📅 今週はFOMCと日銀が相次ぐ「ダブル中銀ウィーク」/山場は7/30(木)の一日と、7/31(金)の朝から午後に集中。アメリカがいま議論しているのは「利下げ」ではなく「利上げ」です
直近終値スナップショット(7/24金) / 📅 今週のマーケット予定(WEEKLY AGENDA) / 為替・金利・商品 / 今日の経済用語「展望レポート」 / 7/31(金)は日本の指標が朝に集中
おはようございます、お金バイバイマンです。今週は、月曜から金曜までまるまる5営業日ある週です。そして、いきなり結論から言ってしまうと、今年の夏でも指折りに予定が詰まった一週間になります。木曜7/30の未明にFOMC(米国の金融政策を決める会合)の結果が出て、同じ木曜の朝から日銀の会合が始まり、同じ木曜の夜にはアメリカのGDPと物価指標――ここまでが7/30という一日に入っています。そして、その日のアメリカ市場が閉じたあとに出るアップルとアマゾンの決算が日本に届くのが、翌7/31(金)の早朝。金曜は朝に日本の経済指標が5本まとめて出て、お昼前後に日銀の結果と「展望レポート」、15:30から植田総裁の会見と続きます。木曜の未明から金曜の午後まで、ほとんど切れ目がありません。
まず先週の到達点を押さえてから、順番に見ていきましょう。ちなみに先週の日本株は、金曜だけを切り取ると−1,811円の急落でしたが、1週間トータルでは+470円のプラスでした。同じ相場でも、切り取る長さで景色がここまで変わります。
🇯🇵 直近終値スナップショット・日本株(7/24金 終値・反落)
(財務省の確定値は7/23=2.776%。7/24分は7/27午前に公表)
先週末7/24(金)の日本株は、日経平均が−1,811.45円・−2.73%の反落で64,611.15円。前日7/23が+307円の上昇だったので、2営業日ぶりの下げです。中身を見ると、寄り付き直後の65,720円あたりがその日の高値で、そこから一日かけてずるずる下げ、ほぼ安値圏(安値64,201円)で引けたという、いちばん弱いかたちの一日でした。6万5,000円を割り込むのは4営業日ぶりです。売られた理由は、前日23日のアメリカ市場でハイテク株が急落したこと――AI向けの設備投資が大きすぎるのではないかという警戒が再び強まり、その流れが東京のAI・半導体関連にそのまま波及しました。加えて原油高と、1ドル=163円台後半という円安水準、そして国内の金利上昇という三方向のコスト圧力も重なっています。TOPIXも−42.57pt・−1.05%で、3日続伸のあとの下落(4営業日ぶりのマイナス)でした。
ただ、ここは冷静に見ておきたいところです。先週は火曜7/21に+2,091円の大幅反発があり、そこから小動きが続いて、最後の金曜に大きく下げました。差し引きすると週間では+470.03円(+0.73%)とわずかにプラスです。つまり「暴落した週」ではなく、「行って来いで、ほぼ元の位置に戻った週」というのが実態に近い。金曜の数字だけを見た人と、週足で見た人とでは、まったく違う印象を持つ一週間でした。なお日本の長期金利(10年国債の利回り)は、財務省の公表値で7/17の2.715%から7/23には2.776%まで、先週1週間でじりじり上昇しています。株が下げても金利は上がっている――この組み合わせは、今週の日銀会合を読むうえで頭に置いておきたい事実です。
※終値ベースで表記(土日・祝日は休場のため含みません。7/20は海の日で休場)。期間(7/8→7/24)は、7/15に期間高値6万8,751円をつけたあと7/16・7/17と2日続けて急落し、7/17に期間最安値6万4,141円。そこから7/21に2,091円高と大きく反発したものの、7/24に再び下げて6万4,611円で先週を終えました。チャートはおおまかな推移を示すイメージで、高値・最安値・直近終値などの主要ポイントは確定値です。
🇺🇸 直近終値スナップショット・米国株(7/24金 終値・ダウ高、ナスダック安の逆行)
