7月16日の日経平均終値は66,835円・1,915円安の急落|TSMCが過去最高益でも半導体株は買われず/米6月PPI下振れで7月FOMCの利上げ確率は約1割に低下

お金バイバイマン経済ニュース。7月16日の日経平均は1,915円97銭安の6万6,835円54銭と3日ぶりに急反落。台湾TSMCが純利益77%増の過去最高益を発表したにもかかわらず半導体株が買われず、アドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄だけで日経平均を約788円押し下げたこと、米6月PPIの下振れで7月29日FOMCの利上げ確率が約1割まで低下したことを示すアイキャッチ画像。
DAILY MARKET NOTE · 2026.07.17(金)

📉 7月16日の日経平均終値は66,835円・1,915円安の急落/TSMCが過去最高益でも半導体株は買われず/利上げ警戒は薄れているのに株が下がった日

📅 日本株・米国株・為替・金利・商品 / 今日の経済用語「SOX指数」 / 好決算=株高が通じなかった一日

#日経1915円安 #半導体株安 #TSMC決算 #SOX指数

おはようございます、お金バイバイマンです。昨日7/16(木)の東京市場は、日経平均が−1,915.97円(−2.79%)の急落で、終値は66,835円。3日ぶりの反落です。ここが今日いちばん面白いところなのですが、この下げの犯人は金融政策ではありません。アメリカの物価は鈍化していて、利上げの心配はむしろ薄れています。それでも日経平均は1,900円以上下げました。犯人は半導体です。前日15日のアメリカ市場は、株価指数そのものは上がったのに、半導体株だけが売られました。その流れが翌16日の東京に波及し、アドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄だけで日経平均を約788円押し下げています。しかも、台湾のTSMCは純利益+77%の過去最高益という文句なしの決算を出したのに、それでも半導体は買われませんでした。「良い決算=株高」が通じない日だった、というのが今日の読みどころです。今日の経済用語は、この主役である「SOX指数」を選びました。順番に見ていきます。

🇯🇵 日本株式市場(7/16木 終値・米半導体株安の波及で3日ぶり反落)

日経平均株価
66,835.54
▼ −1,915.97円(−2.79%)3日ぶり反落
TOPIX
4,028.79
▼ −59.33pt(−1.45%)3日ぶり反落
日本国債10年利回り
2.710%
前日比 +0.025%pt・上昇
7月16日 15時18分時点

昨日の値動きは、「じりじり下げた」のではなく「いきなり落ちて、あとは持ちこたえた」一日でした。始値がすでに67,900.43円で、前日終値から約851円安の下窓スタート。そこからさらに売られて、前引け前の11時06分に安値66,499.49円をつけ、下げ幅は一時2,252円まで広がりました。ただ、後場に入ると下げ渋り、終値は66,835.54円。この日の安値66,499.49円も、7月14日のザラ場安値(66,268.60円)は割り込まずに踏みとどまりました。東証プライムの売買代金は約9兆5,639億円と膨らみ、値下がり銘柄は1,070。ここで一つ注目したいのは、日経平均が−2.79%も下げたのに、TOPIXは−1.45%にとどまっている点です。この差が、昨日の下げの性格をそのまま表しています。

下げの主因は3つです。第一に、前日15日のアメリカ市場で半導体株が売られたこと。ここは時系列を混同しやすいので丁寧に言うと、15日のアメリカは株価指数そのものは上昇していました。売られたのは半導体だけ。その「半導体だけ売られた」部分が、翌16日の東京に効いたわけです。第二に、台湾のTSMCが4-6月期・7-9月見通しともに市場予想を上回る好決算(純利益+77%の過去最高益)を出したにもかかわらず、半導体株への買い意欲が限定的だったこと。いわゆる材料出尽くしです。第三に、韓国のKOSPIが一時7%超下落する場面があり、アジア全体に不安が波及したことです。

寄与度を見ると、犯人ははっきりしています。大引け時点で、アドバンテストと東京エレクトロンのわずか2銘柄だけで、日経平均を約788円押し下げました。さらにソフトバンクグループキオクシアを加えた上位4銘柄では、押し下げは約1,300円に達します。下げ幅1,915円のうち約1,300円が、たった4社。つまり昨日は「日本株が総崩れした日」ではなく、「日経平均に効く一部の値がさ半導体株が売られた日」でした。TOPIXの下げが半分程度で済んだのは、そういうことです。私はこの手の日、指数の数字だけ見て「日本経済が悪化した」と読まないように気をつけています。

