新NISA、結局なにから始めればいい?【つみたて枠と成長枠の違いを図解】

新NISAの始め方を図解した記事のアイキャッチ。つみたて投資枠と成長投資枠の2つの枠の違い、年360万円・生涯1,800万円の非課税枠、初心者はどこから始めるかを、お金バイバイマンがやさしく解説します。
MONEY BASICS · 新NISAの基礎知識

🌱 新NISA、結局なにから始めればいい?【つみたて枠と成長枠の違いを図解】

「新NISA 始め方」「つみたて投資枠 成長投資枠 どっち」で検索してきたあなたへ。制度が複雑で最初の一歩が踏み出せない――その気持ち、すごく分かります。2つの枠の違い・いくらまで使えるのか・初心者はどっちからか。図解と私自身の失敗談をまじえて、やさしくお答えします。

🐣 まずはつみたて投資枠 ⚖️ 2つの枠の違い 💰 年360万・生涯1,800万 🌍 オルカンも対象

こんにちは、お金バイバイマンです。今日はニュースの記事ではなく、「新NISA、始めたいけど何からやればいいの?」という、多くの人がつまずく最初の一歩をじっくり解きほぐす回です。

つみたて投資枠と成長投資枠って、何が違うの?
初心者はどっちから始めればいいの?
「そもそもいくらまで買えるの? 使いきれなかったらどうなるの?」

――このあたりで手が止まっている方、多いと思います。制度の説明を読んでも用語が難しくて、結局「で、私は何を買えばいいの?」が分からないままになりがちです。私も最初はまったく同じところで固まっていました。

先に結論からお伝えします。

🌱 結論

迷ったら、まず“つみたて投資枠”から。オルカンのような投資信託を、毎月コツコツ積み立てるだけでOKです。2つの枠は併用できるし、金額もあとから変えられます。成長投資枠を無理に埋める必要はありません。

「え、それだけでいいの?」と拍子抜けした方も、順番に見ていくと「なるほど、そういうことか」と腑に落ちるはずです。図もたっぷり用意したので、気楽に読み進めてください。

🎁 そもそも新NISAって、何がすごいの?

最初に、いちばん大事なところだけ押さえておきましょう。ふつう、株や投資信託で利益が出ると、その利益に約20%(正確には20.315%)の税金がかかります。たとえば10万円もうかったら、約2万円が税金で持っていかれる計算です。

ところがNISA(ニーサ)という制度の中で買うと、この利益にかかる税金がまるごとゼロになります。これがNISAの一番のうまみです。しかも2024年1月からは制度が大きく生まれ変わり、「新しいNISA(新NISA)」として、以前よりずっと使いやすくなりました。図で見てみましょう。

🔎 図解① 同じ「10万円の利益」でも、手元に残る額が違う
🏦 ふつうの口座(課税)
😢

利益10万円のうち約2万円が税金に。手元に残るのは約8万円

手取り ≒ 8万円
🌱 NISA口座(非課税)
😊

利益10万円に税金ゼロ10万円まるごと手元に残る。

手取り = 10万円
💬 同じ利益でも、NISAを使うだけで手元に残るお金が変わる。この差が積み重なるのが大きいんです。

※上の10万円・約2万円はあくまで仕組みを説明するための例です。税率は20.315%(所得税・復興特別所得税・住民税を含む)で計算しています。

では「新NISA」は、以前のNISAと何が変わったのか。ここが分かると、なぜ今これだけ話題なのかが見えてきます。かつては「つみたてNISA」「一般NISA」という2つの制度が別々にあって、どちらか一方しか選べませんでした。それが2024年からひとつの新NISAに統合され、2つの枠を同時に(併用して)使えるようになったんです。

🔎 図解② 2つの旧制度が、1つの新NISAに生まれ変わった
📗
旧つみたてNISA
年40万円
非課税は20年間
📕
旧一般NISA
年120万円
非課税は5年間
➡️
🌱
新NISA(2024〜)
2枠を併用OK
非課税は無期限
💬 大きな進化は3つ。①制度が恒久化 ②非課税期間が無期限 ③2つの枠を同時に使える

※以前の制度(2023年末まで)で買った分は、新NISAとは別枠でそのまま非課税が続きます。ただし旧NISAの保有分を新NISAへ移す(ロールオーバーする)ことはできません。

昔のNISAは「非課税は5年だけ」「20年で終わり」と期限つきでしたが、新NISAは非課税で持てる期間に期限がありません(無期限)。しかも制度自体が恒久化されたので、「いつまでに始めないと損」と焦る必要もなくなりました。慌てず、自分のペースで始められる制度になった――これが新NISAの大きなポイントです。

⚖️ 2つの枠、何が違う?