アメリカの直近の取引も7/24(金)です。この日は少し変わった動きで、NYダウは上がったのに、NASDAQ総合は下がりました。方向が割れたときは、たいてい「指数の性格の違い」ではなく「中で何が起きたか」に答えがあります。この日いちばん目立ったのは、アップルの+3.53%とインテルの−7.89%でした。アップルはダウにもNASDAQにも入っている大型株で、ダウはこの上昇に引っ張られて上げています。一方のNASDAQは、インテルをはじめ半導体関連が総じて売られ、アップルの上げを打ち消してマイナスで終えました。同じ日の同じ市場でも、どの銘柄をどれだけ抱えているかで、指数の顔つきは逆になります。なおインテルは前日23日の取引終了後に出した決算が市場の予想を上回っていたにもかかわらず、24日に売られました。良い数字を出しても株価が下がる――先週から続いている「AIにこれだけお金を使って、本当に見合うのか」という市場の疑いが、まだ晴れていないことのあらわれのように見えます。
1週間で見ると、米国株は3指数そろってマイナスでした(NYダウ−0.38%、S&P500−0.61%、NASDAQ総合−2.13%)。ここが今週の入口として面白いところで、先週は「日本株は週間プラス、米国株は週間マイナス」と、日米で結果が逆になっています。ふだんは「アメリカが下がれば日本も下がる」と語られがちですが、実際には毎回そうなるわけではありません。日本には7/21に2,091円戻したという別の事情があり、アメリカにはさきほどの疑いが重しとして残り続けた。同じ世界のニュースを見ていても、市場ごとに事情が違えば結論も変わる、ということです。
📅 今週のマーケット予定(7/27〜31)
🎯 週のテーマ:FOMCと日銀が相次いで開かれる「ダブル中銀ウィーク」。山場は7/30(木)の一日と、7/31(金)の朝から午後にかけてです
私がいちばん面白いと思っているのは、日銀の「次の利上げはいつか」で、専門家の予想と市場が付けている値段がズレていることです。ブルームバーグの調査で「次の利上げは何月か」を聞くと、エコノミストの答えは12月が最多で50%、次いで10月が40%。一方、金利の取引についている値段(市場の織り込み)を見ると、「10月までに1回は利上げがある」が8割超です。片方は専門家へのアンケート、もう片方は実際にお金が動いた結果なので、そのまま並べられるものではありません。それでも、市場のほうが少しせっかちに見えるんですよね。この差が縮んでいく過程で金利や為替が動きやすくなる、というのが私の見方です。
それと、混同しやすいので先にお伝えしておくと、ADP雇用統計・ISM景況指数・米雇用統計は今週ではありません(ISMが8/3、ADPが8/5、雇用統計が8/7の予定)。カレンダーを見ていると「月末だから雇用統計」と思いがちですが、今回は来週に持ち越しです。なお、ここに書いたのはあくまで公表予定であって、特定の売買をおすすめするものではありません。
💴 為替・金利・商品(7/24金 ニューヨーク終値ベース)
終日高値(東京時間含む)163.94円
高い水準が続いています
為替は7/24のニューヨーク市場で、ドル円が1ドル=163.83円、ユーロ円が1ユーロ=186.27円で引けました。ドル円はこの日、一日を通しての高値が163.94円(ニューヨーク市場だけで見れば163.88円)で、そこから押し戻されての着地。前日比では3銭安とほぼ変わらずです(為替は動きが速いので、この記事では7/24の終値を使っています)。米国債10年の利回りは4.68%。この日は前日比−3bpと小幅に低下しましたが、水準としてはここ数年でも高いままです。アメリカの政策金利(FF金利)はいま年3.50〜3.75%で、昨年12月の利下げを最後に、直近は4会合連続で据え置きが続いています。今週の会合は、その次にあたる5回目の会合です。下げるどころか次に動かすとしたら上げる方向という話になっていること――それが、さきほどの10年利回り4.68%という高止まりの背景にあります。長期金利に話を戻すと、日本の10年国債も2.7%台後半まで上がってきているので、いまは日米そろって金利が高い局面――しかも日本のほうは、まだ上がっている途中です。「日米の金利差が広がって円安」という説明を目にする機会が多いと思いますが、日本の金利が上がっている一方で、米国の金利は7/24に小幅低下しています。それでも163円台後半という円安水準が続いている――金利差だけでは説明しきれない動きになっている点は、押さえておきたいところです。
