今週は日本株のひとり勝ちでした|日経平均は4営業日で3,107円高、TOPIXは終値の史上最高値を3日続けて更新/金曜の夜、アメリカでは7月の小売売上高が−0.6%、ミシガン大の指数が51.0と同時に弱く出ました。NYダウは週の前半から崩れて週間マイナスです

2026年8月10日(月)から14日(金)までの1週間のマーケットを振り返る、お金バイバイマン経済ニュースの土曜版WEEKLY RECAPのアイキャッチ画像。東京市場は8月11日の山の日を除く4営業日で、日経平均が3,107円09銭高の68,713円80銭、TOPIXは8日続伸の4,197.20で終値としての史上最高値を3日続けて更新した。いっぽうアメリカでは金曜の夜にアメリカの7月の小売売上高が前月比マイナス0.6%、ミシガン大学の消費者態度指数の8月速報が51.0といずれも予想を下回った。NYダウは週の前半から下げが続き、週間でマイナス0.56%となっている。
WEEKLY RECAP · 2026.08.10(月)〜08.14(金)

📊 今週は日本株のひとり勝ちでした|日経平均は4営業日で3,107円高、TOPIXは終値の史上最高値を3日続けて更新/金曜の夜、アメリカでは7月の小売売上高が−0.6%、ミシガン大の指数が51.0と同時に弱く出ました。NYダウは週の前半から崩れて週間マイナスです

📊 週間パフォーマンス / 🇯🇵 今週の日本株と📈日経12営業日チャート / 🎯 今週の3大イベント総括(8/14夜にアメリカの7月の小売売上高が−0.6%、ミシガン大の指数が51.0と同時に弱く / 日本株のひとり勝ち / 8月限マイナーSQは「幻のSQ」) / 🇺🇸 今週の米国株 / 💴 為替・金利・商品 / 🕊 令和8年8月千葉豪雨と、熊本地震・阿蘇山のいま / 今週の経済用語「ソフトデータとハードデータ」 / 📅 来週は8/17(月)朝の4〜6月期GDP

🇯🇵 日経 週間+3,107円 📈 TOPIX 8日続伸 📉 米小売 −0.6% 🕊 千葉豪雨

おはようございます、お金バイバイマンです。土曜日は1週間のマーケットを振り返るWEEKLY RECAPの日です。その前に、今週の国内の出来事にふれさせてください。8月13日(木)の夕方から14日(金)の未明にかけて千葉県で記録的な大雨となり、気象庁はこれを「令和8年8月千葉豪雨」と命名しました。亡くなられた方に、心よりお悔やみを申し上げます。被害に遭われた方に、お見舞いを申し上げます。また8月14日(金)には、気象庁(福岡管区気象台)が阿蘇山の噴火警戒レベルを引き上げています。くわしくは記事の後半にまとめました。

マーケットのほうです。今週の東京市場は8/11(火)が山の日で休場だったため、月・水・木・金の4営業日でした。その4日で、日経平均は+3,107.09円(+4.74%)。1日あたりに直すと約780円ずつ上がっていた計算になります。TOPIXは8日続伸で、終値としての史上最高値を3日続けて更新しました。

ところが、同じ週のニューヨークはまったく違う形をしています。NYダウは5営業日のうち4日下げて、週間ではマイナス。S&P500とナスダックはかろうじてプラスですが、上げたのは5日のうち2日だけです。そして週の最後、金曜8/14の夜に発表されたアメリカの7月の小売売上高が前月比−0.6%、ミシガン大学の消費者態度指数(8月速報)が51.0と、2つそろって予想を下回りました。「実際に使った金額」と「これからの気分」が、同じ夜に、同じ方向へ弱く出たということです。今週の経済用語は、ここから「ソフトデータとハードデータ」を取り上げます。

📊 今週の週間パフォーマンス一覧(前週末8/7金→今週末8/14金)

日経平均
+4.74%
+3,107.09円(68,713.80円)
TOPIX
+3.00%
+122.27pt(4,197.20pt)
NYダウ
−0.56%
−304.52ドル(53,732.41ドル)
S&P500
+0.36%
+28.12pt(7,785.76pt)
NASDAQ
+0.14%
+38.54pt(26,729.16pt)
ドル円
円安 0.99%
+1.56円(159.32円・8/14 NY終値)

※起点もあわせて書いておきます。先週末8/7(金)の終値は、日経平均65,606.71円/TOPIX4,074.93pt/NYダウ54,036.93ドル/S&P5007,757.64pt/NASDAQ26,690.62pt/ドル円157.76円です。上のカードの週間の数字は、すべてこことの差になります。

