🕯 金曜の日経平均は405円高、でもその日の中では下げて終わっています|始値68,811円に対して終値68,713円の陰線でした/今週は今朝8時50分の4〜6月期GDPと、金曜の全国CPI——物価のものさしが2025年基準に入れ替わる初回です
8/14金の日本株(4日続伸・ただし陰線) / 米国株(3指数そろって反落) / 📅 今週のマーケット予定(WEEKLY AGENDA 8/17〜8/21) / 千葉豪雨・熊本地震・阿蘇山のいま / 為替・金利・商品 / 今日の経済用語「陽線・陰線(ローソク足)」
おはようございます、お金バイバイマンです。先週金曜8月14日の日経平均は405円21銭高の4日続伸でした。ただ、この日を「4日続伸」の4文字だけで片づけると、いちばん面白いところが落ちます。始値は68,811円17銭、終値は68,713円80銭——つまりその日の始まりより安く終わっているのです。前の日と比べればプラス、その日の中ではマイナス。この形を、株の世界では陰線と呼びます。今日の経済用語は、ここから取りました。そして今週は、今朝8時50分の4〜6月期GDPで始まり、金曜の全国CPIで終わります。しかも金曜は、物価のものさしそのものが入れ替わる回です。順に見ていきます。
🇯🇵 日本株式市場(8/14金 終値・日経は4日続伸、TOPIXは8日続伸)
4日続伸・ただし陰線
8日続伸・終値の最高値を3日連続更新
日本相互証券・財務省は8/13分までが最新
※8月11日(火)は山の日で東京市場が休場のため、営業日から除いています。7月28日(火)に令和8年熊本地震が起きており、その翌日にあたる7月29日(水)が、この12営業日の終値ベースでの最安値です。
まず数字の並びから。金曜8月14日の日経平均は68,713円80銭で、前の日より405円21銭高い(+0.59%)。8月10日(月)から数えて4営業日続けての上昇です。TOPIXは4,197.20ポイントで8日続伸、終値としての史上最高値を3営業日続けて更新しました。取引時間中には4,220.31ポイントまで上げています(終値の記録と取引時間中の高値は別の数字なので、分けて書いておきます)。
ここからが、この日のいちばん面白いところです。金曜の日経平均を四本値で並べると、始値68,811円17銭 → 高値69,608円24銭 → 安値68,471円15銭 → 終値68,713円80銭。終値が始値を下回っています。前の日の終値(68,308円59銭)から見れば405円高ですが、その日の中ではいちばん高いところから約900円ぶん値を消して引けたことになります(69,608円24銭−68,713円80銭=894円44銭)。高値の69,608円24銭は前日終値より1,299円65銭高い水準で、日経平均が取引時間中に69,000円台を回復したのは7月13日以来、およそ1カ月ぶりでした(株探の大引けリポート)。なお終値ベースで見ると、この68,713円80銭は7月15日以来およそ1カ月ぶりの高い水準です(日本経済新聞)。同じ「1カ月ぶり」でも、取引時間中の高値と終値では別のものさしなので、さかのぼる日付が変わります。つまりこの日は「69,000円台に乗せた日」であると同時に、「そこから落ちた日」でもある。片方だけ書くと、まるごと別の一日になってしまいます。
では中身は弱かったのかというと、そうでもありません。東証プライムの値上がりは1,124銘柄、値下がりは401銘柄で、上がった銘柄が下がった銘柄のおよそ2.8倍ありました(変わらずは31銘柄)。この値上がり・値下がりの数え方も、前の日の終値と比べたもので、ローソク足の色とは別のものさしです。売買代金は10兆3,156億円、売買高は24億4,922万株です。複数の市況記事が共通して挙げている材料は、8月13日(木)の米国市場でハイテク・半導体株が買われたことで、東京でもAI・半導体まわりが指数を引っ張りました。いっぽう大引けにかけて伸び悩んだ理由として挙がっているのは、週末を前にした持ち高の調整と利益確定売りです。買う理由が消えたわけではなく、週末をはさむ前に一度手じまっておこう、という動きが後半に出た——そう読むほうが、この形には合っていると思います。この日が8月限のSQ算出日で、SQ値に一度も届かない「幻のSQ」だったことは、8月15日の記事にくわしく書きました。
