📅 円は介入で下げた分の半分を戻して160円台、今週は米雇用統計

2026年8月31日(月)のお金バイバイマン経済ニュース(WEEKLY AGENDA)のアイキャッチ画像。8月28日に財務省が公表した7月30日から8月26日までの円買いドル売り介入は総額15兆3,993億円で、ひと月ぶんとして過去最大。介入直前の162円80銭から7月31日のニューヨーク終値157円40銭まで5円40銭押し戻したうち、8月28日のニューヨーク終値160円09銭までで2円69銭、およそ50%が戻った計算になる。8月31日から9月1日にかけて米ノースカロライナ州でG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれ、片山財務相とベッセント米財務長官が為替を協議する方針。週の山場は9月4日の米雇用統計。8月28日のNY金先物9月限は157ドル59セント安の4,506ドル41セントで3.38%の下落。今日の経済用語は「口先介入」。
DAILY MARKET NOTE · 2026.08.31(月)

📅 円は介入で下げた分の半分を戻して160円台、今週は米雇用統計

📅 今週のマーケット予定(8/31〜9/4)/7月末の介入は総額15兆3,993億円で月次の過去最大/押し戻した5円40銭のうち、いくら戻ったか計算しました/今日から米国でG20、日米の財務トップが為替を協議/今日の経済用語は「口先介入」

ドル円 160円台 介入額 15兆3,993億円 金曜に米雇用統計 NY金 −3.38%

おはようございます、お金バイバイマンです。先週金曜の夜、ジャクソンホールでウォーシュFRB議長が就任後はじめての講演をしました。同じ夜に複数の当局者が話しており、そのあと円は一時1ドル=160円20銭まで下がっています。7月末の協調介入のあと、はじめての160円台です。

同じ8月28日、財務省が介入の実績額を公表しました。7月30日から8月26日までの円買いドル売りが、総額15兆3,993億円。ひと月ぶんとして過去最大です。これだけ使って押し戻した円安が、いまどこまで戻っているのか。引き算してから、今週の予定に入ります。

🔁 15兆円で押し戻した5円40銭のうち、半分が戻りました

使う数字は3つ。①介入直前の162円80銭(7月30日22時30分すぎ)、②7月31日のNY終値157円40銭、③8月28日のNY終値160円09銭。①②はこの記事の8月1日号、③はDZH配信です。

ひとつ断りを。見出しでよく見る「160円20銭」は高値であって終値ではありません。DZHは終値160円09銭・高値160円20銭と書き分け、日本経済新聞も共同通信も「一時」です。高値で計算すると、戻った幅が実際より大きく出ます。

介入額(7/30〜8/26)
15兆3,993億円
ひと月ぶんで過去最大(財務省)
押し戻した幅
5円40銭
162円80銭 → 157円40銭
ひと月で戻ったぶん
2円69銭
157円40銭 → 160円09銭。約50%

引き算します。162円80銭−157円40銭=5円40銭が押し戻された幅。160円09銭−157円40銭=2円69銭が戻ったぶん。2円69銭÷5円40銭=0.498…、およそ50%。介入前まではあと2円71銭で、こちらも約50%。ちょうど半分の地点です。

もうひとつ割ります。15兆3,993億円 ÷ 5円40銭=1円あたり約2兆8,500億円。戻った2円69銭は約7兆6,700億円ぶんです。相場は介入だけで動くものではないので目安ですが、介入は流れを止められても向きまでは変えられないことはよく出ています。①だけが取引時間中の水準です。

だから、8月29日4時14分のベッセント米財務長官の「円相場が無秩序な動きとなれば、世界の市場を不安定化させる」に、今週は意味が出てきます。お金を出す前の、言葉だけの牽制。今日の経済用語はこれにします。

WEEKLY AGENDA

📅 今週のマーケット予定(8/31〜9/4)

