日経平均が2,342円高の大幅続伸で66,300円|上げ幅のうち約1,788円は5銘柄が作っていて、その2番目が今日決算のソフトバンクグループです/同じ夜のニューヨークは、ダウだけが最高値でS&P500とナスダックは下落しました

2026年8月5日の日経平均株価が2,342.91円高の66,300.44円と大幅続伸したことを伝える、お金バイバイマン経済ニュースの平日版アイキャッチ画像。東証プライムでは値上がり1,019・値下がり491と広く買われた一方、上げ幅のうち約1,788円(76%)は上位5銘柄が作っており、その2番目は8月6日に決算を発表するソフトバンクグループ。同じ夜のニューヨークはダウだけが終値の最高値を更新し、S&P500とナスダック総合は下落した。
DAILY MARKET NOTE · 2026.08.06(木)

📈 日経平均が2,342円高の大幅続伸で66,300円|上げ幅のうち約1,788円は5銘柄が作っていて、その2番目が今日決算のソフトバンクグループです/同じ夜のニューヨークは、ダウだけが最高値でS&P500とナスダックは下落しました

日本株・米国株・為替・金利・商品/昨夜の米ADPとISM非製造業/ホルムズ海峡の暫定合意/熊本地震のその後と台風13号|今日の経済用語「寄与度」

寄与度 日経平均 ソフトバンクグループ 熊本地震

おはようございます、お金バイバイマンです。昨日は「指数は上がっているのに、下がった銘柄のほうが1.4倍多い」という話を書きました。8月5日はちょうど逆で、上がった銘柄が下がった銘柄の2倍以上あり、日経平均は2,342円高。それでいて、上げ幅の76%(約4分の3)は5銘柄が作っていました。2日続けて、終値の数字と中身がずれた形です。

🇯🇵 日本株式市場(8/5水 終値・2,342円高の大幅続伸、一度も前日終値を割らない一日)

日経平均株価
66,300.44
▲ +2,342.91円(+3.66%)
2日続伸
TOPIX
4,046.17
▲ +84.39pt(+2.13%)
日本国債10年利回り
2.80%台前半
日経ベースで8/5 16:15に2.805%(前日比−0.040%)
財務省の確定値は8/4分の2.848%まで・8/5分は今日9:30公表

8月5日の日経平均は66,300.44円、2,342.91円高(+3.66%)で2日続伸しました。3日の607円安から4日に202円高、そして5日に2,342円高です。日本経済新聞は「続伸」、株探は「大幅続伸」と書いています。「反発」ではありません——前日の8月4日がすでに上げていたので、続伸のほうが正しい言い方になります。

四本値は、始値64,565.27円、高値66,302.52円、安値64,555.52円、終値66,300.44円。ここは引き算をしてみると、この日の性格がはっきりします。いちばん安かった64,555.52円ですら、前日の終値63,957.53円より598円ほど高い水準です。つまり1日を通して一度も前日終値を割っていません。しかも安値は始値の9円75銭下、高値は終値の2円08銭上です。安値は始値とほぼ同じ水準、高値は終値とほぼ同じ水準、という形になります。(高値・安値がついた正確な時刻や、日中どういう道筋をたどったかまでは確認できませんでした。)売買代金は10兆9,236億円です。

東証プライムの内訳は値上がり1,019・値下がり491。上がった銘柄が下がった銘柄の約2.1倍で、昨日とは正反対です。TOPIXも+2.13%と、しっかり上げています。ここまでは「素直に広く買われた日」で間違いありません。

📌 注目ポイント:上げ幅2,342.91円のうち約1,788円は、たった5銘柄でした

それでも、上げ幅の中身を見るとまた違う景色が出てきます。日経平均を押し上げた上位5銘柄はこうなっていました。

銘柄日経平均への寄与
アドバンテスト+656.50円
ソフトバンクグループ+587.31円
イビデン+268.18円
東京エレクトロン+186.05円
フジクラ+89.50円
5銘柄の合計約1,788円

※寄与度は大引けベースの集計値(株式ちゃんねるの集計を、株探の大引け記事の「上位5銘柄で約1,788円」と突き合わせています)。騰落銘柄数と売買代金は日本経済新聞「東証大引け」によります。集計元によって小数点以下が変わることがあります。

