ソフトバンクグループの純利益は市場予想の2倍、でも17.7%の減益です|押し上げたのは1兆3,329億円のインテル株の評価益で、売って手にしたお金ではありません/8月6日の日経平均は617円安なのに、TOPIXは上がっています

2026年8月6日に発表されたソフトバンクグループの2027年3月期第1四半期決算を伝える、お金バイバイマン経済ニュースの平日版アイキャッチ画像。純利益3,473億円は市場予想の約2倍だが前年同期比では17.7%の減益で、押し上げたのは保有するインテル株の評価益1兆3,329億円。8月6日の日経平均は617円安の65,683円で3日ぶり反落した一方、TOPIXは0.24%上昇した。
DAILY MARKET NOTE · 2026.08.07(金)

💹 ソフトバンクグループの純利益は市場予想の2倍、でも17.7%の減益です|押し上げたのは1兆3,329億円のインテル株の評価益で、売って手にしたお金ではありません/8月6日の日経平均は617円安なのに、TOPIXは上がっています

日本株・米国株・為替・金利・商品/ホルムズ海峡と原油/今夜21時30分の米雇用統計/熊本地震のその後と台風13号|今日の経済用語「改定値」

改定値 ソフトバンクグループ 米雇用統計 熊本地震

おはようございます、お金バイバイマンです。昨日の記事で、日経平均を押し上げた5銘柄の2番目がソフトバンクグループで、その決算がその日の15時30分に出る、と書きました。その答え合わせから始めます。数字は市場予想の2倍。でも前の年より減っています。そして押し上げたものの正体が、今日いちばん書いておきたいところです。

💹 ソフトバンクグループの決算:予想の2倍、なのに減益という不思議な形

8月6日15時30分、ソフトバンクグループが2027年3月期の第1四半期(4〜6月期)決算を開示しました。

売上高
2兆195億円
▲ 前年同期比 +10.9%
税引前利益
5,891億円
▼ 前年同期比 −14.6%
純利益(親会社帰属)
3,473億円
▼ 前年同期比 −17.7%
ただし市場予想(約1,658億円)の約2倍

まず、ここが読み取りにくいところです。前の年の同じ時期と比べれば17.7%の減益。でも、事前に市場が見ていた予想(ブルームバーグ集計で約1,658億円)と比べると、約2倍。「減益なのに予想を上回った」は同時に成り立ちます。比べる相手が違うだけです。

📌 注目ポイント:1兆3,329億円は、株を売って手にしたお金ではありません

この四半期の投資利益は合計1兆8,594億円(前年同期は4,869億円)。そのうち1兆3,329億円がインテル株の評価益です。

評価益とは、持っている株の時価が上がったことによる、帳簿の上の利益です。株を売っていないので、会社にお金が入ってきたわけではありません。この四半期にインテルの株価は44.13ドルから139.63ドルへ上がりました。ソフトバンクグループはその株を持ち続けていて、決算の締め日にいくらになっているかで評価し直した——その差額が1兆3,329億円ということです。売れば現金になりますが、売っていません。逆に言えば、株価が下がれば同じ理屈で評価損が出ます。

投資利益のほうは、インテルの1兆3,329億円と、ビジョン・ファンド事業の4,601億円(中国のバイトダンスの評価益3,584億円が効いています)を合わせて1兆7,930億円。投資利益1兆8,594億円のおよそ96%を、この2つで説明できる形になります。インテル株はビジョン・ファンドではなく、グループ本体が持っているぶんです。

ここまでが押し上げた側です。同じ四半期に、押し下げた項目もあります。いちばん大きいのは販管費でした。

押し下げた項目今回の金額前年同期から
販売費及び一般管理費1兆2,869億円+5,287億円(+69.7%)
デリバティブ関連損失3,916億円
財務費用3,287億円+1,634億円(+98.9%)
為替差損1,461億円

