📈 7月15日の日経平均終値は68,751円・1,008円高の続伸/ASMLの好決算で半導体株が主導/米6月PPIも下振れで利上げ観測がさらに後退
📅 日本株・米国株・為替・金利・商品 / 今日の経済用語「価格転嫁」 / 米CPIに続きPPIも鈍化・中国GDPは減速
おはようございます、お金バイバイマンです。昨日7/15(水)の東京市場は、日経平均が+1,008.01円(+1.49%)の続伸で、終値は68,751円。2日続けての上昇で、7万円台まではあと少し、というところまで戻してきました。上げの主役は半導体株です。オランダの半導体製造装置メーカーASMLが発表した4-6月期決算が市場予想を上回り、通期の売上見通しも引き上げたことで、「AI向けの半導体設備投資はまだ強い」という安心感が広がりました。この流れで、日本でもアドバンテストなどの半導体関連株がまとめて買われ、1銘柄で日経平均を約400円も押し上げています。もうひとつの追い風は、昨夜(東京の引け後)に出た米6月PPI(生産者物価指数)。前日のCPI(消費者物価指数)に続いてこちらも市場予想を下回り、アメリカの利上げへの警戒がさらにやわらぎました(この数字が効くのは、今夜以降のアメリカ市場からです)。今日の経済用語は、そのPPIとCPIの関係を読み解く「価格転嫁」を選びました。順番に見ていきます。
🇯🇵 日本株式市場(7/15水 終値・ASML好決算で半導体主導の大幅続伸)
1997年6月以来の高水準圏は継続
昨日の東京市場は、朝から堅調に始まって、午後にかけてさらに上げ幅を広げる一日でした。寄り付きは246円高で始まり、前引けの時点では610円ほどの上昇。そこから後場に入ってじりじりと水準を上げ、午後2時ごろに高値68,798円をつけて、大引けは1,008円高となりました。値上がり銘柄はプライム市場の約7割にのぼり、幅広く買われています。牽引したのは、前日にオランダのASMLが発表した好決算です。ASMLはAI向け半導体の製造に欠かせない装置を作る会社で、その受注や見通しが良かったことは、「AIの設備投資はまだ続く」という何よりのサインになります。これを受けて、日本の半導体関連株、とりわけ指数への影響が大きいアドバンテストなどの値がさ株が大きく買われ、この1銘柄だけで日経平均を約400円押し上げました。前日のアメリカで半導体株指数(SOX)が上げていたことも、追い風になっています。
ひとつ整理しておくと、昨日の東京が上げた材料は、前日までに出ていた「ASMLの好決算」と「米ハイテク株高」です。昨夜のアメリカのPPIは、東京が引けた後(日本時間21:30)に発表されたので、昨日の東京の上げは“PPIの結果を受けたもの”ではありません。PPIの好結果が効いてくるのは、この後のアメリカ市場から。ニュースは時間の前後が混ざりやすいので、私はいつも「それは何時の出来事か」を確かめるようにしています。
※終値ベースで表記(土日・祝日は休場のため含みません)。期間(6/30→7/15)は、7/1に期間高値7万474円をつけたあと7/8に期間最安値6万6,819円まで下落し、そこから戻り基調に転じています。直近7/15はASMLの好決算を受けた半導体株高で1,008円高と続伸しました。期間の起点(6/30)より現在の水準はまだ低いため、折れ線は下落基調を示す赤で表示しています。各営業日の終値は複数の情報源で照合した確定値です。
📌 注目ポイント:CPIに続きPPIも鈍化(=物価の“川上”も落ち着いてきた)
昨夜の米6月PPIは、前年比が+5.5%と、5月の+6.0%から鈍りました。さらに前月比は−0.3%と、市場が横ばいを見込んでいたのに対して、まさかのマイナス。PPIは、私たちが店頭で払う物価(CPI)よりも“川上”にあたる、企業どうしがやり取りする段階の物価です。その川上が落ち着いてきたということは、少し先の消費者物価にも下押しの力が働きやすい、という意味を持ちます。前日のCPI(前年比+3.5%)に続いてPPIも予想を下回ったことで、アメリカの利上げへの警戒はさらに後退し、長期金利が低下、ハイテク株が買われる展開になりました。
ただ、手放しで喜べる話でもありません。同じ日に公表されたベージュブック(地区連銀経済報告)では、物価を押し上げる要因として中東情勢と関税がはっきり名指しされ、燃料高が家計の消費を圧迫している、とも指摘されています。また、注目された中国の4-6月期GDPは前年比+4.3%と、予想(+4.5%)を下回り、2022年10〜12月期以来、約3年半ぶりの低い伸びにとどまりました。世界の景気の一角である中国が減速していることは、頭の片隅に置いておきたいところです。なお、ウォーシュFRB議長は7/15の上院証言でも、前日同様「持続的な高インフレは容認しない」という厳しい基調を崩していません。物価の数字は良くなってきましたが、中央銀行はまだ気を緩めていない、というのが今の空気です。
🇺🇸 米国株式市場(7/15水 終値・PPI下振れで金利低下、3指数そろって上昇)
昨夜のアメリカ市場は、PPIの下振れを好感して3指数そろって上昇しました。物価の伸びが鈍る→利上げの心配が薄れる→長期金利が低下(4.55%へ)→将来の利益が高く評価されるハイテク・グロース株が買われる、という前日と同じ流れです。半導体を中心にAI関連への買いが続き、ハイテク中心のNASDAQ総合が+0.62%と堅調でした。NYダウ(+0.29%)、S&P500(+0.38%)もそろってプラスで、前日のようなクセの強い動き(1社の急落で指数がゆがむ)もなく、素直な上昇です。ただ、原油の高止まりや中東情勢は引き続き上値を抑える材料として意識されています。今夜はアメリカの6月小売売上高の発表があり、消費の勢いがどうだったかに注目が集まります。