並べてみると、今週は日米で向きが分かれた週だったことがはっきりします。先週は日米そろってプラスでしたが、今週は日本が+4.74%に対してNYダウが−0.56%。日本の4営業日ぶんの上げが、アメリカの5営業日ぶんを大きく上回りました。

ここでひとつ、混ざりやすいところを分けて書いておきます。S&P500とナスダックは週間でプラスですが、「毎日じりじり上がった」わけではありません。S&P500は5営業日のうち3日が下げで、上げたのは水曜と木曜の2日だけ。その2日の上げ幅(+20.30ptと+50.49pt)が、下げた3日の合計(−42.67pt)を上回ったので、週間ではプラスになりました。ナスダックも同じ形です。いっぽうNYダウは、木曜1日しか上げていません。上げた木曜が+69.72ドル、下げた4日の合計が−374.24ドル。だから週間ではマイナスになります。「週間でプラスかマイナスか」だけを見ていると、この中身は見えません

🇯🇵 今週の日本株(8/7金→8/14金・4営業日の集計)

日経平均株価
68,713.80
▲ 週間 +3,107.09円(+4.74%)
8/14終値 +405.21円(+0.59%)4日続伸
TOPIX
4,197.20
▲ 週間 +122.27pt(+3.00%)8日続伸
8/14終値 +21.16pt(+0.51%)終値の最高値を3日連続更新
日本国債10年利回り
2.865%
日本相互証券の値・8/13が最新
8/7→8/13で+0.08%ポイント(2.785%→2.865%)

日経平均の1週間を日ごとに追うと、4営業日とも上げた、めずらしくきれいな形でした。月曜8/10は+1,363.51円(+2.08%)で3日ぶりの反発。この日TOPIXは4,100.61ポイントまで上がり、7月6日につけた終値の最高値4,101.96ポイントに、あと1.35ポイントまで迫って届きませんでした。火曜8/11は山の日でお休み。水曜8/12は+553.84円(+0.83%)で、TOPIXは4,139.00ポイントと、7月6日の記録を37.04ポイント上回って約1カ月ぶりに終値の史上最高値を更新しました。ただしこの日の日経平均は、前場に一度マイナス圏(安値66,735.76円)まで沈んでいます。木曜8/13は+784.53円(+1.16%)金曜8/14は+405.21円(+0.59%)で、TOPIXは4,197.20ポイントと3日続けて記録を塗り替えました。

とはいえ金曜の中身は、終値の+405円からは想像しにくいものでした。始値は68,811.17円と前日終値より約500円高く始まり、寄り付き直後の9時39分に高値69,608.24円と、69,000円台をつけています。ところがそこから伸びずに、安値は68,471.15円、終値は68,713.80円終値が始値を下回っており、いわゆる陰線です。上げ幅でいえば、いちばん高いところの+1,299.65円から、+405.21円まで約900円縮めて引けたことになります。「4日続伸」という4文字だけでは、この日の後半の重さは伝わりません

日本国債10年利回りは、日本相互証券が公表している値で、いちばん新しいのが8/13の2.865%です。8/14分は、今朝の時点で確認できる公表値がなかったため、8/13を最新として載せています。先週末8/7は2.785%でしたので、8/7から8/13までで0.08%ポイントほど上がったことになります(起点も終点も同じ日本相互証券の系列でそろえています)。※金利は、どこが・いつの時点で取った値かで小さな差が出ます。財務省が公表している「国債金利情報」は作り方の違う別の系列で、私が8月12日の記事に載せた8/7分は2.804%でした。また、私が8月14日の記事に載せた8/13の2.870%は新発10年債の値(日本経済新聞「債券15時」)です。系列をまたいで引き算はできませんので、この記事では日本相互証券にそろえています。

NIKKEI 225 · 直近12営業日(7/29→8/14)
日経平均 直近12営業日チャート 2026/7/29〜2026/8/14 令和8年熊本地震の翌日にあたる7月29日の6万1,434円19銭が期間の最安値。7月31日に2,494円高、8月5日に2,342円高と2度跳ねたあと8月6日と7日は下落。8月10日から4営業日続けて上昇し、8月14日は405円高の6万8,714円で期間の高値で終えた。この12営業日では、最安値の7月29日から最終日まで7,280円、11.85%の上昇。8月11日は山の日で休場のため除外。 69,000 68,000 67,000 66,000 65,000 64,000 63,000 62,000 61,000 7/29 61,434 最安値 8/14 68,714 ★期間高値・4日続伸 7/29 7/31 8/4 8/6 8/10 8/14
※8月11日(火)は山の日で東京市場が休場のため、営業日から除いています。7月28日(火)に令和8年熊本地震が起きており、その翌日にあたる7月29日(水)がこの12営業日の最安値です。