※販管費は毎期かかる費用です。前の年と比べて利益を押し下げたぶんは、右の欄にあたります。

販管費がふくらんだのは、Armの人員増とAmpereの子会社化にともなう株式報酬費用が2,004億円ぶん、Energy Globalの現金決済型の株式報酬費用が1,836億円ぶん増えたことが大きく効いています。財務費用がほぼ2倍になったのは、2025年12月のArm株を担保にした115億ドルの借入、2026年4月の200億ドルのつなぎ融資、社債の増加、そして調達金利の上昇が重なった結果です。

ここでひとつ補っておきます。株式報酬費用のうち、Armなどのぶんは現金が出ていく費用ではありません。押し上げた評価益と同じで、帳簿の上の話です。(Energy Globalのぶんは「現金決済型」とされていて、こちらはいずれ現金で支払われるタイプです。)実際に現金の負担が重くなっているのは、利息をふくむ財務費用のほうです。

つまり「帳簿の上の評価益で最終利益は市場予想の2倍になったけれど、利息など実際に出ていくお金の負担は重くなっている」という形です。後藤芳光CFOは説明会で「投資利益が1.3兆円に達した大きな要因は、実はなんとインテルだ」と述べ、インテルへの投資を「ポジティブサプライズ」と表現しています(ITmedia ビジネスオンライン)。会社にとっても、狙って当てたというより結果的に大きく効いた、という位置づけのようです。なお投資の話とは別に、本業の通信は堅調でした。ソフトバンク事業は2,925億円の利益(+5.0%)です。

⏰ 8月6日の株価は「決算を見る前」の値です

ここは時系列を間違えやすいので分けて書きます。8月6日のソフトバンクグループの終値は5,695円、前日比263.0円安(−4.41%)でした。ただし決算の開示は15時30分で、東証の取引が終わる15時30分と同時刻です。つまりこの4.41%安は、決算を見る前についた株価です。決算そのものへの反応は、取引時間のあとの私設取引に出ました。日本経済新聞によると、15時32分に5,462円と、東証の終値を233円(4.09%)下回る場面があったとのことです。予想の2倍の利益が出た決算のあとに、時間外では売られた——という形になります。

🇯🇵 日本株式市場(8/6木 終値・日経平均は3日ぶり反落、でもTOPIXは上がっています)

日経平均株価
65,683.26
▼ −617.18円(−0.93%)
3日ぶり反落
TOPIX
4,055.85
▲ +9.68pt(+0.24%)
日経平均とは逆に上昇
日本国債10年利回り
2.765%
8/6 16:45時点・前日比−0.040%pt(日経)
財務省の確定値は今日9:30に8/6分が出ます

8月6日の日経平均は65,683.26円、617.18円安(−0.93%)で3日ぶりに反落しました。四本値は始値65,896.00円、高値65,983.13円、安値64,942.07円、終値65,683.26円です。

ただ、この日を「東京市場は下げた」と一言でまとめると、中身を取り違えます。同じ日にTOPIXは9.68pt高(+0.24%)で上がっているからです。東証プライムは値上がり1,130銘柄・値下がり401銘柄で、値上がりが値下がりの2.8倍ありました(株探ニュース。売買代金は9兆6,880億円)。日経平均は225銘柄の株価を足して割る指数で、TOPIXは東証プライムのほぼ全銘柄を時価総額で加重した指数。下げたのはAI・半導体関連の一角で、市場全体はむしろ底堅かった——ということになります。

日経平均を押し下げたのは東京エレクトロン(−324円)、ソフトバンクグループ(−212円)、アドバンテスト(−191円)、キオクシアホールディングス(−130円)の4銘柄で、合わせておよそ860円(日本経済新聞)。これにフジクラを加えた上位5銘柄では、押し下げは合計およそ950円になります(株探ニュース)。キオクシアは、メモリーを共同開発する米サンディスクの売上高の見通しが市場予想を下回ったこと(この見通しは5日の米国市場が終わったあとに公表されています)で11.05%安の48,300円まで売られました。ソフトバンクグループの下げは、さきほど書いたとおり決算が出る前についたものです。

