米コアPCE鈍化&Q1 GDP下方修正で利下げ観測強まり米株最高値更新、Dell決算は売上+88%の歴史的大ビート/日経は中東警戒で反落|今朝は東京都区部CPIなど日本の月末指標が集中
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おはようございます、お金バイバイマンです。昨夜は今週最大の山場だった米PCEデフレーター4月分と米Q1 GDP第2次推計が同時に発表されました。結果は「成長は減速(GDPは年率+1.6%へ下方修正)だけれど、インフレの基調を示すコアPCEは前月比+0.2%と予想を下回って鈍化」という、株式市場にとっては都合のいい組み合わせ。利下げ観測が強まり、NYダウ・S&P500・NASDAQの3指数が揃って上昇(S&P500は取引時間中・終値ともに史上最高値を更新、NYダウは終値ベースで史上最高値を更新)、米10年債利回りは4.56%近辺から4.46%近辺へ大きく低下しました。さらに引け後にはDellの決算が出て、売上前年比+88%・AIサーバー受注+757%という歴史的な大ビートで時間外株価は+約12.8%急騰、AIインフラ需要の強さが改めて示されました。一方で日本株はきのう5月28日(木)、中東情勢の警戒再燃でハイテクが売られ4日続伸後に反落。そして今朝は東京都区部CPI・完全失業率・鉱工業生産と日本の月末指標が一気に発表されます。順番に整理していきましょう。
日本株式市場(5/28木 終値・中東警戒の再燃で4日続伸後に反落)
4日続伸後に反落
幅広い銘柄が小幅安
(当日確定値は公表に時間差あり)
きのうの日経平均は前営業日比-306.29円の64,693.12円と、4日続伸の流れがいったん途切れて反落しました。前日に取引時間中66,000円台をタッチした急ピッチの上昇に対する利益確定売りに加え、中東情勢をめぐる警戒感が再び強まったことで、値がさのハイテク・半導体関連が売られたのが主因です。TOPIXは3,900台前半(前日比およそ-0.4%)と小幅安で、東証プライムの幅広い銘柄が小じっかり下げる展開でした(TOPIXの当日確定値はソースにより細部が割れているため、本記事では幅表現で記載しています)。日本長期金利(新発10年国債利回り)は2.6%台後半で推移したとみられます(5月27日の確報値は2.680%。10年国債利回りの当日確定値は公表に時間差があるため幅表現としています)。日経は反落したものの、昨夜の米株高が本日の支援材料となるかが今朝の焦点です。
※前営業日比で表記。土日は休場のため営業日カウント外。5/20安値59,804円から5/25終値65,158円まで急騰したあとはもみ合いとなり、5/28は中東警戒の再燃で反落して64,693円で引け。全体としては上昇トレンドが続いています。
米国株式市場(5/28木 終値・PCE鈍化&利下げ観測で3指数上昇、S&P500は最高値更新・ダウは終値ベースで最高値更新)
終値ベースで最高値更新
終値・場中とも最高値更新
大幅続伸
米国市場は昨夜の経済指標を好感し、S&P500は+43.27ptの7,563.63ptで取引時間中・終値ともに史上最高値を更新、NYダウは+24.69ドルの50,668.97ドルで終値ベースの史上最高値を更新しました(ダウの取引時間中の高値は前日5/27の最高値には届かず、終値ベースでの小幅更新です)。ハイテク中心のNASDAQは+242.74ptの26,917.47pt(+0.91%)と大幅続伸しました。きっかけは同日21:30 JSTに発表された米PCEデフレーター4月分とQ1 GDP第2次推計です(詳細は次の特集で解説します)。インフレの基調を示すコアPCEが前月比+0.2%と市場予想を下回って鈍化した一方、Q1の実質GDPは年率+1.6%へ下方修正され、「景気は減速しつつもインフレは落ち着いてきた」という構図が利下げ観測を後押し。これを受けて米10年債利回りは前日の4.56%近辺から4.46%近辺へ大きく低下し、金利低下がS&P500の史上最高値更新(ダウは終値ベースでの最高値更新)を支える形となりました。
特集(1)米コアPCE鈍化&Q1 GDP下方修正──「ゴルディロックス」的反応で利下げ観測強まる
| 項目 | 結果 | 前回・予想 | 市場の見方 |
|---|---|---|---|
| コアPCE(前月比) | +0.2% | 予想+0.30% | 鈍化を好感 |
| コアPCE(前年比) | +3.3% | 前回(3月)+3.2% | 小幅加速 |