12営業日でならべると、今週の上げがどこから来ているのかが見えます。7月29日(水)の61,434.19円が期間の最安値で、そこから8月14日(金)の68,713.80円まで、+7,279.61円(+11.85%)。半月ほどで1割強、戻したことになります。ただしまっすぐ上がったわけではありません。7月31日(金)に+2,494.59円、8月5日(水)に+2,342.91円と2度大きく跳ねたあと、8月6日(木)と7日(金)で2日続けて下げています。今週の4連騰は、その後に来たものです。

🎯 今週の3大イベント総括

※★の数は、今週の相場へのインパクトの大きさです(私の主観です)。

★★★ ①金曜の夜、アメリカで「使った金額」と「これからの気分」が同時に弱く出た

今週の主役は、先週と同じくいちばん最後に来ました。日本時間8/14(金)の21時30分、アメリカの商務省センサス局が7月の小売売上高を発表します。

結果は総額7,636億ドル、前月比−0.6%。市場予想は+0.1%だったので、プラスどころかマイナスでした(6月の実績は+0.2%)。ここで数字の読み方をひとつ。センサス局はこの−0.6%に「±0.4%」という誤差の幅を付けて公表しています。つまり本当の値は−1.0%から−0.2%のあいだで、どこを取ってもマイナスということです。いっぽう自動車を除いたベースは−0.3%(予想は+0.2%)、自動車とガソリンを除いたベースは−0.2%でしたが、こちらは誤差の幅にゼロが入っています=「減ったとまでは言い切れない」範囲です。減り方がはっきりしているのは、総額のほうでした。なお前年の同じ月と比べれば+5.0%で、こちらはプラスを保っています。

そして同じ夜、ミシガン大学の消費者態度指数(8月の速報値)が追い打ちになりました。51.0——予想は54.5〜55.0(調査機関によって差があります)、7月の確報は55.2でしたから、1カ月で4.2ポイントの低下です。※昨日の記事では予想を54.1と書きました。あれは発表前に1〜2社しか確認できていなかったときの数字で、今日は複数の集計をそろえた幅に置き直しています。どちらで比べても、51.0は予想を下回っています。※この指数は、日本の報道では「ミシガン大学消費者信頼感指数」と書かれることもあります。ただし同じ名前で呼ばれるコンファレンスボードの消費者信頼感指数(CCI)とは、調査している団体も基準の年も別の統計です。2カ月続いていた改善が途切れました。内訳はいま現在の暮らし向きが51.8(7月は54.8)、これから先の見通しが50.6(同55.4)で、先行きのほうがより大きく落ちています。

どこが大きく落ちたのか。大学の発表で下がり方が目立ったのは、景気の先行きに対する見方です(回答者に景気の先行きをたずねた項目で、短期の見方が11%、長期の見方が17%下がりました)。※この11%・17%は指数の水準ではなく、下がり幅の割合です。さきほどの現況51.8・見通し50.6という水準とは別の数字なので、混ぜないでください。そのうえで理由として大学が挙げているのが、物価によって買えるものが目減りすることへの警戒です。落ち込みは支持政党にかかわらず広がっています(ただし下げ幅には差があります)。とくに大きかったのは高齢の方・所得の低い方・大学を出ていない方で、大学はこの人たちを「物価で買えるものが目減りする影響を受けやすい層」と説明しています。落ち込み全体の背景としては、ロイターが中東情勢の緊迫による生活費の上昇への懸念を挙げています(こちらは大学の発表ではなく報道の見立てなので、分けて書いておきます)。

その警戒が数字でいちばんはっきり出ていたのが、調査を率いるジョアン・シュー所長のコメントでした。私がいちばん引っかかったのも、ここです。「これから1年で、自分の所得の伸びが物価の上昇を上回る」と答えた人が、わずか8%だったことです(2024年12月は18%でした)。あわせて、1年先の期待インフレ率は4.3%(7月は4.2%)とわずかに上がり、5〜10年先は3.3%で3カ月続けて横ばいでした。※この「3カ月続けて」は速報値どうしの比較です。8月下旬に出る8月の確報値で数字が動くことがあります。

★★★ ②日本株のひとり勝ち——TOPIXは8日続伸、終値の史上最高値を3日連続で更新

今週いちばん大きく動いたのは、じつは日本株のほうでした。TOPIXは8月4日(火)から8日続けて上昇し、8/12・8/13・8/14と3営業日続けて終値の史上最高値を塗り替えています。金曜には取引時間中の高値も4,220.31ポイントと、前日の4,185.68ポイントを上抜きました。