🎯 週のテーマ:9月16日の利上げの有無を、今週の米国の数字が決めます

★★ 注目8/31(月)〜9/1(火)
🌐 G20財務相・中央銀行総裁会議(米アッシュビル)/8:50 🇯🇵 7月の鉱工業生産/10:30 🇨🇳 8月の製造業PMI
これに合わせて片山財務相とベッセント米財務長官が会談し、協調介入の効果など為替を協議する方針です(共同通信)
★★ 注目9/1(火)
23:00 🇺🇸 8月のISM製造業景況指数/23:00 🇺🇸 7月のJOLTS求人件数/18:00 🇪🇺 8月の消費者物価指数(速報値)
企業の求人数です
★★ 注目9/2(水)
10:30 🇯🇵 高田日銀審議委員の挨拶(札幌・記者会見は翌3日)/21:15 🇺🇸 8月のADP雇用統計/22:45 🇨🇦 カナダ銀行の政策金利(予想2.25%)/🇺🇸 ベージュブック
高田委員の予定は日本銀行の公表予定より
★★ 注目9/3(木)
23:00 🇺🇸 8月のISM非製造業景況指数(予想54.3・前回54.1)/🇺🇸 ウォラーFRB理事の発言
景気の体温に近いのはこちら
★★★ 最重要9/4(金)
21:30 🇺🇸 8月の雇用統計(雇用者数の予想+5.5万人・前回−2.3万人/失業率の予想4.1%・前回4.1%)/21:30 🇨🇦 カナダの雇用統計
前回がマイナスなので反動で強く出やすい、との見方(フィスコ)

💡 お金バイバイマンの着眼点:今週の数字が強いほど「9月に利上げ」が固まり、ドルが買われて円は安くなります。すると円安と介入警戒が同時に強まる——そこへ今日からのG20で日米の財務トップが顔を合わせます。金曜21時30分の1本で景色が変わりえます。

🇯🇵 日本株式市場(8/28金 終値)

日経平均株価
66,405.56
+273.58円(+0.41%)反発
TOPIX
4,146.71
+29.49(+0.72%)7日続伸
新発10年国債利回り
2.925%
前日比+0.035%(共同通信・終値)

日本の長期金利は先週金曜に2.925%(383回債)、日中は一時2.930%。米国の利上げ観測は円安に、日本の金利上昇は円高に働きます。反対向きの材料が同じ週に立っている形です。

NIKKEI 225 · 直近12営業日(8/13→8/28)
日経平均 直近12営業日チャート 2026/8/13〜2026/8/28 8月17日に6万9,220円25銭の期間高値をつけたあと、8月18日・19日の2日で約3,894円下げ、8月19日に期間最安値6万5,326円42銭。その後の7営業日は6万5,528円から6万6,406円という約878円のせまい幅にとどまり、8月28日の終値は6万6,405円56銭。起点の8月13日6万8,308円59銭は、まだ1,903円上にある。 70,000 69,000 68,000 67,000 66,000 65,000 8/17 69,220 期間高値 8/19 65,326 最安値 ★8/28 66,406 横ばい圏 8/13 8/17 8/19 8/21 8/25 8/28

🇺🇸 米国株式市場(8/28金 NY終値・3指数そろって小幅安)

NYダウ
53,559.99
−9.45ドル(−0.02%)小反落
S&P500
7,711.48
−19.51(−0.25%)
ナスダック総合
26,402.42
−138.93(−0.52%)反落

💴 金利・商品(8/28・金は1日で3.38%安)

米10年債利回り(8/28 NY引け)
4.728%
前日比+0.050%
NY金先物(9月限・清算値)
4,506.41ドル
−157.59ドル(−3.38%)
WTI原油(10月限・清算値)
83.34ドル
−0.19ドル(−0.23%)

株がほとんど動かなかった金曜、いちばん動いたのは金でした。金は持っていても利息がつきませんから、利上げで債券の利回りが上がるほど分が悪くなります。原油はフィスコの清算値で、日本経済新聞は10月物83.40ドルです。

📖 今日の経済用語(辞典110語目)

口先介入(くちさきかいにゅう/Verbal Intervention)

