📊 ウォーシュ議長の初講演で円は160円台、7月末の介入後で初
昨夜23時、ウォーシュFRB議長がジャクソンホールで就任後はじめて講演/動いたのは株ではなく金利と為替で、円は7月末の介入後はじめて160円台/今週の日経は+0.59%、TOPIXは+1.95%/金曜朝の指標を前日に載せた市場予想と答え合わせ/今日の経済用語は「基調インフレ」
おはようございます、お金バイバイマンです。今週の主役は、最後の夜に来ました。日本時間の昨夜23時、ジャクソンホール会議でウォーシュFRB議長が就任後はじめての講演をしています。考え方をまとまった形で話すのは、5月の就任以来はじめてです。
中身ははっきりしていました。「基調インフレ率が目標に向かっていると確信できなければ、まだやるべきことがある」。利上げの可能性を残した言い方です。反応したのは株ではなく金利と為替。円は29日1時ごろに1ドル=160円台へ下がり、高値は160円20銭。7月末に日米が協調して介入したあと、初めての160円台です(日本経済新聞)。いっぽう株は、ダウが9ドル45セント安とほとんど動いていません。
昨日の東京は日経平均が273円58銭高の6万6,405円56銭で反発、TOPIXは7営業日続けて上昇。今週は日経+0.59%に対しTOPIXが+1.95%で、上がり方に3倍以上の差がつきました。
🎤 「荷物を下ろした人」は、当たっていたのか
木曜(8月27日)の東京が130円18銭安で終わったとき、各社が挙げた理由は「ジャクソンホールを見極めたい持ち高調整」でした。では、答え合わせの結果はどうだったか。
株の値動きだけ見れば、荷物を軽くして待った意味はほとんどありませんでした。備えるべき相手は株ではなく、金利と為替のほうだった。今週いちばんの学びは、たぶんここです。
その金利ですが、動いた順番に意味があります。講演の1時間後(日本時間29日0時)の時点で、2年債は4.29%台へ0.064%上昇、いっぽう10年債は4.668%で0.008%の低下。反応したのは政策金利に近い短期のほうで、10年債が4.728%まで上がったのは引けにかけてでした。「利上げがあるかも」はまず短い金利に出て、遅れて長い金利と為替に回ってきます。
160円台のきっかけは、配信元で見方が割れています。日本経済新聞やTBSは議長の発言後、フィスコはウォラーFRB理事の講演後。同じ夜に複数の当局者が話しているので、ひとりに決めつけないでおきます。なお29日4時14分、ベッセント米財務長官が「円相場が無秩序な動きとなれば、世界の市場を不安定化させる」と述べました。
ほかにこうも言っています。「現在最も重視すべきなのは物価だ」。今夏のインフレ指標は予想より良好だったが、「基調的なトレンドが大きく変化したことを示しているとは言えない」。次に効くのは物価と雇用の数字だ、と本人が宣言した形です。
| 指数 | 8/21終値 | 8/28終値 | 週間 |
|---|---|---|---|
| 日経平均 | 66,016.36 | 66,405.56 | +0.59% |
| TOPIX | 4,067.29 | 4,146.71 | +1.95% |
| NYダウ | 53,277.01 | 53,559.99 | +0.53% |
| S&P500 | 7,674.37 | 7,711.76 | +0.49% |
| ナスダック総合 | 26,180.46 | 26,402.42 | +0.85% |
💡 着眼点:5つとも上がった週ですが、TOPIXだけが2%近く伸びています。日経平均は値段の重い銘柄に引っぱられ、TOPIXは幅広い銘柄を映します。この差が開くときは見出しより中身が強い日です。
🔎 昨日載せた市場予想と、実績の答え合わせ
金曜の朝8時30分に、日本の指標が3つ出ました。昨日の記事には時事通信の予測として「都区部CPIは+1.7%、有効求人倍率は1.19倍」と書いています。実績と並べます。
- 8月の東京都区部CPI(生鮮食品を除く総合・中旬速報値/2025年=100)/予想+1.7% → 実績+1.8%(102.3)。0.1ポイントの上振れで、2%割れは7カ月連続です
