7月27日の日経平均終値は64,931円・320円高で反発|でもTOPIXはその3倍近い+1.37%/原油7.5%安で中東の重しは少しだけ軽くなり、売りが集中したのは株価の高い一部の銘柄だった一日

2026年7月27日の東京市場で日経平均株価が320円高の6万4,931円と反発した一方、TOPIXはその3倍近い1.37%高となったことを伝える、お金バイバイマン経済ニュースのアイキャッチ画像。
DAILY MARKET NOTE · 2026.07.28(火)

📈 7月27日の日経平均終値は64,931円・320円高で反発|でもTOPIXはその3倍近い+1.37%/原油7.5%安で中東の重しは少しだけ軽くなり、売りが集中したのは株価の高い一部の銘柄だった一日

📅 日本株・米国株・為替・金利・商品 / 今日の経済用語「時価総額加重平均型」 / 今夜からFOMC、木・金は日銀

#日経反発 #TOPIXのほうが強い #原油7.5%安 #ダブル中銀ウィーク

おはようございます、お金バイバイマンです。昨日7/27(月)の東京市場は、日経平均が+320.04円(+0.50%)の反発で、終値は64,931.19円でした。前週末24日に1,811円安と急落したあとなので、いったん下げ止まった形です。ただ、この日いちばん目を引いたのは上げ幅そのものではありません。同じ日にTOPIXは+1.37%と、日経平均の3倍近い上昇率だったのです。東証プライムでは値上がりした銘柄が1,397に対し、値下がりは139。値上がりが値下がりの10倍で、東証33業種のうち29業種が上がっています。それなのに日経平均だけが+0.50%どまりだった。理由は、下げた少数派のなかに、日経平均への影響が特別に大きい「株価の高い銘柄」が並んでいたことです。今日の経済用語は、この差を生む2つの計算方法のうち、TOPIX側の考え方にあたる「時価総額加重平均型」を選びました。順番に見ていきます。

🇯🇵 日本株式市場(7/27月 終値・ほぼ全面高なのに日経だけ伸び悩む)

日経平均株価
64,931.19
▲ +320.04円(+0.50%)反発
TOPIX
4,066.07
▲ +54.76pt(+1.37%)日経の3倍近い上昇率
日本国債10年利回り
2.780%
▼ 前営業日比 −0.035%(7/27 15時時点)
金利低下=株の下支え/財務省の確定値は7/24分(2.815%)まで

一日の流れを追うと、意外に揺れた一日でした。始値は65,164.98円と前週末終値より約554円高く始まり、朝のうちに高値65,220.69円(前週末比+609.54円)をつけています。ところがその後は売りに押され、安値は64,123.40円まで沈みました。前週末終値を約488円下回る水準です。つまり日中に一度、プラス圏からマイナス圏へ落ちています。そこから引けにかけて買い戻され、終値は64,931.19円。「朝高 → 一度マイナス圏 → 引けにかけて戻す」という値動きでした。売買代金は9兆3,556億円で、薄商いではありません。国内の長期金利のほうは少し落ち着いています。日本国債10年の利回りは7/27の15時時点で2.780%と、前営業日から0.035%の低下。今週末に日銀の会合を控えるなかで、金利がひとまず上がらずに済んだことも、株の下支えになりました。

中身を見ると、日経平均を押し上げた銘柄と押し下げた銘柄が、はっきり分かれています。株探が集計した日経平均へのプラス寄与の上位5銘柄(ファーストリテイリング、リクルートホールディングス、コナミグループ、バンダイナムコホールディングス、京セラ)を足すと、押し上げは約237円分。いっぽうマイナス寄与の上位5銘柄(アドバンテスト、ソフトバンクグループ、信越化学工業、中外製薬、フジクラ)の押し下げは約477円分にのぼりました。下げた5社の顔ぶれは、大きく2種類です。アドバンテスト・フジクラ・ソフトバンクグループといったAI・半導体関連には、前週末24日のアメリカで半導体株指数(SOX)が4%あまり下げたことが響いたとみられます。いっぽう信越化学工業と中外製薬が下げたのは、自社の決算が理由です。信越化学工業は前週末の取引終了後に出した今期の利益計画が市場の予想に届かず約8%安、中外製薬も4〜6月期が市場予想をやや下回って約7%安でした。共通しているのはどれも1株の値段が高い銘柄だという点です。もっとも、押し上げ側の筆頭にいるファーストリテイリングも日経平均で最も株価の高い銘柄ですから、株価の高い銘柄がすべて売られたわけではありません。売られた側にそれが集中したのが昨日でした。上位5どうしを差し引きすると、この10銘柄だけでは日経平均は240円ほどマイナス。それでも指数が+320円で終わったということは、残る215銘柄で差し引き560円ほど押し上げた計算になります。