ここで引き算をしてみると、4銘柄の合計は、この日の日経平均の下げ幅617円より大きいことに気づきます。つまりそれ以外の銘柄は、差し引きで指数を押し上げるほうに働いていたことになります。

押し上げ側にはファーストリテイリング、バンダイナムコホールディングス、オムロンが並びました。半面、目立ったのは太陽誘電で、業績を上方修正したのに10%を超えて下げています(日本経済新聞)。「AIの復調にどこまで乗っていいのか、投資家が慎重になった」という説明が、複数の市況解説で共通していました。ここでひとつ気づくことがあります。昨日の記事で挙げた押し上げ上位5銘柄のうち、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、フジクラの4つが、この日はそろって押し下げ上位5銘柄に入っています。同じ顔ぶれが、向きだけ変えて指数を動かしたことになります。

NIKKEI 225 · 直近12営業日(7/22→8/6)
日経平均 直近12営業日チャート 2026/7/22〜2026/8/6 7月23日66,423円の期間高値から、熊本地震のあった7月28日と29日の下落で61,434円まで下げ、円買い介入が伝わった7月31日に64,362円へ急反発。8月5日には2,342円高の66,300円まで戻したが、8月6日は617円安の65,683円で3日ぶりに反落した推移 67,000 66,000 65,000 64,000 63,000 62,000 61,000 7/23 66,423 期間高値 7/29 61,434 最安値 8/6 65,683 ★3日ぶり反落 7/22 7/24 7/28 7/30 8/3 8/6

※終値ベース。8月5日の66,300.44円から617円下げて、12営業日の高値(7月23日の66,422.60円)までは約739円のところにいます。

🇺🇸 米国株式市場(8/6木 終値・ダウの連続最高値更新が3日で止まりました)

NYダウ
53,885.10
▼ −464.02ドル(−0.85%)
3日続いた終値の最高値更新が途切れ
S&P500
7,709.96
▼ −13.59pt(−0.18%)
NASDAQ総合
26,348.35
▼ −15.09pt(−0.06%)

ニューヨークは3指数そろって下落しました。8月3日から3営業日続いていたダウの「終値での最高値更新」は、ここで止まっています。日本経済新聞は6営業日ぶりの反落としており、上げ自体は5営業日続いていて、そのうち最後の3日が最高値更新だったという並びです。直前の5営業日で約2,700ドル上げたあとの一服という面もあります。ただし下げ方には差があって、ダウが0.85%安なのに対し、ナスダック総合は0.06%安とほとんど動いていません。

理由として挙がっていたのは3つです。ひとつは長期金利の上昇(米10年債4.676%、30年債5.21%)。ふたつめが原油高この2つは根が同じで、次のホルムズ海峡のところで書きます。みっつめは半導体・メモリ関連の決算への失望で、サンディスクとウエスタンデジタルが見通し不振で大きく下げました。ただしこの2社はダウの構成銘柄ではありません。少なくとも、ダウの下げを説明する材料にはならない、ということです。

日本経済新聞によると、下げ率が大きかったのはボーイング(−3.3%)、幹部人事が伝わったセールスフォース(−3.2%)、ハネウェル(−3.0%)、ゴールドマン・サックス(−2.6%)、社債発行の検討が報じられたアルファベット(−1.3%)でした。半面、ウォルト・ディズニー、マイクロソフト、シェブロンは上がっています。これは指数の仕組みの話ですが、ダウは株価をそのまま足して割る指数なので、株価の高い銘柄ほど指数への効き方が大きくなります(ゴールドマン・サックスは1,000ドルを超えています)。ただしこの日について、どの銘柄が何ドルぶん押し下げたかという集計は、今朝の時点で公表されたものを確認できませんでした。