| ヘッドラインPCE(前月比/前年比) | +0.4%/+3.8% | — | — |
| Q1実質GDP(年率・第2次推計) | +1.6% | 1次推計+2.0% | 下方修正 |
昨夜の2本の指標は、市場にとって「悪くない組み合わせ」と受け止められました。Q1の実質GDPは年率+1.6%と1次推計の+2.0%から0.4ポイント下方修正され、米国の成長減速がデータで確認されました。一方、FRBが利下げ判断で最重視するインフレの基調指標であるコアPCEは、前月比が+0.2%と市場予想の+0.30%を下回って鈍化(前年比は+3.3%と3月の+3.2%から小幅に加速したものの、前月比の落ち着きが好感されました)。つまり「成長は減速しているが、足元のインフレ加速は弱まってきた」という読み筋になり、FRBの利下げ観測が強まったわけです。この結果、安全資産である米国債が買われて米10年債利回りは4.56%近辺から4.46%近辺へ大きく低下、金利低下が株価の追い風となって、S&P500の史上最高値更新(ダウは終値ベースでの最高値更新)につながりました。成長鈍化とインフレ鈍化が同居する「ゴルディロックス(過熱も冷え込みもしない適温)」的な反応が出た一日だったと整理できます。
特集(2)Dell決算は売上+88%の歴史的大ビート──AIサーバー+757%でAIインフラ需要を再確認
売上$43.8B(前年比+88%)でコンセンサスを約$8B上回る四半期過去最高
米引け後に発表されたDellの決算は、市場予想を「上回った」どころではない歴史的な大ビートでした。売上は$43.8B(前年比+88%)と四半期として過去最高を記録し、コンセンサスの約$35.8Bをおよそ$8Bも超過。non-GAAP EPSは$4.86(前年比+214%)と、コンセンサスの約$2.96を約64%上回りました。「予想通り」「無難に着地」といった水準をはるかに飛び越えた、桁違いの上振れです。
- 売上 $43.8B(前年比+88%):四半期過去最高・コンセンサス約$35.8Bを約$8B超過
- non-GAAP EPS $4.86(+214%):コンセンサス約$2.96を約64%上回る
- AI最適化サーバー売上 $16.1B(前年比+757%):受注残は$51.3Bまで積み上がる
- 通期FY27ガイダンス引き上げ:売上$165〜169B(中央$167B・約+47%)へ上方修正
- 時間外株価 +約12.8%急騰
特に注目されたのがAI最適化サーバー売上$16.1B(前年比+757%)で、受注残も$51.3Bまで積み上がりました。通期FY27の売上ガイダンスも$165〜169B(中央値$167B・前年比約+47%)へ引き上げられ、AIインフラ需要が一過性のブームではないことを企業の実績ベースで裏付けた格好です。先行して好決算を出したNVIDIA・マイクロンに続く流れで、時間外株価は+約12.8%急騰。AI関連の設備投資サイクルがなお拡大局面にあることを示す、象徴的な決算となりました。
為替・金利(投稿時リアルタイム・米金利低下でドル円は円高方向)
前日比 -0.18円(円高方向)
前日比 +0.17円(小幅円安)
GDP下方修正・利下げ観測
為替は本記事掲載時点(5月29日 06:42 JST)でドル円が1ドル=159.22円、ユーロ円が1ユーロ=185.47円です。ドル円は前日終値(159.40円)から円高方向に振れていますが、これは昨夜の米金利低下を受けた動きです。米10年債利回りは前日の4.558%から4.455%へ大きく低下しており、日米金利差の縮小がドル売り・円買いにつながりました。一方ユーロ円は185.47円と小幅に円安方向。GDP下方修正とコアPCE鈍化を受けた利下げ観測の強まりが、為替・金利の両面に波及しています。ただ159円台での推移は依然として歴史的な円安水準であり、目先は米金利の動向と、今朝発表される日本の月末指標の結果を見極める展開になりそうです。
本記事の投稿は今朝の発表前のため、ここでは「本日発表予定」の予告として整理します(結果値は出ていません)。日本の月末は経済指標が集中する日で、本日も以下が立て続けに公表されます。
- 8:30 JST 東京都区部CPI(5月):市場予想はコア(生鮮食品除く)前年比+1.5%、コアコア(生鮮食品・エネルギー除く)+1.9%。全国CPIに先行する重要指標です(後ほど経済用語で解説します)。
- 8:30 JST 完全失業率(4月):市場予想は2.7%。雇用情勢の底堅さが続いているかが焦点です。