NIKKEI 225 · 直近12営業日(7/9→7/27)
日経平均 直近12営業日チャート 2026/7/9〜2026/7/27 7月15日の6万8,751円を期間高値、7月17日の6万4,141円を期間最安値として大きく変動。7月21日に2,091円高と急反発したあと再び水準を切り下げ、7月24日の1,811円安を経て、7月27日は320円高の6万4,931円と小幅に反発した。期間の始点7月9日と比べると水準は約2,800円低い。 69,000 68,000 67,000 66,000 65,000 64,000 63,000 7/15 68,751 期間高値 7/17 64,141 最安値 7/27 64,931 ★+0.50% 7/9 7/13 7/15 7/17 7/22 7/27

※終値ベースで表記(土日・祝日は休場のため含みません。7/20は海の日で休場のためデータがありません)。期間(7/9→7/27)では、7/15の6万8,751円が期間高値、7/17の6万4,141円が期間最安値です。折れ線を赤にしているのは、この12営業日を通してみると水準が約2,800円切り下がっているためで、昨日1日の方向(反発)とは別の話です。日経平均は6/25につけた終値の最高値7万2,366円から約10%下の水準にあります。各営業日の終値は複数の情報源で照合した確定値です。

📌 注目ポイント:日経+0.50%とTOPIX+1.37%、どちらも「昨日の相場」だった話

TOPIX +1.37%
29/33業種高
値上がり1,397 : 値下がり139
数のうえでは、ほぼ全面高
日経平均 +0.50%
株価の高い銘柄
マイナス寄与の上位5銘柄で
約477円分の押し下げ
差が出た理由
計算方法
「何を重く数えるか」が違う
だから答えも変わる

「日経平均は0.5%高」と「TOPIXは1.4%高」。同じ東京市場の同じ一日について、ニュースによって印象がずいぶん変わる書き方ができてしまいます。どちらかが間違っているわけではありません。2つの指数は、そもそも計算のしかたが違うのです。ざっくり言えば、TOPIXは「会社の規模(時価総額)が大きいほど重く数える」のに対し、日経平均は「株価が高い銘柄ほど重く数える」。だから、株価の高い銘柄がまとまって下げた昨日のような日は、日経平均のほうが伸びにくくなります。

実際に昨日下げた業種は、非鉄金属・鉱業・化学・石油石炭の4つだけでした。このうち鉱業と石油石炭は、後述する原油安の観測が直撃した業種です。いっぽう非鉄金属と化学が下げたのは、原油とは別の事情です。非鉄金属にはAI・データセンター関連として買われてきたフジクラ、化学には前週末の決算が嫌気された信越化学工業が含まれています。下げた理由はひとつではありません。それでも残る29業種は上がっている。つまり「相場全体としては買われた日」であり、同時に「日経平均の看板銘柄は売られた日」でもあった——この二つは矛盾しません。指数の数字が食い違うときは、どちらを信じるかを選ぶのではなく、それぞれが何を測っているのかを知っておくほうが、ずっと役に立ちます。ちなみに日経平均とTOPIXの力関係は「NT倍率」という数字で見ます。昨日のようにTOPIXが勝った日には、この倍率が下がります(64,931.19÷4,066.07で、前営業日の16.11から15.97へ低下しました)。今年7月6日にも、昨日とよく似た「日経は伸びずTOPIXだけ上がる」日がありました。記事の後半で、この計算方法の違いをもう少し詳しく説明します。

🇺🇸 米国株式市場(7/27月 終値・ダウは1週間ぶり高値、ナスダックは4日続落)

NYダウ
52,210.08
▲ +262.83ドル(+0.51%)続伸
S&P500
7,413.18
▲ +1.20pt(+0.02%)ほぼ横ばい
ナスダック総合
24,932.08
▼ −43.74pt(−0.18%)4日続落