この5銘柄で約1,788円。指数の上げ幅2,342.91円のおよそ76%にあたります。逆に押し下げたほうは、ファーストリテイリング−147.23円、ダイキン工業−50.28円、横河電機−19.85円、三菱商事−9.75円、テルモ−9.39円で合計約237円。押し上げ上位5と押し下げ上位5を差し引くと約1,551円で、これでも上げ幅の3分の2です。残る215銘柄が作ったのは、約792円ぶんでした。

昨日は「差し引きで見ると、指数を押し上げたのは上位に出てこない銘柄のほうだった」と書きました。8月5日はその逆です。上位が上げ幅のほとんどを作っています。それでいて、東証プライムでは1,019銘柄が上がっている。「広く買われた」と「上げ幅は数銘柄に寄っている」は、同時に成り立ちます。数え方が違うだけで、どちらも同じ日の事実です。今日の経済用語に「寄与度」を選んだのは、この2つを混ぜずに読むための言葉だからです。

そして、私がいちばん気になったのは寄与2位のソフトバンクグループ(+587.31円)です。この会社の4〜6月期の決算が、今日8月6日の15時30分に出ます(説明会は16時30分)。決算の前の日に、指数の上げ幅のちょうど4分の1にあたるぶんを、この1銘柄が作った形になります。前日8月4日には、逆に指数を押し下げた側に名前が挙がっていた銘柄です。

上げた理由として複数の市況解説で共通して挙がっていたのは3つでした。ひとつは前の晩(8月4日)のアメリカで半導体株が大きく上げたこと(フィラデルフィア半導体指数が+6.55%)。ふたつめがホルムズ海峡の再開期待による原油安で、リスクを取る動きが出たこと。みっつめが日米の好決算で、イビデンは純利益の見通しを580億円から840億円へ引き上げたうえ株式分割も発表してストップ高、アドバンテストは終値33,720円・2,720円高(+8.77%)でした。そしてソフトバンクグループも5,958円・730円高(+13.96%)と、決算の前日に大きく買われています。ここで表と見比べると、ひとつ不思議なことが起きています。値上がり幅はアドバンテストのほうが3倍以上大きいのに、寄与度はほとんど変わりません。日経平均は、1株の値段が高くなりすぎた銘柄の影響が効きすぎないよう、銘柄ごとの「株価換算係数」で調整しているためです。上の表の顔ぶれと、理由がそのまま重なっています。

NIKKEI 225 · 直近12営業日(7/21→8/5)
日経平均 直近12営業日チャート 2026/7/21〜2026/8/5 7月23日66,423円の期間高値から、熊本地震のあった7月28日と29日の下落で61,434円まで下げ、円買い介入が伝わった7月31日に64,362円へ急反発。8月3日は反落したが、8月4日と8月5日の続伸で66,300円まで戻し、12営業日の高値まで約122円に迫った推移 67,000 66,000 65,000 64,000 63,000 62,000 61,000 7/23 66,423 期間高値 7/29 61,434 最安値 8/5 66,300 ★2日続伸 7/21 7/23 7/27 7/29 7/31 8/5

※終値ベース。7月20日(月)は海の日で休場のため営業日から除いています。8月5日の66,300.44円は、この12営業日の高値(7月23日の66,422.60円)まで約122円のところです。

🇺🇸 米国株式市場(8/5水 終値・ダウだけが最高値、S&P500とナスダックは下落)

NYダウ
54,349.12
▲ +263.24ドル(+0.49%)
終値で最高値・8/3から3営業日続けて更新
S&P500
7,723.55
▼ −12.97pt(−0.17%)
取引時間中は最高値、終値では届かず
NASDAQ総合
26,363.44
▼ −221.55pt(−0.83%)
最高値は6/2の27,093.90

昨日は「最高値を更新したのはダウとS&P500の2つで、ナスダックは違う」と書きました。8月5日は、その線がもう一段細くなりました。上がったのはダウだけです。263.24ドル高の54,349.12ドルで、終値としての最高値をまた更新しました。8月3日・4日に続いて3営業日続けての更新です。取引時間中の高値54,744.33ドルも52週の高値なので、ダウは終値でも取引時間中でも最高値ということになります。