日本国債10年(新発10年物国債利回り)は、日本経済新聞のマーケット情報で8月14日16時27分時点の2.875%(前日比+0.005%ポイント)が最新です。いっぽう日本相互証券が公表している引値は8月13日の2.865%まで、財務省の「国債金利情報」は8月13日の2.873%までで、この2つは8月14日分が今朝の時点でまだ出ていません。この3つは別々の系列で、同じものを測っているようで値がそろいません。実際、同じ8月13日でも、日本相互証券は2.865%、日経は2.870%、財務省は2.873%です。日経の系列で見れば、8月13日の2.870%から8月14日の2.875%へ0.005%ポイント上がった、という読み方になります。系列をまたいで引き算しても意味がありません。私はこれを、同じ体重計で測った値ではない、くらいのつもりで見ています。
🇺🇸 米国株式市場(8/14金 終値・3指数そろって反落)
反落
反落
反落
アメリカは3指数そろって反落でした。前日8月13日は3指数とも上昇していたので、続落ではなく反落です。下げ幅はダウが−0.20%、S&P500が−0.17%、NASDAQ総合が−0.28%と、3つとも似たような小幅の下げでした。指数のあいだで大きな差が出た日ではないので、「ダウだけ特定の銘柄に引っぱられた」という読み方は、この日については当てはまりません。個別の寄与度までは、私は確かめられていません。
材料は、土曜日の記事でも取り上げた21時30分の7月の小売売上高(前月比−0.6%・市場予想は+0.1%)と、8月のミシガン大学消費者態度指数の速報(51.0・予想は54.5〜55.0=調査機関によって差があります・7月の確報は55.2)です。実際に使った金額とアンケートの気分が、同じ夜にそろって弱く出ました。ここに原油の上昇と長期金利の上昇が重なった、というのが複数の市況記事に共通する説明です。米国債10年利回りは、米財務省の公表値で8月14日が4.68%(8月13日は4.63%)と、1日で0.05%ポイント上がっています。景気の数字が弱かったのに長期金利が上がるのは、ちぐはぐに見えるかもしれません。ただ、この夜は同時に原油も上がっています。原油高はこれから先の物価への警戒につながるので、景気の弱さと金利の上昇は同時に起こりえます。
📅 今週のマーケット予定(8/17〜8/21)
🎯 週のテーマ:週の最初と最後に、日本の大きな数字が1つずつ。しかも金曜の物価は、ものさしそのものが2025年基準に入れ替わる初回です
今週で私がいちばん気にしているのは、金曜の物価が「前の月と比べにくい回」だということです。数字が下がって見えても、それはものさしを取り替えたからかもしれない。逆に上がって見えても同じです。世の中には「基準改定なんて誤差の範囲」という見方もあって、それも一理あると思います。ただ私は、比べられないものを比べて安心するくらいなら、比べられないと知っておくほうがいいという考え方をしています。この日ばかりは、見出しの数字を鵜呑みにしないつもりです。
もうひとつ。今週は日銀もFOMCも会合はありません(次はFOMCが9/15〜16、日銀が9/17〜18)。日銀の総裁・副総裁・審議委員の講演や会見の予定も、今週分の公表カレンダーには載っていません。よく話題になるジャクソンホール会議は8月27日(木)から29日(土)、エヌビディアの決算は米国時間の8月26日(水)とされています。どちらも今週ではなく来週です。「今週はジャクソンホール」と書かれた記事を見かけたら、日付を一度確かめてみてください。なお、ここに書いたのは公表されている予定であって、特定の売買をおすすめするものではありません。日程や時刻は変わることがあります。
🕊 千葉豪雨・熊本地震・阿蘇山のいま(8/17朝の時点)
🌧 令和8年8月千葉豪雨/亡くなられた方に、心よりお悔やみを申し上げます。被害に遭われた方に、お見舞いを申し上げます。千葉県は8月16日の夜、新たに千葉市中央区の30代の男性が亡くなったと発表しました。停電した自宅で発電機を使ったことによる一酸化炭素中毒とみられ、災害との関連は千葉市が調べています。県の集計では、県内で亡くなった方は災害との関連を調査中の方を含めて10人、行方が分からない方が1人。住宅の浸水被害は約1,500棟(床上709棟・床下790棟)です。さらに今日8月17日の朝の時点で、四街道市が市内全域の土砂災害警戒区域などに避難指示(警戒レベル4)を出しています(8月16日の午後に出され、今朝も続いています。避難所も開設されています)。県のまとめでは、いま避難指示が続いているのは四街道市だけです。
※数字は集計する主体と時点で変わります。総務省消防庁の第10報(8月16日〔日〕10時00分現在)は、亡くなった方8人・行方不明1人・けが26人(重傷3人・軽傷等23人)、住家の被害1,160棟(全壊1・半壊23・床上浸水597・床下浸水490・一部破損49)で、同じ8月16日でも県の発表より前の時点のものです。調査中の方の扱いも違うため、消防庁の8人に新たな1人を足しても、県の10人にはなりません。数字を引き算して増減を語ることはできません。なお消防庁の1,160棟には全壊・半壊・一部破損も含まれ、浸水だけなら1,087棟です。
