📊 4〜6月期のGDPは年率プラス1.1%、市場予想の半分でした|3期続けてのプラスですが、個人消費は8四半期ぶりのマイナスです/日経平均は506円高でも、値下がりした銘柄のほうが多い日でした
GDP1次速報/日本株・長期金利/米国株/為替・商品/千葉豪雨・熊本地震・阿蘇山のいま/今日の経済用語「GDPデフレーター」
おはようございます、お金バイバイマンです。昨日8月17日(月)の朝8時50分に、4〜6月期のGDP(国内総生産)が発表されました。速報の見出しは「3期連続のプラス成長」。ただ数字を開けてみると、伸び率は年率プラス1.1%で、市場が見込んでいた年率プラス2.2%のちょうど半分でした。そして株のほうも、日経平均は506円高の5日続伸なのに、その日値下がりした銘柄のほうが多い、という日でした。私は、見出しがプラスの日ほど中身を開けたくなります。順番に見ていきます。
ちなみに同じ日、予想の半分だったGDPの横で、長期金利のほうは約30年ぶりの高さを付けています。こちらは日銀の利上げを見込む動きと、国の財政への警戒が重なったものです。弱い数字と、上がっていく金利。同じ日の同じ国の話として、両方が並んでいました。
🇯🇵 4〜6月期のGDP1次速報(8/17月 8:50 内閣府公表・年率+1.1%は市場予想の半分)
GDPは、その国で1年間に生み出されたモノやサービスの合計です。今回の4〜6月期は、物価の影響を取り除いた実質で前期比プラス0.3%、年率に直すとプラス1.1%でした。これで3四半期続けてのプラスになります(※GDPは2次速報や後の改定で数字が動くため、この「3期連続」も次の発表で変わる可能性があります)。
ただ、市場の見込みは年率プラス2.2%でした。実際はその半分です。そして中身を見ると、プラスを作った項目とマイナスにした項目が、想像とはだいぶ違うところに並んでいました。ここが今日いちばん書いておきたいところなので、3つに分けます。
① 個人消費が8四半期ぶりのマイナスでした。民間最終消費支出は前期比マイナス0.02%。四捨五入すると「マイナス0.0%」という、ゼロすれすれの数字です。金額としては小さいのですが、マイナスになったこと自体が2024年4〜6月期以来で、2年ぶりです。GDPの半分以上を占める項目なので、ここが止まると全体が伸びにくくなります。
② 全体を大きく押し下げたのは「公的在庫」でした。寄与度でマイナス0.5ポイント(年率マイナス2.1ポイント)。ふだんは全体をほとんど動かさない項目です。理由は、ホルムズ海峡が事実上ふさがれたことを受けて、石油の国家備蓄を取り崩したからと報じられています(共同通信)。備蓄を吐き出すと、統計上は「在庫が減った」としてマイナスに計上されます。景気が悪くなって在庫が減ったのとは、意味がまったく違います。
③ 外需のプラスは、輸出が強かったからではありません。純輸出(輸出から輸入を引いたもの)の寄与度はプラス0.5ポイントで、今回いちばん大きなプラス項目でした。ただ内訳を見ると、輸出の寄与はプラス0.1ポイントにとどまり、押し上げの大きいほうは輸入が1.5%減ったこと(寄与プラス0.3ポイント)です。輸入は引き算される側なので、減るとGDPは増えます。原油の輸入が一時的に落ちたことが効いていて、「外需がけん引した」と読むと実態から離れます。
主なものを寄与度で並べると、こうなります。民間企業設備がマイナス1.2%(寄与マイナス0.2ポイント)、政府最終消費支出がプラス1.6%(寄与プラス0.3ポイント)、民間在庫がプラス0.3ポイント。国内需要(内需)の合計はマイナス0.2ポイントです。中では政府最終消費と民間在庫がそれぞれプラス0.3ポイントで支えましたが、②で見た公的在庫のマイナス0.5ポイントと、民間企業設備のマイナス0.2ポイントがそれを上回りました。公的在庫のマイナスがなければ内需はプラスだった計算で、内需がマイナスに沈んだいちばんの理由も、石油備蓄の取り崩しという特殊な事情です。全体をプラスに残したのは、純輸出のプラス0.5ポイントでした。