- 8:50 JST 鉱工業生産(4月速報)・商業動態統計(4月):生産・小売の足元の勢いを確認する指標。なお予想値は出所によって割れているため、まずは市場予想とのズレを見極めたいところです。
これらの結果は、日銀の追加利上げ判断や日本長期金利の動向に直結します。とりわけ東京都区部CPIの上振れ・下振れは、その後の日本株・円相場の地合いを左右しやすいので、発表後の反応に注目しておきたいところです。
商品市況では、WTI原油が88ドル台半ば($88.53・小幅続落)と、中東情勢の沈静化観測を背景に水準を切り下げた状態が続いています。一方NY金は4,500ドル台を回復($4,527.3・前日比+1.79%)と反発。米金利の低下と利下げ観測の強まりは、金利を生まない金にとって追い風になりやすく、株高と金高が同時に進む組み合わせとなりました。エネルギー価格が落ち着いていることは、来月以降のインフレ指標の鈍化を後押しする伏線にもなり得ます。
東京都区部CPI(全国CPIの先行指標)
東京都区部CPI(消費者物価指数)とは、総務省が東京23区を対象に毎月公表する物価指数で、本日8:30 JSTに5月分が発表されます。最大のポイントは、全国の消費者物価指数(全国CPI)よりも約3週間早く公表される「先行指標」であることです。全国CPIは翌月下旬に出ますが、東京都区部CPIは当月末に速報が出るため、市場関係者や日銀は全国の物価動向を占う手がかりとして注目します。指数には、全体を示すヘッドライン、変動の大きい生鮮食品を除いた「コア」、さらにエネルギーも除いた「コアコア」があり、基調的なインフレを読むうえではコア・コアコアが重視されます。CPIそのものについては5月11日の記事でも触れましたが、今日は「東京都区部=全国に先行する物差し」という日本固有の視点で押さえておきましょう。
- 全国CPIより約3週間早い先行指標:当月末に公表されるため、翌月下旬に出る全国CPIの方向感を先取りして読むことができる
- 日銀が金融政策判断で重視:日銀は2%の物価目標の達成度合いを見るうえで物価指標を重視しており、東京都区部CPIは追加利上げの是非を探る材料の一つになる
- 家計目線:生活実感に近い物価動向:食料品やエネルギーなど身近な品目の動きが反映される一方、生鮮食品は天候で大きく振れるため、基調を見るときはコア・コアコアを併せて確認すると安心
昨夜の米PCEとGDP、正直うまく出来すぎな組み合わせだなと感じました。「成長は減速したけどインフレも鈍化」って、株にとっては一番都合のいいシナリオ。しかもDellが売上+88%、AIサーバー+757%っていう桁違いの決算を出してきて、AIブームまだ全然終わってないんやな、と素直に驚いています。NVIDIA・マイクロンの流れがそのまま続いている感じで、AIインフラの需要は本物なんだと改めて思わされました。
ただ、いいニュースばかりに気を取られると足をすくわれそうで、個人的にはそこが少し怖いところです。日本側はきのう中東警戒で反落していますし、今朝は東京都区部CPIに失業率、鉱工業生産と月末指標が一気に出てきます。為替も米金利の低下を受けて159円台で円高方向に振れていて、今日は午前中に結果が出揃うまで地合いが読みにくい。私はこういう日は無理に方向感を決めず、指標が出揃う昼前までは様子見、というスタンスでいきたいなと思っています。
一週間を振り返ると、米株は最高値、AI決算は絶好調と派手な話が続きましたが、こういう景色のいい時ほど、私は週末に自分の家計のほうへ目線を戻すようにしています。相場が上がっていても下がっていても、数か月分の生活費を手元で動かせる状態さえ崩れていなければ、目先の値動きに判断を急かされずに済む。週末はそのあたりを落ち着いて点検しながら、来週の指標カレンダーをゆっくり眺めておこうと思います。
きのう(5/28)の総括
本記事の数値・統計・要人発言は、以下の公式・準公式ソースを2つ以上で照合して作成しています。
- 日本経済新聞(電子版)
- Bloomberg
- 米商務省 経済分析局(BEA)— 昨夜の米PCEデフレーター4月+Q1 GDP第2次推計
- 総務省統計局 — 本日朝の東京都区部CPI・完全失業率発表
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。


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