新NISAには「つみたて投資枠」「成長投資枠」という2つの入れ物があります。名前が似ていて紛らわしいのですが、性格はけっこう違います。まずは2枚のカードで、ざっくりイメージをつかんでください。

🔎 図解③ つみたて投資枠 vs 成長投資枠
🐣 つみたて投資枠
年120万円

買えるもの:長期・積立・分散に向くと金融庁が認めた投資信託・ETF(2026年7月時点で約360本)。
買い方:毎月コツコツの積立が基本。
向いてる人:投資初心者・じっくり続けたい人。

🚀 成長投資枠
年240万円

買えるもの:上場株式(個別株)や投資信託など、幅広い商品
買い方:積立でも、まとめ買いでもOK。
向いてる人:個別株も買いたい人・自分で選びたい人。

💬 大きな違いは「買えるものの幅」と「年間の上限額」。つみたて枠は厳選された投信、成長枠は個別株もOK

※つみたて投資枠の対象は「2026年7月時点で約360本」。ラインナップは随時見直されるため、本数は時期によって変わります。成長投資枠でも、整理・監理銘柄や、信託期間20年未満・毎月分配型・高レバレッジ型の投資信託などは対象外です。

つみたて投資枠のいいところは、対象商品があらかじめ絞り込まれていることです。「長期・積立・分散に向く」という金融庁の基準を満たしたものだけが並んでいるので、いわゆる“地雷商品”(手数料が高すぎる・仕組みが複雑すぎる、といったもの)を、うっかり選んでしまう心配が少ない。初心者にとっては、この「選択肢が絞られている安心感」がかなり大きいと思います。

一方の成長投資枠は、自由度が高いのが持ち味です。トヨタやアップルのような個別株も買えますし、つみたて枠にはない投資信託も選べます。そのぶん自分で見極める力が要るので、「まずは慣れてから」でも遅くありません。ちなみに、つみたて枠で買えるオルカンのような投信は、成長投資枠でも買えます(取扱いは金融機関によって異なる場合があります)。

💰 結局、いくらまで買えるの?

ここが混乱しやすいので、ていねいに整理します。新NISAの上限には「1年あたりの上限」「一生を通じた上限」の2種類があります。まず数字を並べてみましょう。

つみたて投資枠
年120万円
1年あたりの上限
(月あたり最大10万円)
成長投資枠
年240万円
1年あたりの上限
2枠あわせて年360万円
一生の非課税枠
1,800万円
生涯の上限(総枠)
うち成長枠は1,200万円まで

1年あたりは、つみたて投資枠が120万円・成長投資枠が240万円。両方をフルに使うと、年間で最大360万円まで買えます。とはいえ、これはあくまで“上限”です。月1,000円からでも始められるので、「上限まで使わなきゃ」と気負う必要はまったくありません。

そして一生を通じた上限が1,800万円。ここで一点だけ注意があります。この1,800万円のうち、成長投資枠として使えるのは1,200万円までと決まっています。図にするとこんなイメージです。

🔎 図解④ 生涯1,800万円の“中身”の分け方
生涯の非課税枠 = 合計1,800万円(この“1つの器”を2つの枠で使います)
🐣 つみたて投資枠 … 単独なら1,800万円すべて使える
◀ 1,800万円まで ▶
🚀 成長投資枠 … 使えるのはこのうち1,200万円まで
◀ 1,200万円まで ▶
ここは
つみたて枠で
💬 ポイントは“足し算ではない”こと。同じ1,800万円の器を2つの枠で分け合い、成長投資枠は最大1,200万円まで。つみたて投資枠だけなら1,800万円すべてでもOKです。