※寄与度は小数第1位までで公表されているため、内訳を足した数字と全体の数字が0.1ポイントほど食い違うことがあります(上の内需の内訳も、純輸出の内訳も、足すと0.1ポイントずれます)。内閣府の統計表にも「四捨五入の関係上、各項目の寄与度の合計は必ずしも…増加率には一致しない」と注記があります。今回の年率換算の表では、同じ内訳がぴったり合っています。電卓が合わないときは、たいていこれです。
もうひとつ、名目のほうも見ておきます。値段がついたままの名目GDPは687兆7,182億円で、前期比プラス1.2%(年率プラス4.8%)。実質の前期比はプラス0.3%でしたから、名目と実質の開きにあたるぶんが値段の動きです。このものさしになるのが、今日の経済用語で取り上げる「GDPデフレーター」。4〜6月期は前年同期比でプラス2.6%でした(1〜3月期はプラス3.2%)。
※名目と実質の伸び率は「前の期と比べた率」です(年率は、それが1年続いたと仮定して換算した数字)。いっぽうGDPデフレーターは「前の年の同じ時期と比べた率」で、比べている相手が違います。ですから年率プラス4.8%からプラス1.1%を引いた数字が、そのままプラス2.6%になるわけではありません。
※内閣府は季節調整を毎回かけ直すため、過去の四半期の数字も今回いっしょに動いています。1〜3月期の年率は、前回公表時のプラス1.8%から今回はプラス1.9%になりました。個人消費(前期比プラス0.3%→プラス0.5%)や設備投資(マイナス0.7%→マイナス1.0%)も変わっています。検索して古い記事と見比べると数字が食い違うことがありますが、誤りではなく改定によるものです。
🇯🇵 日本株式市場(8/17月 終値・日経平均は506円高の5日続伸、ただしTOPIXは9日ぶり反落)
日経平均は前週末より506円45銭高い6万9,220円25銭で、5日続伸。終値で6万9,000円台に戻ったのは7月6日以来です。始値6万8,882円06銭に対して終値6万9,220円25銭なので、その日の中でも上げて終えた陽線でした(高値6万9,225円57銭・安値6万8,492円04銭)。
ところがTOPIXは13.09ポイント安の4,184.11で、8日続いた上昇が止まりました。9営業日ぶりの下落です。先週まで3日続けて更新していた終値の史上最高値は、8月14日(金)の4,197.20ポイントのままで、昨日は更新していません。
同じ日に、日経平均はプラス0.74%、TOPIXはマイナス0.31%。方向が逆です。理由は、上がった銘柄の顔ぶれにあります。買われたのはアドバンテスト、キオクシア、ソフトバンクグループ、東京エレクトロン、フジクラ、イビデンといったAI・半導体まわりでした。この中には1株の値段が高く、日経平均への効き方が大きい銘柄が含まれます。日経平均は株価の高い銘柄ほど指数への影響が大きくなる計算なので、この手の銘柄が上がると指数がよく動きます。いっぽうTOPIXは会社の大きさ(時価総額)で加重するので、値がさ株だけでは持ち上がりません。
実際、同じ日の東証プライム全体では、値下がりした銘柄が890、値上がりが627。値上がり・値下がりした銘柄のうち、およそ6割が下落していた計算です。ファーストリテイリング、ソニーグループ、KDDIなどが売られています。東証プライムの時価総額上位500社の中から、資本効率や市場からの評価をもとに150社を選ぶJPXプライム150指数は、マイナス0.76%(1,751.88)と、TOPIXよりさらに弱い動きでした。
※値上がり・値下がりの数え方は前の日の終値との比較で、上に書いたローソク足の色(その日の始値と終値の比較)とは別のものさしです。同じ日でも、どちらで数えるかで景色が変わります。