NIKKEI 225 · 直近12営業日(7/1→7/16)
日経平均 12営業日チャート 2026/7/1-2026/7/16 7月1日の7万474円を期間高値として、7月8日に6万6,819円まで下落。その後は一進一退で、7月15日にASMLの好決算を受けた半導体株高で6万8,751円まで戻したが、直近の7月16日は米半導体株安の波及で1,915円安の6万6,835円へ急落し、期間の安値圏に逆戻りした下落基調のチャート。 71,000 70,000 69,000 68,000 67,000 66,000 7/15 68,751 7/16 終値66,835 ★ 7/1 7/6 7/9 7/13 7/16

※終値ベースで表記(土日・祝日は休場のため含みません)。期間(7/1→7/16)は、7/1の7万474円が期間高値、7/8の6万6,819円が期間最安値です。7/15にいったん6万8,751円まで戻したものの、直近7/16は半導体株安の波及で1,915円安の6万6,835円まで急落し、期間の安値圏へ逆戻りしました。期間の起点(7/1)より現在の水準が低いため、折れ線は下落基調を示す赤で表示しています。各営業日の終値は複数の情報源で照合した確定値です。

📌 注目ポイント:物価は落ち着いたのに株は下げた──ねじれの正体

半導体2銘柄の寄与度
−約788円
アドバンテスト+東京エレクトロン
株探・大引け時点
上位4銘柄の寄与度
−約1,300円
上の2銘柄+ソフトバンクG・キオクシア
日本経済新聞
7/29 FOMC 利上げ織り込み
約10.2%
据え置き約89.8%・利下げ0%
CME FedWatch 7/15更新

昨日の相場を見ていて、私がいちばん「へえ」と思ったのはここです。アメリカの物価は、明らかに落ち着いてきています。7/15に発表された米6月PPI(生産者物価指数)は、前月比−0.3%(予想0.0%/前回+0.6%)と昨年8月以来のマイナス。前年比も+5.5%(予想+6.2%/前回+6.0%)で、3月以来の低さです。コアも前月比+0.2%(予想+0.3%)、前年比+4.7%(予想+5.1%)と、どこを見ても予想より弱い。その前のCPIと合わせて2連続の下振れです。おかげで、7月29日のFOMCでの利上げ織り込みは、7/14の米CPI発表前には40%〜46.5%あったのが、いまや約10.2%まで低下しました(据え置き約89.8%、利下げは0%)。ここは大事なので念のため書いておくと、いまのアメリカは「利下げ待ち」の局面ではなく、「利上げされるかどうか」を警戒している局面です。その警戒がかなり和らいだ、という話です。

つまり、金融政策の風向きは株にとって追い風のはずでした。それでも日経平均は1,915円下げた。このねじれが昨日の本質です。市場が見ていたのは金利ではなく、AI・半導体への期待がどこまで正当化できるかでした。TSMCが純利益+77%の過去最高益を出しても株が買われなかった、というのは象徴的です。良い決算が出ても上がらないということは、その良さがすでに株価に入っていたということ。ここまで上がってきた半導体株にとって、いちばん怖いのは悪い決算ではなく、「良い決算でも動かない」という反応なのだと思います。

背景も一応押さえておきます。日本時間7/16 03:00に公表されたベージュブック(地区連銀経済報告)では、12地区中11地区で小幅〜緩やかな成長と報告される一方、イラン情勢による燃料コスト増の報告が相次ぎ、さらに所得層を問わず節約の動き(高所得層まで節約している)が指摘されました。ウォーシュFRB議長も今週の議会証言で「インフレの高止まりを容認しない」「6月のインフレ鈍化は物価安定の達成を意味しない」「手段はある」と、はっきりタカ派の姿勢を崩していません。物価の数字は良くなったが、中央銀行はまだ緩めない。ついでに、7/15発表の中国4-6月期GDPは前年同期比+4.3%と、前期の+5.0%から減速し、市場予想(+4.5%)も政府目標(4.5〜5.0%)の下限も割り込みました。2022年10-12月期以来の低水準です(上半期は+4.7%)。良い材料と悪い材料が、けっこう雑然と同居しています。

🇺🇸 米国株式市場(7/16木 終値・NASDAQ−1.47%とダウ−0.20%の落差)

NYダウ
52,552.97
▼ −105.67pt(−0.20%)下落
S&P500
7,533.77
▼ −38.63pt(−0.51%)下落
NASDAQ総合
25,881.95
▼ −387.28pt(−1.47%)下落