⚠️ ややこしいのがS&P500です。取引時間中には7,793.68まで買われて最高値を更新しましたが、終値は7,723.55で前日比マイナス0.17%。終値としての最高値は前日8月4日の7,736.52のままです。同じ日に「最高値を更新した」と「前日より下げた」が両方成り立つ——これは終値とザラ場(取引時間中)のどちらを見ているかの違いで、記事によって見出しが割れる原因にもなります。ナスダック総合は−0.83%で、6月2日につけた27,093.90にはまだ700ポイント以上の距離があります。

下げた側は、ひとまとめに「決算後の売り」とは書けませんでした。3つに分けて書きます。

まず、決算を受けて売られたのがSpaceX(−13.6%)とAMD(−7.0%)です。どちらも8月4日の取引終了後に決算を発表しています。ひとつめのSpaceXは、上場してからはじめての四半期決算でした。米証券取引委員会(SEC)に提出された決算資料によると、売上高は78億1,400万ドルで前年同期のほぼ2倍、営業損益も前年同期の9億7,000万ドルの赤字から1億4,300万ドルの赤字まで縮まっています。売上は市場予想を上回り(金融情報会社LSEGの集計・予想は69億3,000万ドル)、1株あたりの損失も市場予想ほどはふくらみませんでしたただし、赤字であること自体は変わっていません。それでも売られたのは、設備投資が前年同期の28億2,500万ドルから183億6,900万ドルへ、約6.5倍に膨らんだためです(うちAI向けが158億2,800万ドル)。AI関連の支出をどこまで続けられるのか、という懸念が出た形です。加えて現地時間の8月6日から、上場前からの株主が株を売れるようになります(ロックアップの解除)。これも需給面の重荷とされています。

ふたつめのAMDは、7〜9月期の売上高の見通しが市場予想を上回ったのに売られました。公表されている予想は超えたけれど、株価にはすでにそれ以上の見方が入っていた——「良すぎる期待」に届かなかった、という説明です。

みっつめ、アルファベットが4%ほど下げたのは決算ではありません。8月5日に出たAI部門の人事刷新が理由です。主席科学者のジェフ・ディーン氏が27年勤めたグーグルを退社して新しい会社を立ち上げ、その後任にあたる形でGoogle DeepMindのデミス・ハサビスCEOが日々の運営から退き、アルファベットの主席科学者に移ります。別々の2件ではなく、8月5日に出たひとつの発表の中身です。日本経済新聞は「AI開発の研究者が退職すると発表し、AI開発を巡る不透明感から売りが出た」と伝えています。ハイテク比率の高いナスダックとS&P500が、これを受けた形になりました。

これに対してダウが上げたのは、アムジェン(+4.57%)が買われたことが大きく、ウォルト・ディズニー(+3.66%)とエヌビディア(+3.43%)も上げています。ここで効き方に差が出ます。ダウは30銘柄しかなく、1株の値段が高い銘柄ほど、同じ%の動きでも大きく効きます。アムジェンは1株407.83ドル、ディズニーは101.77ドルで、株価が約4倍ちがいます。そのうえ上昇率もアムジェンのほうが高かったので指数を押し上げた幅では約5倍の差がつきました(アムジェン17.81ドル、ディズニー3.59ドル)。エヌビディアは219.22ドルで上げ幅は7.27ドル、ちょうど中間です。日経平均の上げ幅の76%が5銘柄だったのと、仕組みは違いますが(日経平均には株価換算係数があります)、指数の動きが一部の銘柄に寄るという点では同じ話です。なお、AI関連の支出が嫌われて売られた銘柄がある一方で、その支出を受け取る側エヌビディアはAI向け半導体の作り手ですは買われている——同じ夜に両方が起きていました。

📉 昨夜の米指標:ADPとISM非製造業が、そろって予想を下回りました

昨日の記事で「今日の最大の材料は23時のISM非製造業」と書きました。その答え合わせです。ただ、先に動いたのはその1時間45分前に出たADPのほうでした。ADPは昨日の予定に書けていなかったので、あわせて書いておきます。

日本時間21時15分に出た7月のADP全米雇用報告は、民間部門の雇用者が前月比+4万4,000人。市場予想(+7万〜7万5,000人)を大きく下回り、6月の改定値+9万5,000人からも半減しました。今年に入っていちばん弱い数字です。ADPは民間の給与計算会社が自社のデータから出す統計で、政府が出す雇用統計とは別物ですが、明日8月7日21時30分の雇用統計の前哨戦として見られています。