アメリカも、昨日の東京とよく似た形になりました。NYダウは+0.51%で続伸し、1週間ぶりの高値。いっぽうナスダック総合は−0.18%で4営業日続けての下落で、ハイテク大型株だけを集めたナスダック100(総合とは別の指数です)は、約2カ月半ぶりの安値まで沈んでいます。S&P500は+0.02%とほぼ横ばい。同じ市場で「1週間ぶり高値」と「2カ月半ぶり安値」が同居しているわけです。

売られたのは半導体でしたが、その理由は3つに分かれます。まず直撃を受けたのが、半導体を「作る機械」を売っている製造装置メーカーです。きっかけは、中国の国家系企業が、半導体づくりに欠かせないDUV(液浸)露光装置の国産機の量産を、中国で初めて始めたと報じられたこと。年内に約5台、2027年には約20台を出荷する計画で、納入先にはSMICや華虹、CXMTといった中国の半導体メーカーが挙がっています。この分野はオランダのASMLがほぼ独占してきただけに、影響は大きく受け止められました。ASMLはアムステルダム市場で8.5%安(取引時間中には一時9%を超えて下げました)、米国に上場しているADRも5.8%安。アプライドマテリアルズ、ラムリサーチ、KLAといった同業も軒並み下げています。ただ、今回つくられたのはいま量産の主力になっている世代の装置です。いちばん細かい回路を焼き付ける「EUV」という上の世代の装置のほうは、いまも中国は作れていません。

いっぽうエヌビディアの4.99%安(196.51ドル)は、別の材料でした。週末にかけてAI関連への出資・提携の発表が相次ぎ(新興のSSIへの50億ドル出資、SKグループとの巨額の協業など)、「エヌビディアが出資した先が、そのお金でエヌビディアの製品を買う」という循環的な構図への警戒が広がったためです。売り手が買い手にお金を出しているなら、その需要はどこまで本物なのか——という疑問ですね。さらにサンディスクは11%安。こちらは、先ほど装置の納入先として名前の挙がった中国のメモリ大手CXMTが上海市場に上場し、初日に5倍を超える値段(上昇率466%)がついたことが響きました。中国のメモリメーカーが多額の資金を手にして生産を増やせば、メモリの値段が下がりかねない。そう受け止められた形です。ひとくちに「半導体安」といっても、中身は装置・AI投資・メモリの3つに分かれていたわけです。

反対に買われたのはソフトウエアで、セールスフォースは6%超上げてダウ構成銘柄の上昇率トップ。マイクロソフトも1%超上げています。さらに原油が7.5%も下げたことで、燃料費が下がる航空会社やクルーズ会社が買われ、逆に石油会社は売られました。原油安をきっかけに、買われる業種と売られる業種が入れ替わった——この点は東京とよく似た構図です。ただし東京で下げた業種は資源・エネルギー関連が中心で、半導体を含む電気機器は業種としては上がっていました。アドバンテストやフジクラのように前週末のSOX安を受けて下げた個別銘柄はありましたが、業種全体を押し下げるまでには至っていません。時間の順番も東京が先で、東京の半導体株の下げが引き継いだのは前週末24日のアメリカの半導体株安のほうです。先ほどのDUVの報道が材料になったのは、東京が引けたあとの米国市場からでした。

ここでひとつ、あとで出てくる話とつながる補足を。NYダウは、実は日経平均と同じ「株価の高い銘柄ほど重い」計算方法の指数です。ところが昨日、アメリカではそのダウが3指数のなかでいちばん強く、会社の規模で重みを決めるS&P500(+0.02%)やナスダック総合(−0.18%)を上回りました。日本はその逆で、同じ計算方法の日経平均(+0.50%)が、規模で重みを決めるTOPIX(+1.37%)に大きく負けています。同じ計算方法どうしなのに、日米で結果が反対になったわけです。理由は、その指数に何が入っていて、その日どれが動いたかが違うから。ダウを押し上げたのはセールスフォースの6%超の上昇などで、半導体の下げを補って余りありました。指数の差は「計算方法」だけでなく、「そこに何が入っているか」でも生まれます

🛢️ 原油が1日で7.5%安:中東の「重し」が少しだけ軽くなった

WTI原油(9月限・清算値)
82.61ドル
▼ −6.70ドル(−7.50%)大幅安
NY金(8月限・清算値)
4,077.0ドル
▲ +6.2ドル(+0.15%)続伸
きっかけ
攻撃の見送り
米・イランがともに
攻撃を控える動き