昨夜のアメリカ市場も3指数そろって下落しましたが、注目したいのは下げ方の差です。NYダウが−0.20%なのに対して、NASDAQ総合は−1.47%。同じ「下落」でも中身が7倍以上違います。これはセクターの差です。ダウ側は、ユナイテッドヘルス(決算が上振れ、26年12月期の通期見通しも上方修正)とGEエアロスペース(決算上振れ)が下支えしました。一方のナスダック側は、アルファベットが4%超下落。Bloombergが「最も高性能なAIモデルGemini 3.5 Proの提供が遅れている」と報じたことが嫌気されました。加えて半導体株が2日続落し、SOX指数は−3.8%。市場全体としては、AI相場の再評価高いバリュエーションへの警戒、そして米イラン情勢の緊迫が重しになっています。

同じ日のアメリカの経済指標そのものは、悪くありませんでした。米6月小売売上高(21:30 JST発表)は前月比+0.2%市場予想と一致、金額は7,686億ドル。ガソリン価格が下がっているなかでも個人消費は底堅い、という内容です。ほかにフィラデルフィア連銀景況指数41.4、新規失業保険申請20.8万件、7月NAHB住宅市場指数34、6月中古住宅仮契約−5.4%。景気の絵として崩れているわけではないんですね。だから昨日の下げは「景気が悪いから売られた」のではなく、「AIへの期待値が高すぎたところが調整された」と読むのが素直だと私は思っています。

💴 為替・金利・商品(7月17日 5時37分 JST時点)

USD/JPY(ドル円)
162.36
前日終値162.14円から円安
7/17 5:37 JST時点
EUR/JPY(ユーロ円)
185.80
前日終値185.86円からほぼ横ばい
7/17 5:37 JST時点
米国債10年利回り
4.569%
前日比 +0.024%pt・上昇
7月17日 5時37分時点(7月16日引け値)

為替は7月17日5時37分(日本時間)時点で、ドル円が1ドル=162.36円。前日終値の162.14円からわずかに円安方向です。ユーロ円は1ユーロ=185.80円で、前日終値185.86円からほぼ横ばい。米10年債利回りは4.569%(前日比+0.024%pt)と、小幅に上昇しました。株が下げた日に金利が上がっているのは、「株から債券へ逃げる」という典型的な避難の動きにはなっていない、ということです。物価の鈍化で利上げ警戒は和らいだものの、長期金利が素直に下がるほどではない。ここも、いまの相場のちぐはぐさを表しています。日本国債10年利回りは2.710%(+0.025%pt、7月16日15時18分時点)で、日米の金利差が大きく開いた状態は変わらず、円安の地合いも続いています。

商品市況では、WTI原油が79ドル前後(小反落)、NY金が約3,980ドル(反落)となっています。原油についてしっかり押さえておきたいのは、直近の水準そのものよりこの1週間の上がり方のほうです。イランがホルムズ海峡を封鎖(7/11発表・「追って通知があるまで」通航を認めず)したことで、WTIは7/10の71.41ドルから7/13に78.14ドルへ、+9.42%も急騰しました。ブレントも86ドル近辺で高止まりしています。封鎖前の7/10(71.41ドル)と比べると、WTIはいまも約1割高い水準です。米イランの暫定和平は事実上崩壊し、米軍は海上封鎖を再開して5日連続で空爆を行っています。原油高は電気・ガス・ガソリンという形で、時間差で家計に効いてきます。株価の−1,915円より、こっちのほうが生活には直接響くはずなのですが、ニュースの扱いは逆になりがちです。なお、原油・金の当日値は情報源によって数値に幅があるため、ここでは水準(レンジ)での表記にとどめています。

📖 今日の経済用語

SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数/PHLX Semiconductor Sector Index)

SOX指数とは、アメリカに上場している主要な半導体関連銘柄で構成される株価指数のことです。読み方は「ソックス指数」。半導体を作る会社、設計する会社、製造装置を作る会社などがまとめて入っているので、世界の半導体株がいま元気なのか・冷えているのかを測る体温計として使われます。昨日の東京の急落も、出発点はここでした。15日のアメリカ市場では、株価指数そのものは上昇したのに半導体株だけが売られていたのです。その流れが翌16日の東京に波及し、アドバンテスト・東京エレクトロンの急落につながりました。日経平均が1,915円下げた出発点は、実はここにあります。なお昨夜16日のアメリカでも、SOX指数は−3.8%と2日続落しています。ちなみに、似た言葉に「シリコンサイクル」がありますが、あちらは半導体の需給の波を指す言葉で、SOX指数は半導体株の株価指数。別のものです。