商品市況では、原油(WTI原油先物の9月限=9月に受け渡しされる分)が7/24に89.31ドル・−3.12%と反落しました。ただこれは、前日7/23に約6%も急騰した反動に加えて、米国とイランの協議再開への期待が伝わったことが重なった下げです。それでも同じ9月限どうしで比べれば、1週間で約9%の上昇です(7/17の81.77ドル→7/24の89.31ドル)。ニュースで見かける「約8%高」は、7/21に取引が終わったWTIの8月限を起点にした数字で、比べているモノが少し違います。もう少し視野を広げると――こちらは限月をまたぐのでざっくりした水準の比較になりますが――7月の初めには68〜69ドル台だったものが、7/23には92ドル台まで駆け上がりました。背景にあるのは、ホルムズ海峡をめぐる米国とイランの対立です。ここは世界の石油の相当な量が通る海の要所で、通れなくなるかもしれないという不安が、そのまま値段に出ます。イラン側が封鎖を宣言した状態が続いているとの見方に加えて、先週は紅海でサウジアラビアのタンカー2隻が攻撃されました。紅海はホルムズ海峡を通らずに石油を運ぶ迂回ルートにあたるため、逃げ道のほうまで危うくなった格好です。NY金は8月限(金は原油と満期の時期が違い、こちらはまだ取引が続いています)が4,070.80ドル・+0.51%でした。正直に言うと、私が今週いちばん気にしているのは株価ではなく、この原油です。ガソリンも電気代も、時間差で家計に効いてくるうえ、原油高は物価を押し上げて中央銀行の判断まで動かしかねません。今週のFOMCと日銀を難しくしているのも、結局はここだろうと思っています。
※原油は週明けも大きく動いています。日本時間7/27(月)朝8時の時点で、WTI 9月限は84ドル台半ば(7/24の清算値89.31ドルから5%あまり安)で推移しています。7/25以降、米国とイランが互いへの軍事攻撃を2日連続で見送ったと伝わり、地政学リスクへの警戒がいくぶん和らいだとの見方が出ています(本文で触れたホルムズ海峡の封鎖そのものが解けた、という話ではありません)。ただし週明け直後は取引が薄く、値が振れやすい時間帯です。本文は7/24(金)の終値ベースで書いていますので、今週の出発点としてはこの下落もあわせてご覧ください。週末をはさんでこれだけ動くこと自体が、いまの原油の振れやすさを示しています。
展望レポート(てんぼうレポート/経済・物価情勢の展望)
展望レポートとは、日銀が「これから景気と物価はこうなりそうです」という見通しをまとめて公表する資料のことです。正式名称は「経済・物価情勢の展望」。年8回ある金融政策決定会合のうち、1月・4月・7月・10月の年4回だけ公表され、今週の会合(7/30〜31)がその回にあたります(公表は7/31(金))。中身の柱は、政策委員(9人)が示す実質GDP成長率と消費者物価(生鮮食品を除く)の見通しで、今年度・来年度・再来年度の数字が並びます。金利を動かすかどうかと同じか、時にはそれ以上に相場が反応するのは、ここに「日銀が次にどう動くつもりか」のヒントが表れるからです。
- 展望レポートとは:日銀が年4回(1・4・7・10月)出す景気と物価の見通し。政策委員9人の予想の中央値と幅、そして「上振れ・下振れどちらのリスクが大きいか」の評価が示されます。