🚢 ホルムズ海峡:昨日書いた話が、逆方向に動きました

昨日の記事で、米国・イラン・オマーンが「60日間の暫定合意」に近づいていると書きました。8月6日は、その期待が後退する方向に動いています。イラン議会の委員会がまとめた草案に、米国とイスラエルの船籍の通航を禁じ、ほかの国にも制裁を科す内容が盛り込まれると報じられたためです。これを受けてWTI原油は2.8%上昇。原油が上がるとアメリカの物価が上がりやすいという連想から長期金利も上がり、そこから円安にもつながりました。米国株が下げた3つの理由のうち、2つはここが起点ということになります。なお、合意そのものが署名されたのか、なくなったのかは、今朝の時点では確認できていません。分かっているのは「市場が期待を引っ込めた」ということだけです。

💴 為替・金利・商品(8月7日 朝 JST時点)

USD/JPY(ドル円)
158円台前半
8/7 6:37 JST時点で158.42円(日経)
前日朝の157.68円からは約0.74円の円安
EUR/JPY(ユーロ円)
182円台半ば
8/7 6:37 JST時点で182.51円(日経)
前日朝の182.27円からは約0.24円の円安
米国債10年利回り
4.676%
8/7 5:49 JST時点・前日比+0.064%pt(日経の前日同時刻比)
30年債は5.21%

為替は円安に振れました。8月7日朝の時点で1ドル=158円台前半です。原油高から米国の物価上昇が意識され、アメリカの長期金利が上がったことが背景とされています。大きく出す数字は幅にとどめます。今朝は日本経済新聞の値しか取れておらず、2つ目のソースで裏を取れていないためです。取得時刻つきの値は、そのままカードに添えてあります。8月6日の為替のニューヨーク終値も取れていないので、「終値」としては書きません。

なお、8月6日から7日朝にかけて、新しい介入や当局の発言は確認できていません。ただし昨日書いたとおり、今朝、財務省の為替介入の日次データが出ます。対象は4〜6月分なので、7月末の介入は入りません。4〜6月で介入があったのは4月28日〜5月27日の1期間だけで、金額は11兆7,349億円。今日出るのは、それが何日にいくらだったかの内訳です。そして7月末の介入額は、月ごとの集計でもまだ出ていません(6月29日〜7月29日の集計は0円で、7月30日以降は次の期間に入ります)。金額が分かるのは8月下旬です。日本の長期金利は、日本経済新聞のベースで8月6日16時45分に2.765%(前日比−0.040%pt)。財務省の確定値は翌営業日の午前9時30分ごろに出るので、8月6日分は今日の午前に公表されます

商品はWTI原油先物の9月限が清算値77.29ドル(前日比+2.07ドル・+2.8%)と反発しました。昨日書いた75.22ドルから2.07ドル上げた数字です。直前の1週間で11%下げたあとの戻りでもあります。NY金先物の12月限は清算値4,299.60ドル(−5.60ドル・−0.1%)とほぼ横ばい。こちらも昨日の4,305.20ドルから5.60ドル下げた数字です。アメリカの長期金利が上がったことと、8月5日に6週間ぶりの高値をつけたあとの利益確定が理由とされています。

🗓️ 今日の焦点:今夜21時30分の米7月雇用統計

今週の山場が今日です。日本時間21時30分に、アメリカの7月の雇用統計が出ます。市場予想はこうなっています。

項目7月の予想6月の実績
非農業部門雇用者数+8.0万人(中央値)
見方は+7.0万〜+13.0万人
+5.7万人
失業率4.2%(横ばい)4.2%
平均時給(前月比)+0.2〜+0.3%+0.35%

※予想はロイターが8月5日時点でまとめた68社の中央値(失業率は67社)。個別ではモルガン・スタンレーが+7.0万人、野村証券が+13.0万人と割れています。6月実績はセントルイス連銀FREDの系列。6月の+5.7万人も、今夜の発表で書き換わります(今日の経済用語「改定値」を参照)。