昨日いちばん大きく動いたのは、株ではなく原油でした。WTI原油の9月限(=9月に受け渡しされる分)は1バレル82.61ドルで清算され、前営業日から6.70ドル安・7.5%の急落。ブレント原油の9月限も8.7%安の1バレル88.36ドルで清算されました。この清算値が確定するのは日本時間の今朝未明ですが、「中東の緊張が和らいで原油は下がる」という見方は東京市場が開いている時間帯から広がっていました。昨日の東京で資源・エネルギー関連が売られ、その他の業種が買われたのは、そのためです。理由は中東情勢にあります。7/25に米ニュースサイトのアクシオスが「トランプ大統領は24日、イランへの新たな攻撃を行わないよう米軍に命じた」と第一報を伝え、同じ25日にニューヨーク・タイムズも「大規模な軍事作戦を当面見送る方針」と報じました。続いて26日には、イラン側の高官が「アメリカの攻撃停止が続くあいだは、イランも攻撃を控える」と述べたと伝わっています。米国はこれで3日続けてイランへの空爆を見送っています。ここ数週間、原油価格には「中東で供給が止まるかもしれない」という不安の分が上乗せされていました。その上乗せが、いっぺんに剥がれ落ちたわけです。

ただし、問題が解決したわけではありません。ホルムズ海峡は戦闘の影響で事実上ふさがった状態が続いており、アメリカはペルシャ湾でイラン産原油の海上封鎖を維持しています。イエメンの武装組織フーシは土曜日にサウジアラビアの石油関連施設を攻撃したと主張しました。また7/27夜にはトランプ大統領が「イラン側から会談の要請があった」と語りましたが、イラン側は米国との対話を行っていないとしており、報道が食い違っています。つまり昨日の原油安は「戦争が終わったから」ではなく、「今日明日に爆撃はなさそうだ」という程度の安心で起きた下げです。安心の材料が薄いぶん、また戻る可能性もある——そう見ておいたほうが公平だと思います。なお金(ゴールド)は8月限が4,077.0ドルで小幅に続伸しました。

💴 為替・金利(為替は7/27のNY終値/米金利は7/27)

USD/JPY(ドル円)
163.75
7/27 NY終値
前営業日比 −0.08円(小幅続落)
EUR/JPY(ユーロ円)
186.15
7/27 NY終値
前営業日比 −0.12円(小幅続落)
米国債10年利回り
4.65%
7/27・米財務省公表値
前営業日(4.69%)比 −0.04%(−4bp)

為替はほとんど動きませんでした。ドル円の7/27のニューヨーク終値は1ドル=163.75円で、前営業日から8銭の小幅な円高。ユーロ円も1ユーロ=186.15円と12銭の円高です。ヨーロッパ時間の序盤に163.33円まで円高に振れる場面もありましたが、引けにかけて戻しました。今週は日米の中央銀行がそろって会合を開くため、大きなポジションを取りにくいという事情もあります。なお7/23につけた163.99円は、およそ39年8カ月ぶりの円安水準です。この記事を書いている7/28の早朝時点でもドル円は163.76円前後と、その近くにとどまっています。

アメリカの長期金利は少し下がりました。10年国債の利回りは米財務省の公表値で4.65%と、前営業日の4.69%から4bp(0.04%)の低下です。原油が急落したことで、物価が上がりすぎる心配がやや和らいだ、という受け止めでした。いっぽう7/27に発表されたアメリカの6月の耐久財受注は前月比+0.3%にとどまり、市場予想(+1%台後半〜+2%台。調査機関によって幅があります)を大きく下回りました。ただし、設備投資の先行きを映すとされる「航空機を除く非国防資本財」の受注は+0.9%と予想(+0.8%)をわずかに上回り、しかも5月分が+1.4%から+1.9%へ上方修正されています。航空機のような大きな買い物は伸びを欠いたけれど、企業が設備に使うお金はむしろ底堅い——強いとも弱いとも言い切りにくい中身でした。

🏦 今日から始まるFOMCと、木・金の日銀

FOMC(7/28〜29)現在の政策金利
3.50〜3.75%
結果は7/30(木)3:00 JST
市場は「利上げ」を38%織り込み
日銀(7/30〜31)現在の政策金利
1.0%
6/15〜16の会合で利上げ済み
今回は据え置き予想が大勢
今週の山場
木・金
7/30 未明にFOMC
7/31 昼前後に日銀