💴 為替・金利・商品(7月16日 朝 JST時点)
7/16 5:00 JST時点
7/16 5:00 JST時点
7/16 朝 JST時点
為替は7月16日朝(日本時間)時点で、ドル円が1ドル=162.20円と、前日からほぼ横ばい。引き続き約40年ぶりの円安水準圏での推移です。ユーロ円は1ユーロ=185.97円とやや円安方向に進み、185円台後半で高止まりしています。米10年債利回りは4.55%と、PPIの下振れを受けて低下しました。日米の金利差が大きく開いた状態は変わっておらず、円安の地合いそのものは続いています。円買い介入への警戒は残りますが、現時点で実際の介入は確認されていません。
商品市況では、原油と金がともに中東情勢をにらんだ高止まりとなっています。WTI原油は、アメリカとイランの緊張が続き、ホルムズ海峡の封鎖が続いているとの見方から供給懸念が根強く、1バレル80ドル前後の高い水準を保っています(前日比はほぼ横ばい〜小幅高)。NY金も、中東リスクを背景に1オンス4,000ドル台半ばで底堅く推移しています。原油高は電気・ガス・ガソリンなど家計のコストに時間差で効いてくるので、株価の上げに浮かれすぎず、私はこちらも合わせて見るようにしています。なお、原油・金の当日終値は情報源によって数値に幅があるため、ここでは水準(レンジ)での表記にとどめています。
価格転嫁(かかくてんか/Price Pass-through)
価格転嫁とは、企業が仕入れ値や原材料費、人件費などのコスト上昇分を、自社の販売価格に上乗せすることです。昨夜のPPI(企業どうしがやり取りする“川上”の物価)が落ち着いてきたことは、企業のコスト圧力が和らぎ、消費者に近い“川下”の物価(CPI)への転嫁も一服しやすい、というサインになります。逆に、コストが上がっても価格に転嫁できない企業は、自分たちの利益(もうけ)を削ることになります。PPIとCPIをセットで見ると、いま物価がどの段階で動いているのかが見えてきます。
- 川上から川下へ:PPI(企業間の物価)が上がると、遅れてCPI(消費者物価)にも波及しやすい。価格転嫁は、その“橋渡し”の部分を指す言葉です。
- 転嫁できるか=企業の強さ:ブランド力や競争力のある企業ほど、コスト増を価格に乗せやすい。転嫁できない企業は利益が圧迫されるので、決算を見るときのヒントにもなります。
- 家計目線:価格転嫁が進むと、値上げとして家計に返ってきます。逆に川上が落ち着けば、少し遅れて店頭の物価も一服するかも、と読める。私はニュースの物価指標を「自分の生活に届くまで時間差がある」ものとして眺めています。
昨日は1,000円を超える大きな上げでした。半導体の好決算をきっかけに、市場のムードが一気に明るくなった一日です。ただ、こういう気持ちのいい日ほど、私はいったん深呼吸するようにしています。ついこの前、7/13には1,300円を超える下げがあったばかりで、そのときは世界が終わるような雰囲気でした。それが数日でこの上げです。相場のムードは、こんなふうに簡単にひっくり返ります。だから、上げた日の高揚も、下げた日の絶望も、あまり真に受けないほうがいい、と自分に言い聞かせています。
物価のほうも、CPIとPPIが揃って落ち着いてきたのは良い知らせですが、ベージュブックが言うように、中東や関税といった値上げ圧力はまだ残っています。ニュースの数字が良くなっても、スーパーの値札がすぐ下がるわけではありません。だから私は、相場のムードにも物価のニュースにも一喜一憂せず、毎月決めた額を淡々と積み立てて、あとは生活のほうを整える——このやり方を変えるつもりはありません。今日は夜にアメリカの小売売上高。まだ材料は続きますが、いつも通りいきましょう。
📊 7/15(水)の総括と、今日の注目
本記事の数値・統計・要人発言は、以下の公式・準公式ソースを2つ以上で照合して作成しています。
- 米労働省労働統計局(BLS)— 米6月PPI/米連邦準備制度理事会(FRB)— ベージュブック・ウォーシュ議長 上院証言
- 日本経済新聞(電子版・東証大引け)・株探(日経平均・TOPIX 終値・日経OHLC)
- 米セントルイス連銀(FRED)・Yahoo Finance・Reuters(米国株・米10年債)
- 中国国家統計局(中国4-6月期GDP)/NYMEX・COMEX(WTI原油・NY金の水準)
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。為替は「7月16日 朝 JST時点」の値で、執筆後に変動する場合があります。WTI原油・NY金の7月15日終値は、情報源によって数値・騰落の方向に幅があり確定できないため、単一の数値ではなく水準(WTIは80ドル前後、NY金は4,000ドル台半ば)で表記しています。日本国債10年利回りは7/15 15時時点の速報値です。米6月PPI・中国4-6月期GDPはそれぞれ米労働省・中国国家統計局の公表値に基づきます。米6月小売売上高の市場予想は発表前の見通しであり、確定値ではありません。


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