そして23時の7月のISM非製造業景況指数は54.1。市場予想の54.5は下回りましたが、前月の54.0からは0.1ポイント上がっています。ここは分けて読んだほうが、たぶん間違えません。同じ数字でも、比べる相手を変えると逆の顔になります。「予想を下回った」は予想との比較、「前月より上がった」は前月との比較です。50を上回れば拡大とされる指数で、これで25カ月連続の拡大圏です。

ISM非製造業(項目)7月6月
総合54.154.0
事業活動59.155.4
新規受注57.255.1
雇用47.451.2
仕入価格70.367.7

内訳を見ると、事業活動と新規受注はしっかり伸びています。弱いのは雇用で、51.2から47.4へ3.8ポイント下がり、1カ月で50割れ(縮小圏)に沈みました。ADPが弱かったのと同じ方向を向いています。もうひとつ目立つのが仕入価格の70.3で、こちらは前月から2.6ポイント上がっています。雇用は弱いのに、仕入れの値段は上がっている。中央銀行にとっていちばん扱いにくい組み合わせだと思います。

この2つを受けて、発表の直後はドルが売られ、アメリカの金利も低下しました。金は3.67%上げています(金利は朝までに戻しており、その話は次のセクションで書きます)。ここで念のため書いておくと、私は、金利が下がったことを「利下げが近づいた」とは読まないようにしています。アメリカの政策金利は現在3.50〜3.75%この水準は2025年12月の利下げでついたもので、そこから7月28〜29日の会合まで5会合連続で据え置かれています。つまり、いまの水準になってから利上げした回数はまだゼロです。市場がいま見ているのは利下げではなく、9月に利上げへ転じるかどうかです。実際、7月の会合では3人が0.25%の利上げを主張して反対票を投じています。弱い指標が出ると、9月に利上げする可能性が後退する——今起きているのはそちらの動きです。(FRBの議長は2026年5月22日に就任したケビン・ウォーシュ氏です。)

💴 為替・金利・商品(8月6日 朝 JST時点)

USD/JPY(ドル円)
157.68
8/6 6:56 JST時点(Investing.com)。日経は157.65円
前日比はほぼ横ばい
EUR/JPY(ユーロ円)
182.27
8/6 6:57 JST時点(Investing.com)。日経は182.13円
前日比はほぼ横ばい
米国債10年利回り
4.613%
8/6 5:48 JST時点(日経)
前日の朝の4.614%とほぼ同じ水準

為替は157円台後半での小動きが続いています。8月5日は東京時間に157円98銭あたりまで円安に進みましたが、そこから上は重く、23時のISM非製造業のあとには157円48銭まで押し戻されました(ザイFX!・フィスコ)。8月6日朝の時点では157円65〜71銭。前日の朝とほとんど変わっていません。8月4日のニューヨーク終値を昨日は幅でしか書けませんでしたが、8月5日のニューヨーク終値も、ソースによって157円72銭〜75銭と割れていて1銭単位では確定できませんでした。おおむね157円台後半で引けた、という書き方にとどめます。

なお、8月5日から6日朝にかけて、新しい介入や当局の新しい発言は確認できていません。7月31日(米東部時間)の日米協調介入から、当局の言葉も動きも止まっている状態です。市場のほうは依然として介入を警戒していて、それが円安方向の上値を抑えている、という説明がされています。

金利のほうは、少しちぐはぐな形になりました。米10年債は8月6日朝で4.613%と、前日の朝の4.614%とほぼ同じです。昨夜の指標の直後にいったん下がったぶんは、朝までに戻したことになります。日中の動きは、朝の数字だけを並べても見えません。日本の長期金利は、財務省の確定値が8月4日分まで出ていて2.848%。昨日書いた「8月4日の10年国債入札が低調で金利が上がった」という話は、この確定値でも裏づけられました。同じ財務省の系列で8月3日は2.824%ですから、0.024%ポイントの上昇です。(昨日書いた8月3日の2.820%は日本相互証券の値で、出どころが違います。ここは財務省の系列だけで比べています。)8月5日は日経ベースで16時15分に2.805%(前日比−0.040%)と下がっています。8月5日分の財務省の確定値は、今日の午前9時30分に出ます。