売られた理由として日本経済新聞が挙げているのは、業績相場で上げ続けたあとの「買われすぎ」を意識した利益確定売りです。決算が一巡して通期見通しを上方修正した会社が多く、そこにお金が集まる一方で、それ以外は一度整理された、という形でした。売買代金は概算で8兆9,492億円。
もっとも、終値のプラスだけでは見えない揺れ方もありました。長期金利が約30年ぶりの高い水準まで上がった場面では、日経平均が一時200円を超えて下げに転じる時間帯もあったと伝えられています。
「昨日は日本株が上がった」とひとことで言うと、この日については半分しか合っていません。指数の名前によって答えが変わる日でした。
※終値ベース。8月11日(火)は山の日で休場のため営業日に含めていません。期間の起点7月30日(木)から8月17日(月)までで7,352円82銭(11.88%)上昇しました。★は終値で見た期間の最高で、その日のうちに付けた高値(6万9,225円57銭)とは別の数字です。
📈 長期金利が一時2.930%まで上昇(1996年以来、約30年ぶりの水準)
同じ8月17日(月)、債券のほうでは10年物の国債利回りが取引時間中に一時2.930%まで上がりました。日本経済新聞・時事通信・共同通信がそろって「1996年以来、約30年ぶりの高い水準」と伝えています。2年債も31年ぶりの高さ、5年債にいたっては過去最高でした。
背景として各紙が挙げているのは、大きく2つです。ひとつは日銀が9月にも利上げするのではないか、という見方が強まったこと。日銀の政策金利は6月16日の引き上げで現在1.0%で、7月30〜31日の会合では据え置き(賛成8・反対1で、反対した高田委員は1.25%への引き上げを主張)でした。日本経済新聞は、7月31日に実施された日米協調の円買い介入(8月3日に日米共同声明で公表)をきっかけに早期の利上げ観測が強まった、と整理しています。また、8月10日に公表された7月会合の「主な意見」でも利上げのペースについての発言が伝わり、次の会合(9月17〜18日)での利上げを見込む動きが進みました。
もうひとつは国の財政が悪化するのではないか、という警戒です。TBS NEWS DIGは今月下旬の概算要求で各省庁の要求額がふくらむことを、時事通信は消費税の減税方針を、それぞれ理由に挙げています。国債がたくさん発行されそうだと見られると、買い手のほうが有利になるので、利回りは上がりやすくなります。金利の上昇を「日銀の利上げ観測だけ」で説明すると、もうひとつの理由が抜け落ちます。
※「主な意見」は、会合のあと10日ほどで出る短い文書で、今回の7月30〜31日の会合の分は8月10日(月)に公表されました。発言をひととおり載せた「議事要旨」のほうは次の会合で承認されてから公表される決まりで、7月会合の分は9月28日の公表予定。まだ世に出ていません。同じ会合について語られる文書が2種類あって、出る時期も中身の細かさも違います。
※金利は借りる側から見れば負担、貸す側から見れば受け取りです。住宅ローンの固定金利や、これから債券を買う人の利回りに関わってきます。なお9月の利上げを市場がどれくらい織り込んでいるかについては、複数の集計値が報じられていますが、私は発表元まで確認できませんでしたので、具体的な割合は書いていません。
※財務省が確定値として公表している10年国債の利回りは、この記事を書いている時点では8月14日(金)の2.878%までです(8月17日分は本日18日の午前9時30分ごろ公表予定)。上に書いた2.930%は取引時間中に付けた水準で、終値ではありません。また、日本相互証券・財務省・日本経済新聞はそれぞれ別の集計で、同じ日でも小数第3位が食い違うことがあります。系列をまたいで引き算はできません。
🇺🇸 米国株式市場(8/17月 終値・3指数そろって続落)
アメリカは3指数そろって下落し、金曜に続く続落となりました。下げ幅はマイナス0.32〜0.52%とほぼ横並びなので、どれか1銘柄で説明できる形ではなさそうです。