また、私が8月15日の記事に載せた市町別の一覧は千葉県警などの集計にもとづくもので、そちらには柏市の方が含まれていました。消防庁と千葉県災害対策本部の被害報では、柏市の方は「重傷者」として計上されており、死者には入っていません。8月15日に県が新たに発表したいすみ市の70代男性は、入れ替わりではなく新たに加わった方です(県の報告に「災害起因性について精査中」と注記されています)。8月15日の記事に載せたけがの数(重傷2人・軽傷27人)も千葉県と警察の集計で、消防庁の重傷3人・軽傷等23人とは数え方が違います。そのまま引き算はできません。速報のため、この先も数字は変わります。
いっぽう交通は、8月15日の記事で「復旧未定」と書いた区間が土曜から日曜にかけて大きく動きました。JR外房線の本納〜茂原と、東金線の大網〜成東は8月16日の始発から運転を再開。まだ止まっているのは外房線の誉田〜大網(8月24日〔月〕再開予定)と大網〜本納(8月18日〔火〕再開予定)で、今日8月17日からは誉田〜土気などで代行バスが走る予定です。高速道路は千葉東金道路の千葉東JCT〜山田ICと、圏央道の茂原長南IC〜木更津JCTが通行止め解除。いっぽう千葉東金道路の山田IC〜東金JCTと、圏央道の松尾横芝IC〜茂原長南ICは、まだ通行止めが続いています。千葉県内の停電は解消したと伝えられています(ピークは8月13日深夜の約6万9,000戸)。※鉄道と道路の情報は鉄道会社・道路会社の発表を伝える報道によるもので、今後変わることがあります。お出かけの前に最新の運行情報をご確認ください。
🕊 令和8年熊本地震(7月28日発生)/亡くなられた方に、心よりお悔やみを申し上げます。消防庁の第54報(8月16日〔日〕10時00分現在)で、亡くなった方は39人。内訳は八代市20人・宇城市3人・嘉島町7人・甲佐町1人・氷川町5人の計36人に、けがの悪化や身体的な負担による病気で亡くなった可能性がある方1人と、災害との関連を調査中の方2人を加えた数です。けがをされた方は358人(重傷27人・軽傷等331人)。住家の被害は13,952棟で、私が8月15日の記事に書いた12,367棟から1,585棟増えていますが、これは新しい地震が起きたということではなく、調査が進んで確認できた分が積み上がっているためです。避難指示は熊本県の3市町で103,922世帯・219,027人に出ています。
工場のほうは、ホンダの熊本製作所(熊本県大津町・同社が国内で二輪車を生産する唯一の拠点)が、今日8月17日(月)以降も完成車の生産を休止し、めどが立った工程から段階的に再開する——という説明が、ホンダ自身の公表(8月7日更新)のまま続いています。四輪の埼玉製作所・鈴鹿製作所・ホンダオートボディーは8月19日(水)までの休止です。トヨタの田原工場は今日から夏季休暇明けで稼働を再開する予定と伝えられています(一部のラインは計画的な保全作業のため止まったままとされています。いずれも報道によるもので、トヨタ自身の公表では確認できていません)。鉄道では、今日8月17日から九州新幹線の新水俣〜鹿児島中央が1日28本(14往復)に増えます。8月7日の運転再開のときは1日12本(6往復)でしたので、倍以上です。熊本〜新水俣は復旧作業が続いており、8月中の再開は難しく9月以降の見通しとされています。
🌋 阿蘇山/8月14日(金)15時45分に噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)から3(入山規制)へ引き上げられ、今も3のままです。対象は熊本県の阿蘇市・高森町・南阿蘇村で、中岳第一火口からおおむね2キロの範囲が警戒の対象。二酸化硫黄の放出量は8月14日の観測で1日あたり約2,700トン(8月6日は1,200トンでした)。人的被害・住家被害は確認されていません。同じ熊本県で7月に地震が起きているので結びつけたくなるところですが、これについて気象庁火山監視課の藤貴志課長は、8月14日の記者会見で「明確に火山活動の高まりを地震によって示すデータはない。正直言うと根拠を持って関係があるのかないのかは、はっきりと言えないが、明確な活発化を示すものもない」と述べています。関連があるともないとも言い切れないのかと問われると、「ないということを完全に否定する材料を持っていない、というのが正確かもしれない」として、火山活動を注意深く監視している状況だとしました。どちらかに寄せて書けるだけの材料は、まだありません。なお台風は、今朝5時20分の時点で発生しているものはありません(8月12日に発生した17号は、8月14日21時に熱帯低気圧に変わっています)。
💴 為替・金利・商品(8月17日 朝 JST時点)
8/17 6:10 JST時点も同水準