商品ではNY金先物の12月限が清算値4,305.20ドル(前日比+152.60ドル・+3.67%)と急騰しました。昨日書いた8月4日の4,152.60ドルに152.60ドルを足した数字です。ドルが売られ金利が下がると、利息を生まない金の不利が薄れます。一方WTI原油先物の9月限は清算値75.22ドル(−0.55ドル・−0.73%)で3日続落しました。こちらも昨日書いた75.77ドルから0.55ドル下げた数字です。ただし前の2日が5%超の下げでしたから、下げ幅そのものは大きく縮みました。ホルムズ海峡の再開に向けた話が進んでいることに加えて、アメリカの週間在庫が予想外に増えたことも下げ材料とされています。

🚢 ホルムズ海峡:昨日「交渉していない」と書いた話が、1日で動きました

昨日の記事で、原油急落の材料になった「米イラン合意への期待」について、イラン外務省の報道官が「米国とは交渉していない」と明言していると書きました。8月4日時点ではそのとおりでした。ただ8月5日に、状況が動いています。

複数の海外報道によると、米国・イラン・オマーンがホルムズ海峡をめぐる「60日間の暫定合意」に近づいているとされています。パキスタンがワシントンとテヘランのあいだで伝言を行き来させる役目を担い、カタールも仲介に入っている形です(オマーンは当事者であると同時に仲介役でもあります)。昨日書いた「イラン外務省は米国とは交渉していないと言っている」という話とも、矛盾はしません。直接に向かい合って交渉しているのではなく、あいだに人を挟んでいる、という話だからです。内容は、ペルシャ湾に入る船はイラン領海側の北ルート、出る船はオマーン領海側の南ルートを通るというもの。「通航料」は暫定の期間は取らないと伝えられていますが、イラン側はそれとは別に、安全確保と海洋環境の保全にかかる「役務料」を求めています。ここは合意していません。8月5日、アメリカのベッセント財務長官は「今日か明日にも合意できる可能性がある」と述べ、トランプ大統領は「48時間で決まりうる」としています。

⚠️ ただしまだ署名された合意ではありません。あくまで「最終調整に入っている」という段階で、当事者が最終的に署名したことは確認できていません。昨日「合意したのではなく、合意への期待で買われた」と書いた区別は、今日もそのまま生きています。変わったのは、その「期待」の中身が、1日前より具体的になったという点です。

🏘️ 令和8年熊本地震のその後(工場は動き出しましたが、止まる期間が延びた拠点もあります)

7月28日に起きた令和8年熊本地震について、亡くなられた方に心よりお悔やみを申し上げます。被災された方々にお見舞い申し上げます。

総務省消防庁の第41報(8月5日14時00分現在)では、亡くなった方は38人(災害との関連を調査中の方を含みます)で、行方不明の方は0人。負傷者は129人(重傷18人・軽傷等111人)で、昨日書いた127人から2人増えました。住家の被害は全壊699棟・半壊1,045棟・一部破損6,076棟。全壊と半壊は昨日から変わらず、一部破損が5,920棟から156棟増えています。避難指示の対象は熊本県内の3市2町で、108,307世帯・228,736人にのぼります(避難所にいる方の数ではなく、避難指示の対象になっている人口です。避難所にいる方は8月5日18時時点で7,122人と伝えられていて、昨日書いた7,500人あまりからは少し減りました)。

激甚災害の指定については、8月5日にも新たな決定はありませんでした。NHKが伝えている「政府は7日にも閣議決定する方向で調整」という見通しは変わっておらず、地域を限定しない「本激」とする方針も同じです。あわせて特定非常災害の指定も見込まれています(内閣府が8月3日付で公表)。8月5日の非常災害対策本部会議では、二次避難の加速、防犯対策、熱中症と感染症の対策、8月末までの断水の完全解消、そして台風13号への備えが議題になりました。

🏭 昨日書いた拠点について、更新が3件あります

先に、昨日の記事の書き直しから入ります。「8月7日まで停止」と書いた2つの拠点が、どちらも変わりました。片方は良い方向に、片方は逆の方向にです。あわせてもう1件、昨日書いた再開日そのものを、今朝あらためて確認しています。