理由として2つ以上の市況記事が共通して挙げているのは、①原油が上がってインフレへの警戒が強まり、長期金利が上昇したこと、②中東情勢です。6月に署名された戦闘終結に向けた覚書の60日の交渉期限が、最終的な合意に至らないまま到来しました。緊迫が長引くという見方から売りが出た、と伝えられています。
米10年債利回りは4.72%(前営業日の8月14日は4.68%で、プラス0.04ポイント。いずれも米財務省の同じ公表系列です)。日本もアメリカも、長期金利の上昇が株の重荷になる時間帯があった日でした。日本は終値では日経平均が上げきりましたが、TOPIXは反落しています。
※S&P500について。終値の史上最高値は8月13日(木)の7,798.99、取引時間中の高値も同じ8月13日の7,816.70です。終値で7,800台に乗せた日は、まだありません。昨日17日は始値の7,790.68がその日の高値で、そこから下げて終えています。「7,800台をつけた」と「7,800台で終えた」は別の話なので、分けて書いておきます。
💴 為替・商品(8/17のNY市場と、8/18朝 JST時点)
ドル円は今朝6時34分の時点で1ドル159円37銭、ユーロ円は1ユーロ184円50銭。昨夜のニューヨーク市場では、ドル円は一時159円60銭まで上昇し、ユーロ円は一時184円77銭まで上げたあと184円54銭あたりまで押し戻されました(いずれもその時間帯に付けた水準で、終値ではありません)。アメリカで8月のニューヨーク連銀製造業景気指数と住宅市場指数がそろって事前の見方より良かったこと、それに原油高と金利上昇が重なって、ドルが買われる形でした。
商品ではWTI原油の9月受け渡し分が1バレル84.50ドルで、前営業日の清算値から2.10ドル(2.55%)の上昇。3週間ぶりの高い水準です。NY金の12月受け渡し分は1トロイオンス4,473.7ドルで、36.4ドル(0.82%)高。どちらも清算値で、前営業日の清算値に変化幅を足すと当日の値に一致することを確認しています。
原油が上がっている状況は、4〜6月期のGDPに出てきた石油備蓄の取り崩しとも、アメリカで金利が上がった話ともつながっています(備蓄の取り崩しは4〜6月期の話で、いまの原油高とは時期が違います)。ホルムズ海峡の一件は、統計にも相場にも、別々の形で顔を出しています。
GDPデフレーター(GDP Deflator)
名目GDPを実質GDPで割って求める、いわば「国全体の値段の物差し」です。名目GDPは値段がついたままの合計、実質GDPはそこから物価の動きを取り除いた合計。ですから両者の開きが、そのまま値段の動いた分になります(比べる期間をそろえたときの話です)。4〜6月期は名目の前期比がプラス1.2%、実質がプラス0.3%。別に公表されるGDPデフレーターは、前年同期比でプラス2.6%でした(1〜3月期はプラス3.2%)。
- 名目と実質の「開き」を見るもの:ニュースで「GDPは年率プラス1.1%」と言うときの数字は実質のほうです。名目の年率プラス4.8%と並べると、伸びの多くが値段の上昇によるものだと分かります(デフレーターの値そのものは、この2つの引き算とは基準が違います)。
- 消費者物価指数(CPI)とは測っているものが違う:CPIは家計が買うものの値段で、輸入品も入ります。GDPデフレーターは国内で生み出されたものの値段で、輸入は差し引かれる側です。同じ方向に動くとは限りません。
- 輸入の値上がりは別枠で見える:今回、輸入デフレーターは前年同期比プラス15.0%でした。原油が上がったぶんは、この輸入側に大きく出ています。
▶ もっとくわしく:GDPデフレーターとは?名目GDPと実質GDPの差をやさしく図解