※成長投資枠の上限は1,200万円。残りの600万円以上はつみたて投資枠で使う形になります。つみたて投資枠だけで1,800万円すべてを埋めることも可能です。

もうひとつ、新NISAならではの親切な仕組みが「枠の復活」です。旧制度では、一度売ると使った枠は二度と戻りませんでした。でも新NISAでは、商品を売却すると、その分の枠が翌年以降にまた復活して、再び使えるようになります。ライフイベントでまとまったお金が必要になっても、枠がムダにならないわけです。

🔁 “枠の復活”で見落としやすいポイント

復活するのは、売ったときの時価(値上がり後の金額)ではなく、買ったときの金額(=簿価)のぶんです。たとえば100万円で買った投信が150万円に育ったあと全部売っても、翌年に復活する枠は100万円ぶん。増えた50万円ぶんの枠が増えるわけではありません。

また、復活するのは「翌年以降」で、売ったその年のうちに枠が戻るわけではない点も覚えておくと安心です。

なお、NISA口座は1人につき1口座(1つの金融機関)しか持てません。ただし「A証券からB証券へ」といった金融機関の変更は、年単位で可能です。最初に完璧な証券会社を選ぼうと悩みすぎなくても大丈夫、ということですね。利用できるのは原則18歳以上の方です。

🐣 初心者は、どっちから始める?

ここまで読むと、「で、私はどっちから買えばいいの?」という声が聞こえてきそうです。ここからは一般論に、私自身の考えも交えてお話しします。断言できる話ではないので、参考程度に受け取ってください。

私の考えは、冒頭の結論のとおりです。迷ったら、まずつみたて投資枠から。理由はシンプルで、この枠は「長期・積立・分散に向く」と国が認めた商品に絞られていて、初心者が大きく踏み外しにくい設計になっているからです。オルカンのような全世界株の投信を1本えらんで、毎月コツコツ積み立てる。まずはこれで十分だと私は考えています。

🔎 図解⑤ 迷ったときの、素直な始め方
口座を開く
ネット証券で
NISA口座を1つ
➡️
つみたて枠で1本
オルカン等を
毎月積立に設定
➡️
あとは放置
値動きは基本
気にしない
💬 成長投資枠は、慣れてきて「個別株もやってみたい」と思ったときで大丈夫。最初から埋めようとしなくていいんです。

※商品名は解説のために挙げているもので、特定の商品の購入を推奨するものではありません。何を買うかはご自身で判断してください。

よくある誤解に、「せっかくの枠だから、成長投資枠も全部埋めないともったいない」というものがあります。でも私は、無理に埋める必要はまったくないと思っています。使うのはあくまで余剰資金――生活費や、いざというときの生活防衛資金にまで手を出してまで、枠を埋めにいくものではありません。自分のペースで積める額を、淡々と続けるほうがずっと大切です。

そして、始めたあとに一番大事なのは「一喜一憂しないこと」だと私は考えています。積み立てを始めると、どうしても日々の値動きが気になります。でも、下がるたびに慌てて売っていたら、長期でコツコツ育てる意味が薄れてしまう。毎月一定額を淡々と買い続けるドル・コスト平均法は、まさにこの“値動きに振り回されない”ための考え方です。次の章では、私がなぜここまで「淡々と」を大事にするようになったのか、正直な失敗談をお話しします。

🙋 私はこうしています

ここからは制度の説明ではなく、私自身がどう投資と付き合ってきたか、という体験談です。うまくいった話ではなく、むしろ失敗談なので、肩の力を抜いて読んでください。

私が投資を始めたのは2019年ごろです。当時は右も左も分からず、まずは投資本を手当たりしだいに読み漁りました。どの本にも共通して書いてあったのが、「素人がプロに勝てる、ほぼ唯一の方法がインデックス投資だ」という趣旨の話。何冊読んでも結論が同じなら間違いないだろう、とそこから一歩を踏み出しました。

ところが、本を読んで頭で分かっていたはずなのに、実際の私はぜんぜん優等生ではありませんでした。始めた当初は、国内外の個別株にもけっこう手を出していたんです。そして情けない話ですが、株価が少し下がるだけで不安に耐えられず、慌てて投げ売りしてしまうことを何度も繰り返しました。冷静に振り返れば、下がった底値のあたりで、自分から損を確定させに行っていたわけです。「やってはいけないこと」の見本のような動きでした。