▼ 昨日の記述からの更新3件
  • ホンダ 熊本製作所(大津町・国内で唯一の二輪車の生産拠点):昨日は「8月7日まで停止」と書きましたが、8月5日から一部の工程で稼働を再開しました(ホンダ公式サイトの8月5日更新版)。段階的な再開に移っています
  • トヨタ 田原工場(愛知県田原市):昨日は「8月7日まで」と書きましたが、停止は8月16日までに延び、再開は8月17日からになりました(一部ラインは計画工事のため8月31日から)。止まる期間が10日ほど長くなったことになります。※ホンダは8月8日〜16日を夏季休業としていますが、トヨタの日程は今朝の時点では確認できていません
  • ルネサス 川尻工場(熊本市南区):昨日は「8月5日の予定を1日前倒しして、8月4日に再開」と書きましたが、今朝確認した報道では「8月5日から順次再開」となっていました。どちらの日から動き出したのかは、今朝の時点では確定できていません。すでに動き出していること自体は、どちらの報道でも一致しています

そのうえで、今日も再開の話だけを並べると「もう戻った」と読めてしまうので、止まっている拠点も同じだけ書きます。

▼ 動き出した/すでに動いている拠点
  • トヨタ自動車九州の3工場(宮田・苅田・小倉/いずれも福岡県):今日8月6日から稼働を再開。7月29日から止まっていました
  • 日産の福岡県内2拠点今日8月6日の昼勤から通常の生産に戻ります
  • ホンダ 熊本製作所:8月5日から一部工程を再開(上記)
  • アイシン九州(熊本市南区):7月31日の生産テストを経て、8月2日から一部製品で生産を再開し、順次拡大中。完成車工場を止めていたドア部品の供給元です
  • ソニーセミコンダクタ 熊本テクノロジーセンター(菊陽町/画像センサー):8月4日から順次再開。震災前の水準に戻るのは8月中旬の見込み
  • ルネサス 川尻工場(熊本市南区):再開済み(開始日は上の枠のとおり)。震災前の生産能力に戻るのは再開から約3週間後とされています
  • ルネサス 錦工場(球磨郡錦町):7月29日に再開済み
  • JASM(TSMC熊本第1工場):段階的に再開中。装置の検証と調整に時間がかかっています。昨日は「8月中旬に震災前の水準へ」と書きましたが、今朝の時点でその時期を示す続報は確認できていません
▼ まだ止まっている拠点
  • アステモ 宇城(二輪・四輪向けの焼結部品):人的被害があり建屋の損傷も大きく、再開のめどは立たないままです
  • トヨタ 田原工場(愛知県):8月16日まで(上記)
  • ホンダの四輪工場:埼玉製作所(寄居町・小川町)が8月5日〜19日、鈴鹿製作所(三重県)とホンダオートボディー(三重県四日市市)が8月6日〜19日。いずれも変更はありません(昨日書いたとおり、あいだの8月8日〜16日は夏季休業なので、2週間あまりまるごと止まるという意味ではありません)

熊本の部品工場が動き出したことで、福岡の完成車工場は今日から戻りました。一方で愛知の田原は10日ほど後ろにずれ、三重と埼玉は8月19日まで止まったままです。部品の供給が戻った順に完成車工場が動き出す一方、止まる期間のほうは会社ごとに差が開いています。そしてアステモ宇城は、昨日からも一昨日からも変わっていません。ここは人的被害が出た拠点です。再開のめどが立たないままなのは、いまはこの1か所だけです。

生活への影響では、九州新幹線に部分的な再開の見通しが出ました。昨日は「熊本〜鹿児島中央は8月中の再開が難しい」と一括りに書きましたが、区間を分ける必要があります。新水俣〜鹿児島中央は8月7日から運転を再開し、熊本〜新水俣のほうが8月中の再開は難しいという状況です(JR九州)。南半分だけが先に戻ります。