このうち木曜8/13と金曜8/14の上げを押したのが、週の半ばに出た2つの物価の数字です。どちらも日本時間の夜21時30分=東京の大引けのあとの発表なので、同じ日付の東京市場を動かしたわけではありません。順番はこうです。水曜8/12の夜、アメリカの7月の消費者物価指数(CPI)は総合が前年比+3.4%、コアが+2.5%で、主要な項目が事前の予想どおりに収まりました。これを受け取ったのが翌8/13の東京です。木曜8/13の夜には、7月の生産者物価指数(PPI)が前年比+4.7%——6月の+5.5%から0.8ポイント縮み、総合の前月比は0.0%と予想の+0.2%を下回っています。これを受け取ったのが8/14の東京でした。なお、8/12の最高値更新は、その夜のCPIより前についたものです物価が思ったより騒がしくなかったことで、9月の会合で利上げがあるという見方が後退しました。CME FedWatchで見た9月の会合1回ぶんの利上げ確率は、8/13の23時10分(日本時間)で34.4%でした。この2つの発表をはさんで下がってきた水準です(8/14の値はCMEの公表から取れなかったため、8/13の値を載せています。前日からの動き方は8月14日の記事に書きました)。※この種の確率は、取る日と時刻で動きます。私が8月13日の記事に載せた「48%超から約38%へ」は、8月11日の値と、8月12日11時32分(アメリカ東部時間)の値を比べたものです。どちらもCME FedWatchの数字ですが、ここに載せた34.4%とは取った日も時刻も違うので、並べて引き算しないでください。金利が上がりにくくなるという見通しは、株式には追い風です。

ここは毎回おさらいしておきたいところですが、いまのアメリカは「利下げを待っている局面」ではありません。政策金利(FF金利の誘導目標)は3.50〜3.75%で、市場が身構えているのは次に「利上げ」があるかどうかのほうです。利下げはほとんど織り込まれていません。

そして同じ木曜8/13の朝、日本では7月の国内企業物価指数が前年比+7.2%と発表されました。6月は当初+7.1%と公表されたあと+7.3%へ訂正されているので、7月は加速ではなく小幅な鈍化です。民間の予想(+7.4%)も下回りました。日米そろって「物価の勢いが少し落ちた」週——それが、日本株が買われた土台にあります。

★★ ③8/14は8月限のマイナーSQ——算出値に一度も届かない「幻のSQ」だった

金曜8/14は、8月限のSQ(特別清算指数)の算出日でした。3月・6月・9月・12月の「メジャーSQ」に対して、それ以外の月は「マイナーSQ」と呼ばれます。SQについては8月10日の記事で用語として取り上げましたので、そちらもあわせてどうぞ。

この日のSQ算出値は69,702円13銭でした。ところがこの日の日経平均の高値は69,608.24円SQ値のほうが、その日いちばん高かった値より93円89銭も上にあります。つまりザラ場では一度もSQ値に届かなかったということで、こういうときを「幻のSQ」と呼びます。終値の68,713.80円との差は988円33銭でした。

なぜこうなるかというと、SQ値は「その日の各銘柄の始値」を積み上げて計算されるからです。ここがポイントで、225の銘柄は同じ瞬間に寄り付くわけではありません。この日は寄り付きに半導体やAI関連へ買い注文が集中し、それぞれ高い始値がつきました。時間差でついた高い始値を全部足し上げると、指数がその日どの瞬間につけた値よりも高くなることがあります。それが起きたのがこの日で、日経平均そのものの高値(9時39分の69,608.24円)はSQ値に届きませんでした。市場では、この69,700円台が「戻り売りが出やすい節目」として意識されやすくなります。実際に来週そうなるかどうかは、私には分かりません。

ちなみに日経225先物(9月限)は68,690円(+430円)で、寄り付きは69,290円。前日のシカゴ市場の終値69,180円を上回って始まっています。

🇺🇸 今週の米国株(8/14金 NY終値・週間比較は8/7金起点)

NYダウ
53,732.41
▼ 週間 −0.56%(−304.52)
8/14終値 −107.58(−0.20%)反落
S&P500
7,785.76
▲ 週間 +0.36%(+28.12)
8/14終値 −13.23(−0.17%)反落
NASDAQ総合
26,729.16
▲ 週間 +0.14%(+38.54)
8/14終値 −73.87(−0.28%)反落