- 7月の有効求人倍率/予想1.19倍 → 実績1.18倍で前月から横ばい。0.01の下振れです
- 7月の完全失業率/2.4%。前月から0.1ポイント下がり、1年ぶりの低い水準です
物価はわずかに上、雇用はわずかに下。どちらも0.1という幅です。「予想を上回った」という見出しだけが残りがちですが、幅まで見ておくと驚かずに済みます。毎朝予想を残しているのは、こう並べたいからです。
🇯🇵 日本株式市場(8/28金 終値)
🇺🇸 米国株式市場(8/28金 NY終値・3指数そろって小幅安)
💴 為替・金利・商品(8/28のニューヨーク時間)
基調インフレ(きちょうインフレ/Underlying Inflation)
天候や原油といったノイズを取りのぞいたあとに残る、物価の「地の流れ」のことです。昨夜の講演で議長が繰り返したのが、この言葉。毎月の数字が下がっても地の流れが変わっていなければ引き締めは終われない、という考え方です。
- ひとつの決まった指標ではない:コアCPIやコアPCEなど複数の見方の総称
- 「今月の数字」との違い:単月の上下でなく、数カ月ならした向きを見ます
- だから利下げが遅れる:単月が良くても地の流れが動いていなければ中銀は動きません
▶ もっとくわしく:基調インフレとは?物価の「地の流れ」の見方をやさしく図解
🕊 いまも続いている出来事(続報)
- 石川・富山の大雨/27日の記録的な雨で両県の20河川が氾濫し、21市町が避難所を開設(毎日新聞)。12時間雨量317.5ミリ(羽咋市)と317.0ミリ(氷見市)は8月ひと月ぶんの平年値のおよそ1.7倍で、孤立した集落もありました。人的被害の全体像は、この記事の時点では確定していません
- 熊本地震は消防庁 第61報(8月25日10時00分現在)で38人、千葉豪雨は第17報で13人。それ以降の更新は、この記事の時点では確認できていません。阿蘇山は噴火警戒レベル3が継続中
📊 今週の総括
大きなイベントの前は、身構えます。今週も木曜に持ち高を軽くする動きが出て、金曜の夜に答え合わせが来ました。結果は、株が動かず金利と為替が動いた。身構える方向が少しずれていたわけです。外した記録が残ることが、次に同じ場面が来たときの手がかりになります。
官公庁などの一次資料はそれ自体を出所とし、ほかは原則2つ以上で照合。1つでしか確認できなかったもの=売買代金と売買高、ドル円とユーロ円、米国債の年限別利回り、北陸の河川氾濫と避難所の数。160円台のきっかけは配信元で名指しが割れたため両論を書いています。
- 日本株=株式新聞/株探/日本経済新聞/Yahoo!ファイナンス時系列(終値・四本値・チャート全12点)
- 米国・為替・商品=日本経済新聞(米3指数・米10年債)/フィスコ「NY原油終値」(WTIの清算値)/Investing.com/DZH配信「NY外国為替市場概況・4時」/みんかぶ(年限別の利回り)
- 指標・講演・災害=総務省統計局/厚生労働省/講演要旨(時事通信)/日本経済新聞/TBS/フィスコ/毎日新聞/総務省消防庁
訂正:公開当初、S&P500の8月28日の終値を「7,711.48」(前日比 −19.51)、週間の騰落率を「+0.48%」としていましたが、正しくは終値7,711.76(−19.23)、+0.49%でした。2026年9月5日に修正しています。表のほかの数値は変更していません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。株価・金利・商品は8月28日(金)の終値。ドル円とユーロ円は日本時間29日4時時点の参考値で「終値」ではありません。米10年債の4.728%は引け値で、講演直後の水準とは異なります。週間の騰落率は8月21日と8月28日の終値から計算しています。講演の発言は日本語の要旨からの引用です。災害の情報は速報で、続報により変わります。


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