🌀 新しい心配ごと:台風13号が沖縄に接近、被災地の熊本にも雨のおそれ

大型で強い台風13号(ドルフィン)が、8月6日6時の時点で南大東島の東およそ320kmを西北西へ時速25kmで進んでいます(中心気圧950hPa、最大風速40m/s、最大瞬間風速60m/s。以下、台風の位置と勢力は気象庁の発表によります)。混ざりやすいので、時間の順に並べます。すでに出ているのが大東島地方の暴風警報で、6日午前2時5分の発表です(気象庁)。沖縄本島地方に今夜のはじめごろ出る見通しなのも「暴風警報」で、実際に暴風域に入るのは7日の午前、最接近は7日の昼過ぎから夕方の見込みです。動きが遅いため、本島では7日から9日にかけて暴風が長引くおそれがあります。

交通への影響は、6日から9日にかけて日本航空と全日空あわせて少なくとも602便が欠航し、約8万6,400人にのぼる見通しで、そのうち7日は、両社の沖縄県内発着便が全便欠航になります(両社の発表/便数と人数は沖縄タイムス・8月5日22時34分時点)。船も6日に、先島の航路を中心に92便以上が欠航します。被災した熊本では地盤がゆるんでいて、少しの雨でも土砂災害が起きやすい状態です。高市首相は8月5日の会議で、避難所の安全点検とブルーシートの配布を急ぐよう指示しています。

🗓️ 今日の焦点:15時30分のソフトバンクグループ決算と、明日の山場

今日の国内は331社が決算を出します。中心はソフトバンクグループ(9984)の2027年3月期 第1四半期決算で、短信の開示が15時30分、説明会が16時30分です(同社のIRページ)。取引が終わる15時30分ちょうどの開示なので、今日の値動きには入りません。反応が出るのは明日以降になります。昨日の日経平均で寄与2位(+587.31円)だった銘柄なので、明日の指数はここに振られる可能性があります。ほかにレーザーテックや光センサーの浜松ホトニクスなども予定されています。

⚠️ ひとつ注意点を書いておきます。今日決算を出す「ソフトバンクグループ」(投資会社)と、8月4日に決算を出した「ソフトバンク」(通信会社)は、別の上場企業です。名前がよく似ていて、ニュースの見出しでも区別がつきにくいところです。

アメリカの指標は、日本時間21時30分の新規失業保険申請件数が中心です。ADPとISMの雇用が弱かったあとなので、労働市場の数字が3つ続けて弱いかどうか、という見方になります。

そして本当の山場は明日8月7日(金)です。3つが同じ日に重なります。朝8時50分に財務省の為替介入の日次データ(対象は4月〜6月分なので、今回の7月末の介入は入りません。7月30日以降の分は8月28日19時に出る月次のほうで、対象期間は7月30日〜8月26日です)。日中には熊本地震の激甚災害指定が閣議決定される見通しです(政府が調整中と伝えられています)。そして夜21時30分に7月の米雇用統計です。

中央銀行の会合は日米とも今月はありません。FOMCは9月15・16日、日銀の金融政策決定会合は9月17・18日です。日本の政策金利は6月16日の会合で0.75%から1.0%へ引き上げられ、7月30〜31日の会合では据え置かれました日本はすでに利上げをしていて次がいつあるか、アメリカはそもそも利上げに転じるかどうか。段階は違いますが、日米とも市場が見ているのは利下げではありません。

📖 今日の経済用語

寄与度(きよど/Contribution to Index)

寄与度とは、ひとつの銘柄が指数全体を何円(何ポイント)押し上げた・押し下げたかを表す数字です。日経平均は225銘柄の株価を足して割る「株価平均型」なので、1株の値段が大きく動いた銘柄ほど、指数への効き方が大きくなります(ただし値段が高くなりすぎた銘柄は「株価換算係数」で影響が抑えられます)。会社の規模は関係ありません。8月5日の日経平均は2,342.91円上げましたが、そのうち約1,788円は上位5銘柄が作ったもの。押し下げた上位5銘柄が約237円ぶんあり、残る215銘柄が作ったのは約792円ぶんでした(1,788−237+792=2,343。丸めた数字を足しているので、実際の2,342.91円とは端数がずれます)。「指数が何%上がったか」だけでは、この偏りは見えません。