アメリカの1週間は、前半2日が重く、水曜と木曜で戻して、金曜にまた落ちるという形でした。月曜8/10と火曜8/11は3指数そろって下げ、水曜8/12のCPIと木曜8/13のPPIで買い戻されています(ただしNYダウだけは水曜も小幅安で、水曜まで3日続けて下げています。上げたのは木曜だけです)。木曜8/13にはS&P500が7,798.99ポイントと、終値としての史上最高値を更新しました取引時間中には7,816.70まで上げて初めて7,800台に乗せましたが、終値は7,800に1.01ポイント届いていません。「7,800台をつけた」と「7,800台で終えた」は別の話なので、昨日の記事と同じように分けて書いておきます。

ここは分けて書いておきたいところです。金曜8/14は、その最高値からの反落です。「連日で最高値を更新した」わけではありません。3指数とも金曜は下げていて、その理由が上の①に書いた小売売上高とミシガン大の2つ、そして前日に最高値をつけた直後の高値警戒(持ち高の調整)だと、複数の市況解説が共通して挙げています。

もうひとつ。「主要3指数がそろって週間プラス」ではありません。プラスなのはS&P500とナスダックだけで、NYダウは週間で−0.56%です。見出しで「S&P500が3週続伸」と読むと3指数そろってのように見えますが、ダウは入っていません。指数によって中身の銘柄が違うので、こういうズレは普通に起きます

💴 為替・金利・商品(金曜8/14 NY終値・清算値ベース)

USD/JPY(ドル円)
159.32円
8/14 NY終値(前日比 −18銭)
同日のザラ場は高値159.53円・安値158.60円
EUR/JPY(ユーロ円)
184.33円
8/14 NY終値(前日比 +45銭)
同日のザラ場は高値184.45円・安値183.60円
米国債10年利回り
4.68%
8/14終値(前日8/13は4.63%)
週間では8/7の4.65%から0.03%ポイント上昇

為替は、1週間の合計では1円56銭の円安でした。ドル円は先週末の157.76円から159.32円へ、ユーロ円は182.38円から184.33円へ1円95銭の円安です。※週の中の高値・安値は、月曜から金曜までの日次の四本値をそろえて取ることができなかったため、この記事では出していません。金曜1日ぶんのレンジだけを上のカードに載せています。

そのうえで、金曜の夜の動き方には少し説明が要ります。①に書いたとおり、この夜のアメリカは小売売上高もミシガン大の指数も弱く出ました。ふつうに考えれば「アメリカの景気が弱い→ドルが売られる」となるはずで、実際発表の直後は158.60円まで円高に振れています。ところが終値は159.32円まで戻しました。

市況解説が理由として挙げていたのは2つです。ひとつは原油の上昇。ホルムズ海峡をめぐる供給の混乱があらためて意識され、WTIが1.42%上げています。もうひとつは米10年債利回りが4.63%から4.68%へ上がったことです。景気の数字が弱かったのに、長期金利は下がるどころか上がった——ここが素直でない部分で、金利差を見る為替は、そちらに引っぱられた形になります。「弱い指標が出れば金利は下がる」とはかぎらない、という一例として覚えておくと役に立つと思います。

米10年債利回りは、先週末8/7の4.65%から4.68%へ0.03%ポイントの上昇です(米財務省の公表値。水準も変化幅も同じ財務省のデータでそろえています。※アメリカの金利も、取る時刻とソースで小さな差が出ます。私が8月14日の記事に載せた8/13の4.645%は市場のクオートです。)。
商品は、WTI原油(9月限)が8/14の清算値で1バレル82.40ドル(前日比+1.15ドル・+1.42%)。先週末8/7の清算値78.18ドル(同じ9月限)と比べると、週間で+4.22ドル・+5.40%の上昇でした。ベッセント米財務長官がイランを経済的に孤立させる措置に言及したことが供給への懸念につながった、と伝えられています。ホルムズ海峡の封鎖は今週も続いていますNY金(12月限)は8/14の清算値が1トロイオンス4,437.3ドル、前日比+16.9ドル(+0.38%)の反発です。金は週間の比較を出していません。起点にあたる8/7の清算値を同じ限月で確認できていないためです。※8月13日の記事に載せた4,467.5ドルは「12月限・8月12日の清算値」です。そこから8月13日に4,420.4ドルへ下げ、8月14日に4,437.3ドルへ戻した、という順番になります。

🕊 令和8年8月千葉豪雨と、熊本地震・阿蘇山のいま(8/15朝の時点)

🌧 令和8年8月千葉豪雨

8月13日(木)の夕方から14日(金)の未明にかけての千葉県の大雨について、気象庁は8月14日(金)14時00分に「令和8年8月千葉豪雨」と名前を定めました。あらためて、亡くなられた方に心よりお悔やみを申し上げます。