お金を使わずに発言だけで為替を牽制することです。「無秩序な動きは望ましくない」といった言い回しが典型で、「本当に介入されるかも」と思わせるのが狙い。29日のベッセント米財務長官の発言もこの形です。

▼ 押さえておきたい3つの視点
  • お金は動いていない:「実弾」の介入と別物で、財務省の実績額にも載りません
  • 効き目は言葉の強さ次第:「注視」より「断固たる措置」が強いと読まれます
  • 空振りが続くと効かない:言うだけの期間が長いほど割り引かれます

▶ もっとくわしく:口先介入とは?お金を使わない為替の牽制をやさしく図解

🕊 いまも続いている出来事(続報)

  • 石川・富山の大雨/石川県の第7報(8月30日14時00分現在)で、8月30日12時に全ての地区で孤立が解消。県内の人的被害は負傷者3人(いずれも軽傷)、住家被害は一部破損120棟・床下浸水60棟の計180棟(羽咋市の床上浸水は調査中)、避難所は4か所に23人。富山県をふくむ数字は、8月29日の記事に載せた両県20河川の氾濫・21市町の避難所開設(毎日新聞)が最新で、以降の更新は確認できていません
  • 熊本地震は消防庁 第61報(8月25日10時現在)で38人、千葉豪雨は第17報で13人。以降の更新は確認できていません。阿蘇山は噴火警戒レベル3が継続中

📊 今週の見どころ

週のテーマ
9月の利上げ
FOMCは9月15〜16日
円の位置
約50%戻し
押し戻した5円40銭のうち2円69銭
週の山場
9/4 21:30
米雇用統計・予想+5.5万人
お金バイバイマンの一言

「介入で円高になった」というニュースを、ひと月後まで見届ける人は多くありません。今朝それを引き算したら、ちょうど半分が埋まっていました。世の中には「15兆円も使って無駄だ」と言う人も「時間を買えたのだから成功だ」と言う人もいて、どちらにも根拠があります。私が思うのはそのどちらでもなく、50%を自分で出せたことのほうが大きい。誰かの評価を借りずに済むからです。

📚 参考にした一次情報源

官公庁などの一次資料はそれ自体を出所とし、ほかは原則2つ以上で照合。1つでしか確認できなかったもの=NY金の清算値、日米財務相の会談方針。162円80銭と157円40銭はこの記事の8月1日号の数字、8月28日の終値と高値は3系統で突き合わせました。

  • 株・金利・商品=日本経済新聞/共同通信/Investing.com/フィスコ
  • 為替と介入=財務省/DZH/日本経済新聞/共同通信/時事通信/Bloomberg
  • 今週の予定=日本銀行「公表予定」/ジェトロ/共同通信/ザイFX/フィスコ
  • 災害=石川県 第7報(8月30日14時00分現在)/総務省消防庁

※この記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。株価・金利・商品は8月28日(金)の値、ドル円は同日のニューヨーク市場の終値です。今週の予定は発表時刻や予想値が変わることがあり、災害の情報は続報により変わります。数値は執筆時点のものです。

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この記事を書いた人

「お金バイバイマンの経済ニュース」運営者。

月曜から土曜の毎朝、日経平均・米国株・為替などマーケットの動きを「なぜ動いたのか」まで追いかけて、図解つきでやさしく解説しています。"今日の経済用語"コーナーでは、ニュースに出てくる言葉を1日1語ずつ深掘り中。気づけば用語辞典は100語を超えて、いまも増え続けています。

じつは昔、SNSのキラキラした投資情報に憧れて、情報商材を買ってしまったことがあります。遠回りの末にたどり着いたのが「長期・分散・積立でコツコツ」。相場が荒れた日も、合言葉は「今日も何もしません」です。

朝の意見コラム『今朝の経済、私はこう見る』は、noteで平日の毎朝、連載しています。

好きなものは、お酒・サウナ・食べ歩き。経済ニュースも、それくらい気軽な習慣にしてもらえたら嬉しいです📈

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