今日7/28から、アメリカのFOMC(連邦公開市場委員会)が2日間の日程で始まります。結果が出るのは日本時間の7/30(木)午前3時、ウォーシュ議長の記者会見はその30分後です。今回は3カ月に一度の経済見通し(SEP)が出ない回にあたります。ここで念のため確認しておきたいのが方向です。アメリカの政策金利はいま3.50〜3.75%。直近で動いたのは2025年12月で、それ以降ずっと据え置かれています。そして市場がいま身構えているのは、「利下げ」ではなく「利上げ」の側です。CMEのFedWatchによると、7月会合で0.25%の利上げが決まる確率は7/27時点で38%。まだ据え置きが本命ではありますが、7/15時点では10.7%でしたから、この2週間で急速に上がりました。「物価が落ち着いてきたから利下げ」という数年前の感覚のままニュースを読むと、方向を取り違えます。

続いて7/30〜31に日本銀行の金融政策決定会合があります。こちらは3カ月に一度の「展望レポート(経済・物価情勢の展望)」を公表する回で、結果は7/31(金)の昼前後、植田総裁の会見は同日15時30分の予定です。ここも前提の確認から。日銀は6月15〜16日の会合で、すでに政策金利を0.75%から1.0%へ引き上げています。1995年以来、およそ31年ぶりの水準です。ですから今回の焦点は「利上げするかどうか」ではなく、6月に上げた分の効果をどう見ているか。日経・時事通信のいずれの取材でも、今回は据え置きが大勢という見方で、理由も「6月の利上げの影響を見極める段階だから」とされています。あわせて、2026年度の成長率見通しを引き上げるかどうかが議論されるようです。今週の相場の山場は、木曜の未明と金曜の昼——ここに集中します。

📖 今日の経済用語

時価総額加重平均型(じかそうがくかじゅうへいきんがた)

時価総額加重平均型とは、株価指数の計算方法のひとつで、「会社の規模(時価総額)が大きい銘柄ほど、指数への影響を大きくする」やり方のことです。時価総額とは「株価×発行済みの株数」、つまりその会社を丸ごと買うといくらか、という金額。TOPIX(東証株価指数)はこの方式です。いっぽう日経平均株価は株価平均型といって、会社の規模ではなく「株価の高さ」で影響力が決まります。株価が5万円の銘柄と1,000円の銘柄では、前者のほうが指数を大きく動かす。会社の規模が同じでも、です。昨日7/27に日経平均が+0.50%、TOPIXが+1.37%と差がついたのは、まさにこれが理由でした。株価の高い銘柄がまとまって下げ、規模はあっても株価はそれほど高くない多くの銘柄が上がったため、日経平均だけが伸び悩んだのです。

▼ 2つの計算方法のちがい
  • 時価総額加重平均型(TOPIX・S&P500など):会社の規模が大きいほど重い。市場全体の姿を映しやすい。
  • 株価平均型(日経平均・NYダウなど):株価が高いほど重い。歴史が古く、ニュースでよく使われる。
  • だから起きること:同じ日でも、指数によって上がり方・下がり方が変わります。「株価が高い一部の銘柄」が動いた日ほど、差が大きくなります。
▼ 押さえておきたい3つの視点
  • 「株価が高い」と「会社が大きい」は別物:株価は、会社を何株に分けたかによっても変わります。同じ規模の会社でも、株数が少なければ1株あたりの値段は高くなる。だから株価の高さは、会社の大きさとイコールではありません。日経平均が一部の銘柄に振り回されやすいと言われるのは、ここが理由です。
  • ニュースの見出しは、たいてい日経平均:日本で「株価が上がった/下がった」と報じられるとき、その主語はほぼ日経平均です。それが市場全体の姿とずれる日があることを知っておくと、昨日のような「指数は小幅高なのに、実は値上がり銘柄が値下がり銘柄の10倍あった」という日を読み違えずに済みます。
  • 私たちの受け取り方:投資信託を持っている方は、それがどの指数に連動しているかを一度確認しておくと、値動きの理由が腑に落ちやすくなります。全世界株式やS&P500に連動するタイプは、多くが時価総額加重平均型です。私自身は、指数の日々の上下を追うためではなく、自分が持っているものが何を映しているのかを知っておくために、この言葉を覚えておくくらいがちょうどいいと思っています。

▶ 「時価総額加重平均型」をたとえ話と図解でもっとくわしく読む(経済用語辞典)