亡くなった方は8人、行方が分からない方が1人です(千葉県と警察の集計・8月14日〔金〕夜の時点)。千葉市3人・佐倉市2人・市川市1人・八千代市1人・柏市1人で、行方が分からない方は千葉市です。けがをされた方は、同じ集計で重傷2人・軽傷27人と伝えられています(消防庁の第8報では重傷1人・軽傷4人となっていますが、これも集計のタイミングの差です)。

まず、昨日の記事からの動きを書いておきます。昨日の朝の時点で県が発表していたのは亡くなった方4人・心肺停止の方1人でした。その後、同じ14日のうちに確認が進み、14日夜の時点で8人となっています。新しい災害が起きたのではなく、確認できた分が積み上がったためです。昨日の数字と今日の数字を足さないでください。

そのうえで、数字の出どころを分けて書かせてください。総務省消防庁の第8報(8月14日17時00分現在)でも、表に載っている亡くなった方は4人です。これは昨日の県の発表とたまたま同じ数字ですが、別の集計です。そして同じ報告の本文に「千葉市において死者2人(関連調査中)」が別に記されています。県の集計の8人とは食い違っていますが、これは集計のタイミングの差です(消防庁の第9報は、この記事を書いている8月15日〔土〕の朝の時点ではまだ出ていません)。足し算をしたり、少ないほうを採ったりせず、いま最も新しい県の集計を採りました

住まいの被害は少なくとも178棟(全壊1・半壊4・一部破損3・浸水170)と報じられています。特別警報は、13日19時30分から14日0時30分にかけて県内22市町に大雨の特別警報、千葉市や市原市など6市に土砂災害の特別警報が出され、14日5時15分にすべてレベル4以下へ切り替えられました。避難の呼びかけはピーク時に一時40万人を超えましたが、14日23時18分の千葉市の解除をもって、県内の避難情報はすべて解除されています

ただし終わった話ではありません。銚子地方気象台の15日5時の発表では、千葉県は昼前まで所により雨の予報で、地盤が緩んだ状態が続いています。交通では、JR外房線の誉田〜茂原と東金線の大網〜成東が15日の始発から運転を見合わせています(外房線は線路の下の砕石が流れ出しており、復旧に相当な時間がかかるとされています)。千葉東金道路の全線と、圏央道の松尾横芝〜茂原長南も通行止めで、解除の見通しは立っていません。成田空港は施設の被害はなく、最大で約7,000人だった滞留は14日9時に解消しました。千葉市中央区の蘇我変電所が浸水した影響で、14日18時20分の時点で約1万6,000戸が停電しており、電力会社は15日午後の復旧を見込んでいます。

🌋 阿蘇山の噴火警戒レベルが3へ引き上げられました

8月14日(金)15時45分、福岡管区気象台が阿蘇山の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)へ引き上げました。理由は2つ挙げられています。8月12日(水)19時ごろから火山性微動の振幅が大きくなっていること、そして当日の現地調査で火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が1日2,700トン——8月6日(木)の1,200トンから倍以上に増えていたことです。中岳第一火口からおおむね2キロの範囲で、大きな噴石と火砕流への警戒が呼びかけられています。対象は熊本県の阿蘇市・高森町・南阿蘇村で、8月15日(土)の朝の時点でもレベル3のままです。

同じ熊本県で7月に地震が起きているので、結びつけたくなるところです。この点について気象庁は「地震によって明確に火山活動が高まったことを示すデータはない。ただし、完全に否定するだけの材料もない」と説明しています。私は、どちらか一方に寄せて書くことはしません。示されているのはここまでで、それ以上のことは、いまのところ分かっていません。

なお、警戒レベルが上がったのは14日15時45分で、東京市場の取引が終わったあとです。この日の日経平均の値動きを説明するものではありません。

🕊 令和8年熊本地震(7月28日発生)のいま

7月28日(火)に起きた令和8年熊本地震について、亡くなられた方に心よりお悔やみを申し上げます。

総務省消防庁の第52報(8月14日〔金〕10時00分現在)によると、亡くなった方は39人、けがをされた方は358人(重傷27人・軽傷等331人)です。39人の内訳は、八代市20人・宇城市3人・嘉島町7人・甲佐町1人・氷川町5人の計36人に、けがの悪化などで亡くなった可能性がある方1人と、災害との関連を調査中の方2人を加えた数です。この3人はすでに39人の中に含まれているので、足し算はしないでください。避難の指示は103,922世帯・219,027人に出たままです。