▼ 押さえておきたい3つの視点
  • 「上がった銘柄の数」と「指数の上げ幅」は別の話です:8月5日は東証プライムで値上がり1,019・値下がり491と広く買われましたが、上げ幅の76%は5銘柄でした。どちらか一方だけを見ると、その日の姿を取り違えます
  • 単位を混ぜないでください:日経平均は円建ての指数なので寄与度も「円」、TOPIXは「ポイント」です。同じ「寄与度」という言葉でも、どの指数の話かで単位が変わります
  • 押し上げだけを見るか、差し引きで見るかで景色が変わります:8月5日は押し上げ上位5銘柄で約1,788円、押し下げ上位5銘柄が約237円。差し引くと約1,551円です。どれも同じ日の正しい数字なので、記事によって印象が違うのはこのためです

▶ 「寄与度」をたとえ話と図解でもっとくわしく読む(経済用語辞典)

💬 お金バイバイマンからの一言

2日続けて「終値の数字と中身がずれている」という同じ着地になったのが、我ながら少し可笑しかったです。狙って揃えたわけではなく、数えるところを変えたら勝手にそうなっただけなのですが。数字が正直でないのではなく、数え方をひとつしか持っていないと取り違える、というだけの話なのだと思います。

世間では「3.66%も上がった日は、持っていた人が正解だった」という受け止めになると思いますし、その感覚はよく分かります。ただ私は、上げ幅が5銘柄に寄っていたことのほうが気になりました。今日はその2番目にいたソフトバンクグループの決算が、取引の終わる15時30分に出ます。明日の指数がまたそこに振られるのかもしれません。とはいえ、私のほうで何か動くわけでもありません。数字が出たら、どの銘柄が指数を動かしたのかだけ見ておこうと思っています。それくらいが、私にできることの上限だと感じています。

📊 8月5日の総括

日本株
2,342円高の大幅続伸
値上がり1,019・値下がり491と広く買われたが、上げ幅の76%は5銘柄
米国株
ダウだけが最高値
S&P500は取引時間中に最高値でも終値は−0.17%、ナスダックは−0.83%
米指標
ADPとISMがそろって予想割れ
ISMの雇用は47.4と縮小圏、仕入価格は70.3へ上昇。金は+3.67%
📚 参考にした一次情報源

本記事の主要な数値・統計・要人発言は、以下の公式・準公式ソースを2つ以上で照合して作成しています。個別の報道にもとづく数値(寄与度や騰落銘柄数の集計、各社の工場の稼働状況など)は、本文中にその都度、媒体名を明記しています。

  • 日経平均プロフィル(日本経済新聞社)— 日経平均株価の日次四本値
  • 米サプライマネジメント協会(ISM)— 7月ISM非製造業景況指数/ADP — 7月全米雇用報告/米証券取引委員会(SEC)— SpaceXの四半期決算資料
  • 総務省消防庁 — 令和8年熊本地震(第41報・8月5日14時00分現在)/内閣府防災/気象庁 — 台風第13号
  • 財務省 — 国債金利情報/日本銀行・米連邦準備制度理事会(FRB)— 政策金利、FOMC声明および会合日程
  • CMEグループ(NYMEX/COMEX)— WTI原油9月限・金12月限の清算値(8月5日)

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。為替は取得時刻を記載したリアルタイム値で、変動します。8月5日のニューヨーク終値はソースにより割れており幅で記載しています。日本国債10年利回りは財務省の確定値が8月4日分までのため幅表記で、8月5日の値は日経の16時15分時点です。商品は清算値(settle)・限月を明記しており、時間外の値とは異なります。熊本地震の被害は8月5日14時00分時点で、続報により変わります。発表日程は変更されることがあります。

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この記事を書いた人

「お金バイバイマンの経済ニュース」運営者。

月曜から土曜の毎朝、日経平均・米国株・為替などマーケットの動きを「なぜ動いたのか」まで追いかけて、図解つきでやさしく解説しています。"今日の経済用語"コーナーでは、ニュースに出てくる言葉を1日1語ずつ深掘り中。気づけば用語辞典は70語を超えて、いまも増え続けています。

じつは昔、SNSのキラキラした投資情報に憧れて、情報商材を買ってしまったことがあります。遠回りの末にたどり着いたのが「長期・分散・積立でコツコツ」。相場が荒れた日も、合言葉は「今日も何もしません」です。

朝の意見コラム『今朝の経済、私はこう見る』は、noteで平日の毎朝、連載しています。

好きなものは、お酒・サウナ・食べ歩き。経済ニュースも、それくらい気軽な習慣にしてもらえたら嬉しいです📈

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