正直、昨日いちばん手が止まったのは「公的在庫マイナス0.5ポイント」でした。ふだんはゼロに埋もれていて、私も何年も気にしたことのない項目です。それが今回は全体を押し下げる主役になっていた。「年率プラス1.1%」という数字を1回聞いただけでは、まずここまでたどり着けません。
株のほうも同じ日に同じことが起きていて、日経平均は506円高なのに、値下がりした銘柄のほうが多い。私が持っている日本株も、昨日は上がったものと下がったものが両方ありました。世の中には、見出しの数字さえ押さえておけば十分、という読み方もあると思います。それも合理的です。ただ私は、こういう日はもう一枚めくっておきたいほうで、個人的には見出しを「あ、そうなんや」くらいで受け止めて、あとで中身を見るときの手がかりにしています。見出しの数字は、その日を要約するには便利ですが、自分の持ち物を説明してくれるものではありません。どう受け取るかは、読んでいる方それぞれの持ち物しだいだと思います。
🕊 令和8年8月千葉豪雨のいま(消防庁 第11報ほか・8月18日朝の時点)
8月の大雨で亡くなられた方に、心よりお悔やみを申し上げます。被害に遭われた方にお見舞いを申し上げます。
総務省消防庁の第11報(8月17日〔月〕10時00分現在)によると、亡くなった方は10人です(千葉市4人、佐倉市2人、市川市1人、柏市1人、八千代市1人、いすみ市1人)。行方が分からない方が1人、けがをされた方が29人(重傷2人・軽傷等27人)。昨日17日(月)の記事の時点では、県の発表が10人、消防庁の集計(第10報)が8人と分かれていましたが、今回の第11報で消防庁の数字も10人になりました。集計主体が違うことによる食い違いは、いったん解消しています。
住まいの被害は合計1,541棟(全壊2・半壊11・床上浸水709・床下浸水790・一部破損29)。このうち浸水だけを足すと1,499棟で、県が発表していた「約1,500棟」と重なります。1,541棟という数字には浸水以外も含まれているので、両方を並べるときは中身の違いにご注意ください。
避難の情報については、消防庁の第11報(17日10時00分現在)の時点では四街道市の避難指示が残っていましたが、その後、同じ17日の15時20分に解除されました。千葉県防災ポータルの17日17時10分更新の時点で、県内で発令中の避難情報はゼロでした。本日18日朝の時点で新たに発令された自治体は、私は確認できていません。避難情報は短い時間で変わりますので、最新の状況はお住まいの自治体の発表でご確認ください。
交通は、圏央道と千葉東金道路の通行止めが8月17日(月)午前1時30分にすべて解除されました。ただし千葉東金道路の下り線では、山田インター付近で車線規制が続いています(本日18日6時45分時点)。鉄道では東金線が8月16日(日)に全線で運転を再開しました(再開の時刻はJR東日本の発表では確認できなかったため、ここでは日付だけを書いています)。外房線は大網〜本納が本日8月18日(火)の始発から運転を再開し、誉田〜大網は8月24日(月)の再開を目指すとJR東日本が8月17日に発表しています。線路の下の砕石が流れ出した区間があるためで、まだ全線がつながったわけではありません。ご利用の際は、当日の運行情報をご確認ください。
訂正:昨日8月17日(月)の記事で、千葉東金道路の山田インター〜東金ジャンクションと圏央道の松尾横芝インター〜茂原長南インターについて「まだ通行止めが続いています」と書きましたが、実際には同じ17日の午前1時30分に、いずれも解除されていました。解除は私が記事を出す前に報じられており、私がそれを確認できていませんでした。移動の判断に関わる情報を誤ってお伝えしたことを、おわびして訂正します。現在は両区間とも通行できます(千葉東金道路の下り線では車線規制が続いています)。
🕊 令和8年熊本地震のその後(消防庁 第55報・8月17日10時00分現在)と、自動車の生産