住まいの被害は12,367棟となりました。昨日の記事に書いた11,796棟(第51報)から571棟増えていますが、これは新しい地震が起きたということではなく、調査が進んで確認できた分が積み上がっているためです。

来週の月曜8月17日が、ひとつの節目になります。報道によるとトヨタ自動車の田原工場が夏季休暇明けの17日から生産を再開する予定(工事の都合で一部のラインの再開は31日になる見通し)で、九州新幹線も17日から新水俣〜鹿児島中央が1日6往復から14往復へ増えます

いっぽうで、止まったままのものも書いておきます。ホンダの熊本製作所(大津町)は、8月17日以降も完成車の生産を休止し、復旧のめどが立った工程から段階的に再開すると、ホンダ自身が公表しています(8月7日更新)。埼玉製作所・鈴鹿製作所・ホンダオートボディーも8月19日まで休止の予定です。アステモの宇城工場は8月7日から一部のラインで稼働を再開しましたが、全面的な復旧のめどは立っていません。九州新幹線の熊本〜新水俣は不通のままで、8月中の全線再開は難しいとされています。半導体のJASM(菊陽町)は、8月上旬までに第1工場が復旧したと伝えられています。

🌀 台風について。8月15日(土)の朝の時点で、台風は1つも発生していません。今週の木曜から追っていた台風17号(ナンカー)は、8月14日(金)21時に熱帯低気圧に変わりました(気象庁)。この欄で「日本のはるか東を進み、接近・上陸の予報は出ていない」と書いていたとおり、日本への直接の影響はないまま終わっています。

📖 今週の経済用語

ソフトデータとハードデータ(Soft Data / Hard Data)

経済の統計は、大きく2つの種類に分けられます。ハードデータは、実際に起きたことを集計した数字です。レジを通った金額、雇われた人数、工場が作った量。今週でいえば7月の小売売上高(前月比−0.6%)がこれにあたります。もういっぽうのソフトデータは、人にアンケートで聞いた数字です。「暮らし向きは去年より良くなりましたか」「大きな買い物をするのに良い時期だと思いますか」——そう尋ねて集計したもので、ミシガン大学の消費者態度指数(8月速報 51.0)が代表格です。

この2つは、ふだんは同じ方向を向くとはかぎりません。気分が沈んでいても、実際にはお金を使っている、ということはよく起こります。逆もあります。だから8月14日の夜が目を引いたのは、「弱かったから」ではなく「2つそろって弱かったから」です。片方だけなら「気のせいかもしれない」で済ませられますが、聞いた話と使った金額が同じ向きに出ると、市場はそれを重く受け取ります。

▼ どちらがどっち?(今週の例で)
  • ハードデータ:7月の小売売上高(総額7,636億ドル・前月比−0.6%)。実際に売れた金額を集計した数字です。
  • ソフトデータ:ミシガン大学の消費者態度指数(8月速報51.0)。アンケートの回答を指数にした数字です。
  • 境目はきっちりしていません:企業に景況感を聞くISMの指数などもソフトデータに入ります。呼び分けは「実績か、聞き取りか」というくらいのゆるい区別です。
▼ 押さえておきたい3つの視点
  • 出る早さが違う:ソフトデータは聞き取ってすぐ出せるので速い代わりに、あくまで気分です。ハードデータは実績なので確かですが、集計に時間がかかります。8月14日に出たのも「8月のアンケート」と「7月の売上」でした。
  • 言うこととやることは、ずれる:「先行きが不安だ」と答えた人が、翌週には買い物をしていることもあります。ソフトデータが下がったからといって、その通りの結果が出るとはかぎりません。
  • 家計から見ると:私は、片方だけの数字で何かを判断しないことにしています。今回のように2つが同じ向きに出た日はメモしておいて、次に出る実績で答え合わせをする——それくらいの付き合い方が、私にはちょうどいいと思っています。

▶ 「ソフトデータとハードデータ」をたとえ話と図解でもっとくわしく読む(経済用語辞典)

💬 お金バイバイマンからの一言

今週の数字を並べ終えて、いちばん長く目が止まったのは、TOPIXが終値としての最高値を3日続けて更新したことでも、日経平均の+3,107円でもありませんでした。ミシガン大学の調査で、「これから1年で、自分の所得の伸びが物価の上昇を上回る」と答えた人が8%しかいなかったところです。裏を返せば、10人のうち9人以上は「上回る」とは答えていないということになります。指数の最高値と、この8%が、同じ週の同じ紙面に並んでいる。世間ではこういうとき、「株価は実体を映していない」という声も、「先を織り込んでいるのだから当然だ」という声も出ます。私はどちらにも乗らずに、この2つが同じ週に並んだという事実のほうを覚えておくことにしました。