週明けの取引はこれから
8/17 6:10 JST時点も同水準
週明けの取引はこれから
8/13は4.63%・週明けの取引はこれから
為替は、8月14日(金)のニューヨーク市場の終値が、ドル円で1ドル=159.30〜159.32円、ユーロ円で1ユーロ=184.28〜184.33円の気配でした。8月17日の朝6時10分(日本時間)に確かめても同じ水準のままで、週明けの取引はまだ始まっていません(気配値なので、小数第2位はわずかに動きます)。今日の東京市場が開いてからの動きは、明日の記事で追いかけます。商品のほうは、8月14日の清算値でWTI原油の9月受け渡し分が1バレル82.40ドル(前日から+1.15ドル・+1.42%)、ニューヨーク金の12月受け渡し分が1トロイオンス4,437.3ドル(同+16.9ドル・+0.38%)。原油が上がった理由としては、ホルムズ海峡をめぐる供給の混乱への警戒が挙げられています(フィスコの市況解説)。ただし、これはいまのところ1社の見方なので、そう決まったこととしては書きません。8月14日(金)の夜のアメリカで長期金利が上がったのも、この原油と無関係ではありません。
陽線・陰線(ようせん・いんせん/Candlestick)
株価の1日は、始値・高値・安値・終値の4つの数字で表せます。これを1本の棒にまとめたものがローソク足で、真ん中の太い部分が始値と終値、上下に伸びる細い線(ヒゲ)が高値と安値です。終値が始値より高ければ陽線、低ければ陰線。ここでくらべているのは前の日ではなく、その日の始まりと終わりなので、前日比はプラスなのに陰線という日がふつうに起こります。8月14日(金)の日経平均が、まさにそれでした。
- 「陰線=下がった日」ではない:8月14日は始値68,811円17銭に対して終値68,713円80銭で陰線ですが、前日比では405円21銭高です。ニュースの「◯円高」と足の色は、別のことを言っています。
- 色の意味は国によって逆になる:日本では上げを赤、下げを青(または白と黒)で描きますが、アメリカのチャートは上げが緑・下げが赤がふつう。色ではなく始値と終値の位置関係で判断するのが安全です。
- 1本の形から次の日は当てられない:「長い上ヒゲが出たから明日は下がる」といった読み方が語られることはありますが、決まった法則ではありません。ローソク足は起きたことの記録であって、予言ではありません。
金曜の日経平均を「4日続伸」と書いた記事も、「一時69,000円台」と書いた記事も、どちらも本当のことを言っています。それでも私がいちばん引っかかったのは、始値より安く終わっていたという一点でした。上げた日なのに、始まりのほうが高かった。こういう日は、翌日を言い当てにいくより、「上げた日にも中身の違いがある」と覚えて帰るほうが役に立つと、私は思っています。
そして今週は、金曜に物価のものさしが入れ替わります。「先月より下がった」と書かれた記事が出たとき、それが本当に下がったのか、比べ方が変わっただけなのか——ここを分けて読めるかどうかで、受け取る印象がだいぶ違ってきます。もちろん「そんな細かいことは気にしない」という読み方もあって、それで困ることは実際そう多くありません。ただ私自身は、今週の金曜については、数字より先に「何と比べた数字か」を見にいくつもりです。
📊 8月14日(金)と今週の総括
本記事の数値・統計・要人発言は、以下の公式・準公式ソースを2つ以上で照合して作成しています。
- 内閣府 経済社会総合研究所(GDPの公表予定)・総務省統計局(消費者物価指数の基準改定スケジュール)
- 財務省(国債金利情報)・日本経済新聞 電子版(日本国債10年利回り、為替、東証プライムの騰落銘柄数)・日本相互証券(同利回りの参考系列)・米財務省・セントルイス連銀FRED(米3指数の終値)
- 米商務省センサス局(7月の小売売上高)・ミシガン大学 Surveys of Consumers(8月速報)・株探(8月14日の大引けリポート)
- 米連邦準備制度理事会(FRB)公式サイト・日本銀行 公式サイト
- 総務省消防庁(千葉豪雨 第10報/熊本地震 第54報)・千葉県(災害対策本部の被害報・8月16日の記者発表)・千葉県防災ポータルサイト(避難情報)・気象庁・khb東日本放送/熊本朝日放送(気象庁火山監視課長の会見発言)
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。株価は8月14日(金)の四本値と終値、米国債10年利回りは同日の米財務省公表値、商品は同日の清算値(WTIは9月受け渡し分・金は12月受け渡し分)です。災害の被害状況と交通の情報は、本文に記した発表主体・時点のもので、速報のため続報により変わります。


コメント