- なぜ重要:今回は政策金利の据え置きがほぼ確実と見られているぶん、市場の関心は完全にこちらへ移っています。日銀は6月16日にすでに0.25%の利上げを決めて政策金利は1.0%(約31年ぶりの高さ)。ここで物価の見通しを引き上げれば「次の利上げも近い」と読まれ、金利や為替が動きやすくなります。原油高と円安が続いているので、上方修正があるかどうかが今回の焦点です。
- 家計目線:見通しが上がる=物価が思ったより下がらない、という話なので、住宅ローンの変動金利や預金金利にも、いずれ順番に効いてきます。とはいえ、私は公表の瞬間に何かを判断しようとは思っていません。もともと年4回しか出ない資料です。週末にでも落ち着いて見出しを眺めて、「日銀は物価をどう見ているのか」を確かめる――そのくらいの付き合い方をしています。
今週の予定表を作りながら、正直「よくもまあ、木曜から金曜にかけて全部詰め込んだな」と思いました。未明にFOMC、朝から日銀、夜にアメリカのGDPと物価。そのまま寝て起きたら、金曜の朝にはアップルとアマゾンの決算が届いています。ニュースサイトは1日じゅう速報で埋まるでしょうし、翌朝には「◯◯ショック」みたいな見出しが並ぶかもしれません。
ただ、こうして予定を整理していて改めて思ったのは、予定を知っておく意味は「先回りして動くため」ではなく、むしろ「動かされないため」だということです。何が来るか分かっていないと、木曜の夜に飛び込んできた見出しに驚いて、その勢いで判断してしまいます。逆に「今日はFOMCとGDPが重なる日だ」と分かっていれば、値段が大きく動いても「予定どおり動いたな」で済ませられる。同じ出来事でも、心の揺れ方がずいぶん違います。
世の中には、こういう中央銀行ウィークに合わせて機敏に立ち回る方もいて、それはそれで一つの立派なやり方だと思います。ただ私は、そこで勝負しようとするとたいてい判断の質が落ちるタイプなので、今週も自分の持ち場は変えないつもりです。強いて言えば、原油高が続いているぶん、ガソリンと電気代の請求書だけは意識して見ておこうかな、と。相場より、そちらのほうが確実に我が家に届きますから。今週もよろしくお願いします。
📊 直近終値の総括と、今週の入口
本記事の数値・統計・イベント日程は、以下の公式・準公式ソースを2つ以上で照合して作成しています。
- 日本取引所グループ(JPX)・日経マーケットデータ(日経平均・TOPIX 終値)
- 財務省「国債金利情報」(日本国債10年利回り)・総務省統計局(消費者物価指数)
- 米セントルイス連銀 FRED(S&P500・NYダウ・NASDAQ総合の終値と週間騰落)
- 日本銀行(金融政策決定会合の日程・展望レポート公表回)・米連邦準備制度理事会(FRB/FOMC日程)
- CME FedWatch(利上げ確率・7月15日/22日/23日時点)・ブルームバーグ(日銀エコノミスト調査)
- CME/NYMEX(WTI原油先物の限月別の清算値)
- 日本経済新聞(電子版)・ロイター・CNBC・トレーダーズ・ウェブ(為替のニューヨーク終値)
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。株価・為替・金利・商品は「7/24(金)終値ベース」等の値を含み、執筆後に変動する場合があります。利上げ確率は算出時点によって大きく変動します(本文中の数値はCME FedWatchの7月15日・22日・23日時点のものです。予測市場の数字とは水準が異なるため、混在させていません)。日本国債10年利回りは、財務省の確定値の公表が翌営業日の午前9時30分ごろであるため、執筆時点では7/23分までしか出ていません。7/24分は本日7/27(月)の午前中に公表される予定です(本記事では市場の引け値をもとに幅で表記しています)。為替の終値は情報源により数銭の差が出ることがあります。本記事では、複数の情報源で一致した7/24ニューヨーク市場の終値を採用しています。今週の経済指標・決算・会合の日程および発表時刻は、各発表機関・企業の都合により変更される場合があります。


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