7月28日(火)に起きた令和8年熊本地震について、亡くなられた方に心よりお悔やみを申し上げます。
消防庁の第55報によると、亡くなった方は39人で、前回から変わっていません(八代市20人・宇城市3人・嘉島町7人・甲佐町1人・氷川町5人の計36人に、けがの悪化や身体的な負担によって亡くなった可能性がある方1人と、災害との関連を調査中の方2人を加えた数です)。けがをされた方は359人(重傷27人・軽傷等332人)。住まいの被害は14,384棟(全壊1,449・半壊1,340・一部破損11,595)で、前回の13,952棟から432棟増えています。これは新しい地震が起きたということではなく、調査が進んで確認できた分が積み上がっているためです。避難指示は熊本県の3市1町、103,922世帯・219,027人に出たままです。
自動車の生産のほうは、動きがありました。部品メーカーのアステモ宇城(熊本)が8月13日(木)から一部のラインで生産と出荷を再開したことを受けて、ホンダの埼玉製作所(寄居)・鈴鹿製作所・ホンダオートボディーは、予定どおり8月19日(水)まで休止したのち、8月20日(木)に再開する見通しとなりました。これらの工場は、宇城から届くはずのサスペンション用の部品が止まったために操業を止めていたものです。
いっぽうホンダの熊本製作所は、8月17日(月)以降も完成車の生産を休止したままです(Honda公式サイト・8月17日更新)。復旧のめどが立った工程から段階的に動かしていく、とされています。ホンダにとって国内で唯一の二輪車の生産拠点で、ここはまだ再開の日が決まっていません。トヨタの田原工場は8月17日(月)の1直から稼働を再開しました(ただし一部のラインは工事のため8月30日まで停止の予定です)。
鉄道では、九州新幹線の熊本〜新水俣が今も運休したままです。新水俣〜鹿児島中央は8月7日に運転を再開し、8月17日(月)から1日6往復が14往復に増えました。熊本〜新水俣について、JR九州は8月中に運転を再開するのは難しく、再開の時期については8月中に示すとしています。これより先の具体的な日付は、この記事の時点では確認できていません。
ライフラインでは、熊本県内でなお約8,400戸の断水が続いています(内閣府の被害状況報・8月17日10時時点)。避難所も72か所が開いており、3,122人が身を寄せています。
※「再開」の話と「まだ止まっている」の話は、同じ会社の中でも工場ごとに違います。埼玉・鈴鹿・オートボディーは今日8月18日(火)の時点ではまだ休止中で、再開は明後日20日(木)の見込みです。
🌋 阿蘇山のいま(噴火警戒レベル3が継続)
阿蘇山は、8月14日(金)15時45分に噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)から3(入山規制)へ引き上げられ、そのまま継続しています。警戒が必要な範囲は中岳第一火口からおおむね2キロで、対象は熊本県の阿蘇市・高森町・南阿蘇村です。人や住まいの被害は報告されていません。
火山ガス(二酸化硫黄)の放出量について公表されている最新の観測は8月14日(金)の観測で、1日あたり約2,700トンでした(8月6日は1,200トン)。気象庁は8月17日(月)にも観測を行っていますが、その結果は本日18日(火)の朝の時点ではまだ公表されていません。気象庁の最新の解説情報は8月17日16時のものです。
同じ熊本県で7月に地震が起きているため関連づけたくなるところですが、これについて気象庁火山監視課の藤貴志課長は、8月14日(金)の記者会見で、地震によって火山活動が高まったことを明確に示すデータはないとしたうえで、関係がないと完全に否定する材料も持っていない、という趣旨の説明をしています。どちらか一方に寄せて読めるだけの材料は、まだありません。
なお台風は、本日18日(火)朝6時30分の時点で発生しているものはありません。