気づくのは、中央値の+8.0万人でも、低いほうのモルガン・スタンレーの+7.0万人でも、6月の+5.7万人より上だということです。ADPは1月以来の弱さだったのに、政府の統計のほうは前より増えると見られている。ここからしてすでに、向きが揃っていません。

予想が+7.0万人から+13.0万人まで幅広く割れているのには理由があります。今週出てきた手がかりが、逆の方向を指しているからです。

弱いほうの材料は、一昨日のADP全米雇用報告が+4万4,000人と、1月以来の低い伸びだったこと(今年の最低は1月の+2万2,000人で、のちに+1万1,000人へ下方改定されています)、そしてISM非製造業の雇用の指数が47.4と50を割ったことです。一方で強いほうの材料もあります。昨夜出た新規失業保険の申請件数は19万9,000人(予想20万2,000人を下回り、20万人割れ)。チャレンジャー社がまとめた7月の人員削減も33,429件で、前の月から27%減り、2024年7月以来の低さでした。

整理すると、採用のペースは鈍っているけれど、解雇は増えていない。人が減っているのではなく、新しく入れていない、ということです。予想が割れているのは、どちらを重く見るかで答えが変わるからだと思います。

アメリカの政策金利は現在3.50〜3.75%。この水準は2025年12月の利下げでついたもので、そこから7月28〜29日の会合まで、ケビン・ウォーシュ議長のもとでの2回を含めて5会合連続で据え置かれています。つまり、いまの水準になってから利上げした回数はまだゼロです。7月の会合では3人が0.25%の利上げを主張して反対票を投じており、3人が同じ方向で反対したのは2016年9月以来でした。市場が見ているのは利下げではなく、9月15・16日の会合で利上げへ転じるかどうかです。今夜の数字が弱ければ、その可能性は後退します。

📖 今日の経済用語

改定値(かいていち/Revision)

改定値とは、いちど発表された統計の数字が、あとから調べ直されて書き換えられたものです。雇用統計のような速報は、締め切りまでに集まった回答だけで計算するので、あとから回答が届くたびに数字が動きます。今夜の発表でも、7月の数字と同時に6月分が書き換わります。実際、今年の4月分は、5月8日の初回発表で+11.5万人。それが6月5日に+17.9万人へ上に直り、7月2日には+14.8万人へ下に直っています。同じ月の数字が、上にも下にも動いたということです。5月分も初回の+17.2万人が+12.9万人へ下がり、7月2日の発表では4月と5月を合わせて7.4万人ぶん下に直りました

▼ 押さえておきたい3つの視点
  • 速報は「まだ動く数字」です:発表の瞬間に相場は動きますが、その数字自体があとで書き換わります。しかも1回で終わりません(4月分は2回直っています)。ただし数字が直っても、動いた相場がきれいに巻き戻るとはかぎりません
  • 年に一度、桁違いに大きく直ることがあります:年に一度、過去分をまとめて洗い替える「ベンチマーク改定」があります。2026年は3月の発表で反映され、2025年12月時点の雇用者数がおよそ109万人ぶん少なく直されました。一晩で百万人単位の変化です
  • 本体より改定のほうが大きい日があります:たとえば7月分が予想どおりでも、6月分が数万人ぶん下に直されれば、受け取り方は変わります。数字が出たら、その月の値だけでなく前の月がどう直されたかも見ておくと、景色が変わります

▶ 「改定値」をたとえ話と図解でもっとくわしく読む(経済用語辞典)

🏘️ 令和8年熊本地震のその後(8月6日17時現在の集計と、新幹線の再開区間)