この痛い経験のおかげで、ひとつだけハッキリ分かったことがあります。「自分は、値動きに心を乱されやすいタイプなんだ」ということです。だったら、そもそも心が乱れにくい仕組みにしてしまえばいい。そう考えて行き着いたのが、今のスタイルでした。

いまの私は、毎月オルカンを淡々と積み立てるのが軸です。買う金額は、相場が上がろうが下がろうが変えません。個別株もゼロにはしていませんが、リスクを承知のうえで“おまけ枠”(サテライト)として少額にとどめ、中心はあくまでオルカン。制度が新NISAに変わってからは、この“淡々と積む”をつみたて投資枠でやっています。制度が新しくなっても、私のやることは正直あまり変わっていません。

新NISAで何から始めればいいか人に聞かれると、私はいつもこう答えています。「まずはつみたて投資枠でオルカンを1本、毎月自動で積む設定にしてみたら? それで“投資している状態”は作れる。成長投資枠や個別株は、慣れてきて興味が出たらでいい。最初から全部やろうとして固まるより、小さく始めて続けるほうが、結局いちばん強いと思うよ」

新NISAという便利な器を手にしても、私がやっていることは拍子抜けするほど地味なままです。守っているのは、結局この4つだけ。毎月オルカンを淡々と積むこと。手を出すのは余剰資金だけで、暮らしを支えるお金とはきっぱり分けること。買ったあとは基本ほったらかすこと。そして、日々の上げ下げにいちいち心を動かさないこと。枠を急いで埋めることより、この“続けられる形”を崩さないほうが、私にとってはずっと大事です。少し下げただけで投げ売りしていた昔の自分に、そっと手渡してやりたいのは、この4つなんです。

📝 まとめ

🌱 3行まとめ
  • 新NISAは利益にかかる約20%の税金がゼロになる制度。2024年に恒久化・非課税は無期限になった。
  • 枠は2つ。つみたて投資枠(年120万・厳選投信)成長投資枠(年240万・個別株もOK)で、併用できる。生涯枠は1,800万円(成長枠は1,200万円まで)。
  • 迷ったらまずつみたて投資枠から。オルカン等を毎月コツコツ、余剰資金で淡々と。成長枠は無理に埋めなくていい。

「新NISA、何から始めればいいの?」で立ち止まっていた方の霧が、少しでも晴れていたらうれしいです。制度は一見ややこしいですが、初心者がやることは「つみたて投資枠で1本えらんで、毎月積む」だけ。あとは決めたことを淡々と続けるだけです。私自身、そこにたどり着くまでにずいぶん遠回りをしました。

「オルカンって、そもそも円建て? ドル建て?」と気になった方は、オルカンは円建て? ドル建て?【結論:どっちでもなく“世界建て”です】の記事で、中身の仕組みをやさしく深掘りしています。また、この記事に出てきた「ドル・コスト平均法」のような言葉は、当サイトの経済用語辞典でひとつずつ解説しています。気になった言葉から、のぞいてみてください。

📚 参考にした一次情報源

本記事の制度・数値は、以下の公式ソースを2つ以上で照合して作成しています(内容は2026年7月時点の情報です)。

  • 金融庁(NISA特設ウェブサイト/新しいNISA 制度概要・つみたて投資枠 対象商品)
  • 金融庁(つみたて投資枠 対象商品一覧・本数は2026年7月3日時点)
  • 三菱UFJアセットマネジメント(eMAXIS Slim 全世界株式 交付目論見書)

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨・勧誘するものではありません。個別の商品名は解説のために挙げているもので、投資成果を保証するものではありません。制度の詳細は変更される場合があります。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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この記事を書いた人

「お金バイバイマンの経済ニュース」運営者。

平日毎日、日経平均・米国株・為替・世界ニュースなどのマーケット情報を、投資初心者の方でもスッと読めるようにやさしく解説しています。

日々の株価や為替の動きを「なぜ動いたのか」まで追いかけ、"今日の経済用語"コーナーでは、ニュースに出てくる言葉を1日1つずつ深掘り。

個人投資家として、長期・分散・積立を基本にコツコツ実践中。短期の値動きに振り回されず、"知って → 考えて → 淡々と続ける" スタイルを大切にしています。

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