では、NYMEXのWTI原油7月物が前日比-2.32ドル(-2.58%)安の1バレル=87.71ドルと、90ドルを割り込んで下落しました。前日まで中東緊張で膨らんでいた「上乗せ分」が、攻撃中止を受けてはがれ落ちた形です。緊張が高まれば上がり、和らげば下がる——地政学と原油価格の結びつきの強さが、これほど分かりやすく出た一日も珍しいと感じます。

🕊 今日の主役:イラン攻撃中止と、影に隠れた「ホットな」米5月PPI

米5月PPI(前月比)
+1.1%
予想+0.7%を大幅に上回る
エネルギー主導
米5月PPI(前年比)
+6.5%
2022年11月以来の高い伸び
コアPPI(前月比)
+0.4%
予想+0.5%をやや下回る
中身は総合ほど派手でない

昨日の最大のニュースは、やはりトランプ大統領によるイラン攻撃の中止です。前日まで「報復」「代償」といった強い言葉で緊張が高まっていただけに、「偉大な解決に至った」という表明は市場にとって大きな安心材料となり、株高・原油安という反応につながりました。ただし、地政学情勢は外交の駆け引きで状況が変わりやすく、現時点では報道ベースの情報が中心です。「これで一件落着」と楽観しきるのは早い、という距離感は保っておきたいところです。そして、この派手なニュースの陰でほとんど話題にならなかったのが、同じ6月11日に発表された米5月のPPI(卸売物価指数)です。前月比+1.1%は予想(+0.7%)を大きく上回り、前年比+6.5%は2022年11月以来の高い伸びでした。卸ガソリンが+23.4%とエネルギーが押し上げの主因で、食料・エネルギーを除いたコアの前月比は+0.4%と予想(+0.5%)をやや下回ってはいるものの、物価の高さそのものは消えていません。本来なら株の重しになる材料が、地政学の安堵にかき消された格好です。だからこそ来週の中央銀行イベントは重要になります。6月15日(月)-16日(火)に日銀の金融政策決定会合があり、市場では政策金利を0.25%引き上げて1.00%とする利上げ観測が約97%とほぼ織り込まれています。続いて米国時間6月16日(火)-17日(水)に米FOMCが開かれますが、こちらはホットな物価指標を背景に政策金利の据え置き観測が約97〜98%。両中銀とも当面、利下げに動く環境ではない、という方向感は押さえておきたいところです。

📖 今日の経済用語

リリーフラリー(Relief Rally/安堵の買い戻し)

リリーフラリーとは、市場が警戒していた悪材料が「思ったほど悪くなかった」「消えた・後退した」とわかったときに起きる、安堵による急な買い戻しのことです。「Relief」は安堵・ホッとすること、「Rally」は相場の急反発を指します。昨日のNYダウ+929ドルの上昇は、まさにこれ。前日まで中東情勢への警戒で売られていたところに、トランプ大統領の攻撃中止という安心材料が出て、身構えて売っていた投資家が一斉に買い戻したわけです。前日の記事で取り上げた「地政学リスクプレミアム(不安が価格に上乗せされる割増し分)」と、ちょうど裏表の関係にあります。プレミアムが膨らむのが緊張の高まる局面なら、それがはがれ落ちて株が一気に戻るのがリリーフラリー、というわけです。

▼ 押さえておきたい3つの視点
  • 「自律反発」との違い:先日取り上げた自律反発は、はっきりした材料なしに「下げすぎの反動」で戻る動き。一方リリーフラリーは、悪材料そのものが消えた・後退したことがきっかけで戻る。きっかけが「反動」か「悪材料の解消」かが分かれ目
  • 株が上がっても基調は別物:昨日は株が大きく戻ったが、影では米PPIが予想を上回る「ホットな」数字だった。安堵で消えた悪材料と、消えていない物価高は分けて見たい。リリーフラリーは「悪材料が一つ片付いた」だけで、すべてが好転したわけではない
  • 家計目線:地政学ニュースで原油や株が大きく動く日は、つい一喜一憂しがち。でも「安堵の買い戻し」は、悪材料が再燃すればまた逆回転することもある。私は、こういう急な戻りを見ても、長期のお金の方針はいじらないようにしている
💬 お金バイバイマンからの一言

正直、昨日の朝に起きてチャートを見たときは、ちょっと頭がついていきませんでした。前日は中東がきな臭くて株安・原油高だったのに、一晩で「攻撃中止」のニュースが出て、米株は+929ドルの全面高。原油は逆に90ドル割れ。こういう、寝てる間に世界がひっくり返るパターンって、本当に消耗するんですよね。短期で持ってたら、たった一晩の地政学ニュースで損益が大きく振れていたわけで。

それと個人的に引っかかっているのが、米PPIです。前月比+1.1%って、予想(+0.7%)をだいぶ上回る「ホットな」数字なのに、昨日は地政学の安堵にかき消されて、ほとんど話題になっていない。でも物価高そのものが消えたわけではないので、私はここを静かに警戒しています。東京市場のほうも、日経はプラスでもTOPIXは下げていて、半導体が引っ張った「狭い上げ」。「日経が反発」という見出しほど、全体が強かったわけではないと見ています。

じゃあ私が昨日や今日、何か動くかというと、特に何もしません。こういう一晩で世界が反転する相場こそ、追いかけて売り買いするのが一番損するパターンだと思っているので。来週は日銀、続けてFOMCと、また大きなイベントが控えています。私は積立を淡々と続けつつ、原油高・円安で家計が重く感じる時期だからこそ、数カ月分の生活防衛資金を現金で確保しておく。そのうえで、来週のイベントもイランのニュースも、慌てず眺めていくつもりです。

📊 6/11(木)の総括

日本株
半導体主導で小幅反発
朝方は1,800円超の急落も、半導体・AI株の押し目買いで切り返し日経+38円。ただTOPIXは-0.45%で「狭い上げ」
米国株
3指数そろって全面高
トランプ氏のイラン攻撃中止で安堵の買い戻し。ダウ+1.86%・S&P500+1.75%・ナスダック+2.54%
商品・来週
原油安/日銀→FOMC
WTI原油-2.58%(87.71ドル)と緊張緩和で下落。来週は6/15-16日銀(利上げ観測)→FOMC(据え置き観測)
📚 参考にした一次情報源

本記事の数値・統計・要人発言は、以下の公式・準公式ソースを2つ以上で照合して作成しています。

  • 日本経済新聞(電子版)
  • Bloomberg
  • 日本取引所グループ(JPX)
  • 米連邦準備制度理事会(FRB)公式サイト
  • 米労働統計局(BLS)— 米5月PPI発表

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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この記事を書いた人

「お金バイバイマンの経済ニュース」運営者。

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日々の株価や為替の動きを「なぜ動いたのか」まで追いかけ、"今日の経済用語"コーナーでは、ニュースに出てくる言葉を1日1つずつ深掘り。

個人投資家として、長期・分散・積立を基本にコツコツ実践中。短期の値動きに振り回されず、"知って → 考えて → 淡々と続ける" スタイルを大切にしています。

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