7月28日に起きた令和8年熊本地震について、亡くなられた方に心よりお悔やみを申し上げます。被災された方々にお見舞い申し上げます。

総務省消防庁の第43報(8月6日17時00分現在)では、亡くなった方は38人(すべて熊本県。災害との関連を調査中の方を含みます)、行方不明の方は0人。負傷者は150人(重傷22人・軽傷等128人)で、昨日書いた129人から21人増えました。住家の被害は全壊699棟・半壊1,045棟・一部破損6,640棟亡くなった方と全壊・半壊の数は昨日から変わらず、増えたのは負傷者と一部破損(6,076棟から564棟増)です。負傷者の内訳では、重傷が18人から22人に、軽傷等が111人から128人に増えています。住家の被害のほうは、調査が進んで一部破損が積み上がっている局面だと思います。なお、避難している方の人数は第43報に載っていませんが、熊本県の集計として、8月6日午後6時の時点で6,737人が避難所にいるとNHKが伝えています。前日の同じ時刻(7,122人)から385人減りました。断水の戸数については、新しい発表を確認できていません。

激甚災害の指定については、内閣府が8月3日付で「指定見込み」を公表した段階から進んでいません。見込まれているのは、昨日まで書いてきたとおり地域を限定しない「本激」で、あわせて特定非常災害の指定も見込まれています。共同通信とNHKは8月4日の時点で「政府は7日にも閣議決定する方向」と伝えており、今日がその日にあたります。ただし今朝の執筆時点では、閣議での決定は確認できていません。なお、8月4日には今年度の予備費242億円の使用が閣議決定されています(災害復旧に206億円、物資支援に24億円、救助業務の支援に12億円)。これは激甚災害の指定とは別の措置です。

🚄 九州新幹線:今日から新水俣〜鹿児島中央が動きます

JR九州が8月5日に発表した内容です。新水俣〜鹿児島中央は今日8月7日から運行を再開します。ただし8月16日までは本数を減らしての運行で、全車自由席(グリーン車は使えません)・各駅停車、車内のお手洗いも使えません。本数が増えるのは8月17日以降の予定です。すでに博多〜熊本は8月3日に再開済み。残る熊本〜新水俣については、JR九州が「8月中の運行再開は困難」としており、復旧の見通しは、被害の全容が分かりしだい、8月中にあらためて公表するとしています。

工場については、ホンダの熊本製作所(大津町・国内で唯一の二輪車の生産拠点)は、昨日書いたとおり8月5日から一部の工程が動き出していますが、停止の期間そのものは今日8月7日までとされています。スプリンクラーが作動したことによる漏水・冠水の復旧が続いています。8日から16日は、もともとホンダの夏季休業にあたります。休み明けの17日以降にどう戻るかは、今朝の時点では確認できていません。

ほかの拠点は、会社が期日を発表しているものと、そうでないものに分かれます。トヨタの田原工場(8月16日まで)、ホンダの埼玉製作所と鈴鹿製作所(いずれも8月19日まで。ただし、上に書いた8月8日〜16日の夏季休業がそのあいだに入ります)は、予定を変えるという発表を確認できていません。予定どおりなら、まだ止まっています。アステモ宇城は、人的被害が出た拠点で、再開のめどが立たないままです。すでに動き出している拠点(トヨタ自動車九州、日産、アイシン九州、ソニーセミコンダクタ、ルネサス、JASMなど)については、昨日から新しい発表を確認できていません。

🌀 台風13号:今日が最接近、そして「動きが遅い」のが厄介です

大型で強い台風13号(ドルフィン)は、8月7日6時の時点で沖永良部島の東およそ120kmを西北西へ時速20kmで進んでいます(中心気圧950hPa、最大風速40m/s、最大瞬間風速55m/s。ウェザーニュース。昨日は気象庁の発表として60m/sと書いていました)。沖縄本島の一部は、7日午前4時53分に暴風域に入りました。最接近は今日の昼過ぎから夕方とされています。奄美大島ではすでに最大瞬間風速34.5m/sを観測しました。