私はというと、この8%という数字を、相場の話としてではなく、暮らしの話として読みました。アメリカの調査ですが、聞かれていることは日本でもそのまま通じます。「去年より楽になりましたか」と問われて、はいと答えられる人がどれだけいるだろうか、と。ついでに白状しておくと、4営業日で+4.74%という数字を打ち込みながら、「うまく乗った人がいるんだろうな」という気持ちが、ちらっとよぎりました。よぎっただけで、何も動かしていません。というより、1週間の上げ幅を見て増やしたり減らしたりする持ち方を、そもそもしていない——そう自分に言い聞かせて、今週も数字を見て終わりにします。

📅 来週(8/17〜8/21)の注目ポイント:まず月曜の朝に日本の4〜6月期GDP

来週の東京市場は月曜から金曜までの5営業日です。今週のような祝日はありません。

最初の山場は8/17(月)の朝8時50分、内閣府が発表する2026年4〜6月期のGDP(1次速報)です。取引が始まる前に出る数字なので、その日の東京市場は結果を受けてのスタートになります。

もうひとつ、8/19(水)のアメリカ時間14時(日本時間では8/20(木)の午前3時)に、7月28〜29日のFOMCの議事要旨が公表される予定です。今週の物価の数字で9月の利上げ確率が下がったあとなので、その会合で委員がどこまで利上げに前のめりだったのかが読めることになります。

なお、ジャクソンホール会議は来週ではありません。カンザスシティ連銀の公式サイトによると8月27日(木)〜29日(土)で、再来週です。今年のテーマは決済と金融イノベーションで、ウォーシュ議長にとっては就任後はじめてのジャクソンホールになります。

このほか日本の7月の消費者物価や、アメリカの小売企業の決算なども予定されていますが、日程を2つ以上の情報源で確認できなかったものは、ここには書いていません。詳しい日程は月曜版の「今週のマーケット予定(WEEKLY AGENDA)」であらためて整理してお届けします。なお、これらはあくまで予定であり、特定の売買を促すものではありません。

📚 参考にした情報源

本記事は、官公庁・中央銀行の公表資料(一次情報)を軸に、市場データを複数の情報源で照合して作成しています。

  • 米商務省センサス局「Advance Monthly Retail Trade Report(7月)」・ミシガン大学 Surveys of Consumers(8月速報)(一次情報)
  • 気象庁(令和8年8月千葉豪雨の命名・阿蘇山の噴火警報・台風情報)・総務省消防庁(災害の被害状況)・千葉県災害対策本部(一次情報)
  • セントルイス連銀FRED(米3指数の日次終値と週間騰落の起点)・米財務省(米国債利回り)・日本相互証券(日本国債利回り)・日本銀行(国内企業物価指数)
  • カンザスシティ連銀(ジャクソンホール会議の日程)・内閣府(GDPの公表予定)・CME FedWatch(9月会合の利上げ確率)
  • 日本経済新聞・株探・CNBC・トレーダーズウェブ・ロイター(米国株、SQ算出値、商品の清算値、為替の四本値、ミシガン大の指数低下をめぐる市況解説)

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。株価は8月14日(金)の終値、為替と米10年債利回りは同日のニューヨーク市場の終値、商品は同日の清算値で、WTI原油は9月限、NY金は12月限です。日本国債10年利回りは日本相互証券の公表値で、今朝の時点では8月13日分が最新のため、その日付を明記しています(財務省の国債金利情報とは別の系列です)。週間騰落率は8月7日(金)の終値を起点に算出しています。史上最高値はいずれも終値ベースの比較です。災害の情報は本文に記した時点のもので、続報により変わります。来週の日程は変更される場合があります。

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この記事を書いた人

「お金バイバイマンの経済ニュース」運営者。

月曜から土曜の毎朝、日経平均・米国株・為替などマーケットの動きを「なぜ動いたのか」まで追いかけて、図解つきでやさしく解説しています。"今日の経済用語"コーナーでは、ニュースに出てくる言葉を1日1語ずつ深掘り中。気づけば用語辞典は70語を超えて、いまも増え続けています。

じつは昔、SNSのキラキラした投資情報に憧れて、情報商材を買ってしまったことがあります。遠回りの末にたどり着いたのが「長期・分散・積立でコツコツ」。相場が荒れた日も、合言葉は「今日も何もしません」です。

朝の意見コラム『今朝の経済、私はこう見る』は、noteで平日の毎朝、連載しています。

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