🗓️ 今日8月18日(火)と、今週これから動くこと
今日8月18日(火) 15時にイギリスの失業率、18時にドイツの8月のZEW景況感指数、21時30分にアメリカの7月の住宅着工件数と建設許可件数。日本の主要企業の決算はすでに一巡していて、今日は国内発の大きな材料が乏しく、海外の指標が中心の一日です。
8月19日(水) 朝8時50分に日本の6月のコア機械受注と7月の訪日外客数。15時にイギリスの7月の消費者物価指数、そのあとユーロ圏の7月の消費者物価指数の改定値。
8月20日(木) 朝3時(日本時間)にFOMCの議事要旨。7月28〜29日の会合の分です。この会合は据え置きでしたが、賛成9・反対3で、反対した3人はいずれも「いま利上げすべきだ」という側でした。何がそこまで意見を分けたのかが読めるところです。朝8時50分には日本の7月の貿易統計も出ます。
8月21日(金) 朝8時30分に総務省の7月の全国消費者物価指数。この回から2025年を基準とする新しい計算に切り替わる予定です。基準が変わると過去の数字とそのままでは比べられなくなるので、私は前回値や事前の予想値をこの記事には書いていません。当日、実際に出た数字で確かめます。
なお金融政策の現在地を整理しておくと、アメリカの政策金利は3.50〜3.75%で、7月28〜29日の会合では据え置き。議長はケビン・ウォーシュ氏(今年5月22日就任)で、次の会合は9月15〜16日です。日本の政策金利は1.0%で、直近の変更は6月16日の引き上げ。次の会合は9月17〜18日。日米とも、いま市場が見ているのは「利下げ」ではなく「利上げ」の方向です。ここを取り違えると、金利や為替のニュースの読み方が反対になってしまいます。
📊 8月17日(月)の総括
本記事の数値・統計・要人発言は、以下の公式・準公式ソースを2つ以上で照合して作成しています。
- 内閣府 経済社会総合研究所(4〜6月期GDP1次速報の統計表・8月17日公表分および前回公表分)・QUICK(市場予想の集計)・日本銀行 公式サイト(7月会合の「主な意見」と議事要旨の公表予定)
- 財務省(国債金利情報)・米財務省(Daily Treasury Par Yield)・日本経済新聞 電子版(東証プライムの騰落銘柄数、日本国債10年利回り、NY商品)・時事通信・共同通信・TBS NEWS DIG(長期金利の上昇要因、石油備蓄の取り崩し)
- Barchart(WTI原油・NY金の清算値)・野村證券(ニューヨーク株式市況)・トレーダーズ・ウェブ(NY外国為替市場概況)
- 米連邦準備制度理事会(FRB)公式サイト
- 総務省消防庁(千葉豪雨 第11報/熊本地震 第55報)・気象庁(阿蘇山の噴火警報と解説情報、台風情報)・khb東日本放送(気象庁火山監視課長の会見発言)・本田技研工業 公式サイト(生産休止と再開の状況)・内閣府(熊本地震の被害状況報)・千葉県防災ポータルサイト(避難情報)・NEXCO東日本(高速道路の通行止めと解除)・JR東日本(外房線・東金線の運行計画)・JR九州(九州新幹線の運行状況)
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。株価は8月17日(月)の終値と四本値、米国債10年利回りは同日の米財務省公表値、商品は同日の清算値(WTIは9月受け渡し分・金は12月受け渡し分)です。日本の10年国債利回りは取引時間中に付けた水準で、終値ではありません。為替は8月18日6時34分時点の参考値で、常に変動します。GDPは1次速報で、今後の2次速報や改定により変わります。内閣府は季節調整をかけ直すため、過去の四半期の数値も同時に動きます。災害の被害状況と交通の情報は、本文に記した発表主体・時点のもので、速報のため続報により変わります。


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