やっかいなのは速度です。中国大陸の高気圧に西へ進むのを阻まれて、7日6時の時速20kmから8日にかけて時速15kmへと落ち、9日にはさらにゆっくりになる見通し。暴風雨が長く続くことになります。欠航は昨日書いた8月5日22時34分時点の集計(6日から9日にかけて日本航空と全日空あわせて602便・約8万6,400人)から、更新を確認できていません。九州の太平洋側では断続的な雨で200mmを超えるおそれがあり、線状降水帯の可能性にも触れられています。被災した熊本は、直接の暴風の危険は相対的に低いとされていますが、地盤がゆるんだところへの雨になります。

💬 お金バイバイマンからの一言

「純利益が市場予想の2倍」という見出しだけが流れていくのを想像して、少し落ち着かない気持ちになりました。中身を開けると、押し上げたのは持っているインテル株の時価が上がったぶんで、売って手にしたお金ではありません。同じ四半期に為替差損もデリバティブの損も出ていて、借入の利息は倍に増えています。会社が悪いという話ではまったくなくて、資料にはぜんぶ書いてあります。ただ、「利益」という一語がこれだけ違うものを含んでいるのは、私は覚えておこうと思いました。

世間では「決算が予想を超えたなら買い」という受け止めが自然だと思いますし、その考え方はよく分かります。ただ昨日は、予想の2倍の利益を出した会社の株が、時間外でむしろ売られていました。市場は「いくら儲かったか」だけを見ているわけではないようです。私はというと、今夜の雇用統計の数字も、たぶん来月には書き換わっているんだよなあ、と思いながら見ることになりそうです。それを知っているだけで、夜中に慌てなくて済む気がしています。

📊 8月6日の総括

ソフトバンクG
予想の2倍、でも減益
押し上げたのは1兆3,329億円のインテル株の評価益=売っていない
日本株
日経は反落、TOPIXは上昇
617円安でも下げたのはAI・半導体関連の一角。市場全体は底堅い
米国株
ダウの連続最高値が途切れる
原油2.8%高と長期金利上昇が重し
📚 参考にした一次情報源

本記事の主要な数値・統計・要人発言は、以下の公式・準公式ソースを2つ以上で照合して作成しています。個別の報道にもとづく数値(寄与度、私設取引の株価、台風の実況など)は、本文中にその都度、媒体名を明記しています。

  • ソフトバンクグループ — 2027年3月期 第1四半期 決算短信(2026年8月6日15時30分開示)
  • 日経平均プロフィル(日本経済新聞社)— 日経平均株価の日次四本値
  • 米セントルイス連銀 FRED/ALFRED — 米雇用統計の実績値と改定履歴/米連邦準備制度理事会(FRB)— 政策金利、FOMC声明および会合日程
  • 総務省消防庁 — 令和8年熊本地震(第43報・8月6日17時00分現在)/九州旅客鉄道(JR九州)
  • CMEグループ(NYMEX/COMEX)— WTI原油9月限・金12月限の清算値(8月6日)

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。為替は取得時刻を記載した値ですが、今朝は1つの媒体でしか確認できておらず幅で記載しています。8月6日の為替のニューヨーク終値は取得できていません。日本国債10年利回りは日経の8月6日16時45分時点で、財務省の確定値は今日午前に公表されます。商品は清算値(settle)・限月を明記しており、時間外の値とは異なります。熊本地震の被害は8月6日17時00分時点(避難者数のみ同日18時時点)で、続報により変わります。台風と発表日程は変更されることがあります。

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「お金バイバイマンの経済ニュース」運営者。

月曜から土曜の毎朝、日経平均・米国株・為替などマーケットの動きを「なぜ動いたのか」まで追いかけて、図解つきでやさしく解説しています。"今日の経済用語"コーナーでは、ニュースに出てくる言葉を1日1語ずつ深掘り中。気づけば用語辞典は70語を超えて、いまも増え続けています。

じつは昔、SNSのキラキラした投資情報に憧れて、情報商材を買ってしまったことがあります。遠回りの末にたどり着いたのが「長期・分散・積立でコツコツ」。相場が荒れた日も、合言葉は「今日も何もしません」です。

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