▼ 押さえておきたい3つの視点
  • 世界の半導体株の温度計:米国上場の主要な半導体銘柄で構成される指数。「AI関連は買われているのか、冷えているのか」を、個別銘柄を追わずに1本の数字で確認できます。
  • 朝の東京市場より先に動く:日本のアドバンテスト・東京エレクトロンなどはSOX指数に連動しやすいので、市場関係者は東京が開く前にSOXをチェックします。15日にSOXだけが下げていたことは、翌16日の東京の急落を予告していたようなものでした。
  • 個人投資家への含意:SOXは値動きが激しく、日経平均は半導体の比率が高いため、指数全体がここに振り回されます。ただ、これは「日本経済がどうこう」ではなく「半導体株の温度」の話。短期の上下は、積立の手を止める理由にはならないと私は考えています。
💬 お金バイバイマンからの一言

正直、昨日の相場でいちばん引っかかったのは、下げ幅そのものではありません。TSMCが純利益+77%の過去最高益を出したのに、半導体が買われなかったことです。これ以上ないくらい良い決算ですよ。それでも動かない。ということは、その良さはとっくに株価に入っていて、市場が知りたかったのは「良いかどうか」ではなく「まだ良くなり続けるのか」だったんでしょうね。おとといは「ASMLが好決算だ」と1,008円上げて、昨日は「TSMCが最高益でも足りない」と1,915円下げる。2日でこれです。相場のムードって、本当にあてになりません。

それと、私はこういう日ほど「日経平均−1,915円」という見出しを話半分に見るようにしています。だって、そのうち約1,300円はたった4社の下げなんです。TOPIXは−1.45%で済んでいる。日本の会社が一斉に悪くなったわけではありません。なので私は今日も何もしません。毎月決めた額でオルカンを買って、あとは放っておく。余剰資金でやっている以上、数日で上げたり下げたりする数字に自分の生活を合わせにいく理由がないからです。むしろ気にしているのは原油のほう。この1週間で約1割上がったぶんは、そのうち電気代とガソリン代になって、株価と違って確実に家計に届きます。今日は夜にアメリカの住宅指標。いつも通りいきましょう。

📊 7/16(木)の総括と、今日の注目

日本株
米半導体株安の波及で3日ぶり反落
日経−2.79%(66,835円・−1,915円)/TOPIX−1.45%
米国株
AI再評価でNASDAQ主導の下落
ダウ−0.20%/S&P−0.51%/NASDAQ総合−1.47%
今日の注目
米6月住宅着工・建設許可(21:30 JST)
予想 着工133.0万件/許可140.0万件(年率)
📚 参考にした一次情報源

本記事の数値・統計・要人発言は、以下の公式・準公式ソースを2つ以上で照合して作成しています。

  • 日本経済新聞(電子版・東証大引け)・株探(日経平均・TOPIX 終値・寄与度)
  • 米連邦準備制度理事会(FRB)— ベージュブック・ウォーシュ議長 議会証言
  • 米労働省労働統計局(BLS)— 米6月PPI/米商務省 — 米6月小売売上高
  • 米セントルイス連銀(FRED)・Yahoo Finance(米国株・米10年債)
  • CME FedWatch(7月29日FOMCの織り込み)・TSMC 決算発表(4-6月期業績)
  • 中国国家統計局(4-6月期GDP)・日本経済新聞(債券15時・7月16日15時18分時点)

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。為替は「7月17日 5時37分 JST時点」の値で、執筆後に変動する場合があります。日本国債10年利回りは7月16日15時18分時点の値です。WTI原油・NY金の7月16日の値は、情報源によって数値に幅があり確定できないため、単一の数値ではなく水準(WTIは79ドル前後、NY金は約3,980ドル)で表記しています。7月29日FOMCの利上げ・据え置き確率はCME FedWatch(7月15日更新)に基づく市場の織り込みであり、将来を保証するものではありません。米6月住宅着工件数・建設許可件数の市場予想は発表前の見通しであり、確定値ではありません。

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この記事を書いた人

「お金バイバイマンの経済ニュース」運営者。

平日毎日、日経平均・米国株・為替・世界ニュースなどのマーケット情報を、投資初心者の方でもスッと読めるようにやさしく解説しています。

日々の株価や為替の動きを「なぜ動いたのか」まで追いかけ、"今日の経済用語"コーナーでは、ニュースに出てくる言葉を1日1つずつ深掘り。

個人投資家として、長期・分散・積立を基本にコツコツ実践中。短期の値動きに振り回されず、"知って → 考えて → 淡々と続ける" スタイルを大切にしています。

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