💬 お金バイバイマンからの一言

昨日の「値上がり1,397・値下がり139」という数字を見たとき、われながら意外でした。上がった銘柄が下がった銘柄の10倍もある日なのに、ニュースの見出しは「日経平均は320円高」。もちろん間違いではないのですが、体感としてはもっと強い一日だったはずです。数字は嘘をつかないけれど、どの数字を見るかで、受ける印象はここまで変わる。指数の計算方法なんて地味な話だと思っていましたが、こういう日に効いてくるんだな、と自分でも書きながら納得しました。

今週は木曜の未明にFOMC、金曜の昼に日銀と、大きなイベントが2つ続きます。世間では「どちらに転ぶか読んで先回りしよう」という話がにぎやかになる時期ですが、私は正直、読めた試しがありません。読めないので、結果が出てから中身を確かめるくらいの構えでいます。それに、昨日の主役は株ではなく原油でした。中東の報道ひとつで1日7.5%です。相場を動かすのは、予定表に載っていない出来事のほうだったりする。今週の予定表とにらめっこしていたところに、原油が横から一発入れてきた。たぶん今週も、そういうことなんだと思います。

📊 昨日の総括と、今週の焦点

日本株
ほぼ全面高、でも日経は伸び悩み
日経+320.04円(+0.50%)/TOPIX+1.37%
米国株
ダウは高値、ナスダックは4日続落
ダウ+0.51%/S&P500+0.02%/ナスダック総合−0.18%
今週の焦点
FOMCと日銀のダブル中銀
7/30 3:00 FOMC結果/7/31 昼 日銀
📚 参考にした一次情報源

本記事の数値・統計・イベント日程は、以下の公式・準公式ソースを2つ以上で照合して作成しています。

  • 日本取引所グループ(JPX)・日経マーケットデータ・株探(日経平均・TOPIX・寄与度・国内金利)
  • 米財務省 Daily Treasury Par Yield Curve(米10年債利回り)・ニューヨーク連邦準備銀行(FF金利)
  • CNBC・Barchart・トレーダーズ・ウェブ(米国株終値・NY為替終値・先物清算値)
  • 日本銀行・米連邦準備制度理事会(FRB)公式サイト、日本経済新聞・時事通信

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。為替(ドル円・ユーロ円)は7月27日のニューヨーク市場の終値で、記事中の「7月28日早朝時点」の値は執筆後に変動します。米国債10年利回りは米財務省の公表値(Daily Treasury Par Yield Curve)に統一しており、水準と変化幅を別のソースから取っていません。この値は米東部時間15時30分ごろが基準のため、市場で取引される10年債の気配値(17時前後)とは1bp(0.01%)程度ずれることがあります。日本国債10年利回りの2.780%は7月27日15時(引け)時点の市場の値で、財務省が公表する確定値は本稿執筆時点で7月24日分(2.815%)までです(財務省の確定値は翌営業日の午前9時30分頃に公表されます)。したがって記事中の「前営業日比−0.035%」は、7月27日15時の値と財務省の7月24日確定値との差であり、米国債とは異なり水準と変化幅が同一ソースではありません。原油・金の価格はNYMEX・COMEXの先物の清算値(settle)で、限月を明記しています。清算後の時間外取引ではこれと異なる値がついています。FOMCの利上げ確率はCME FedWatchを出典としており、Kalshi・Polymarketなどの予測市場の数値とは混在させていません。株価指数・個別銘柄の騰落率は終値ベースです。経済指標・金融政策会合の発表日程は、各発表機関の都合により変更される場合があります。

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この記事を書いた人

「お金バイバイマンの経済ニュース」運営者。

月曜から土曜の毎朝、日経平均・米国株・為替などマーケットの動きを「なぜ動いたのか」まで追いかけて、図解つきでやさしく解説しています。"今日の経済用語"コーナーでは、ニュースに出てくる言葉を1日1語ずつ深掘り中。気づけば用語辞典は70語を超えて、いまも増え続けています。

じつは昔、SNSのキラキラした投資情報に憧れて、情報商材を買ってしまったことがあります。遠回りの末にたどり着いたのが「長期・分散・積立でコツコツ」。相場が荒れた日も、合言葉は「今日も何もしません」です。

朝の意見コラム『今朝の経済、私はこう見る』は、noteで平日の毎朝、連載しています。

好きなものは、お酒・サウナ・食べ歩き。経済ニュースも、それくらい気軽な習慣にしてもらえたら嬉しいです📈

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