リアクション関数(反応関数)Reaction Function
中央銀行の人が示す「もしデータがこうなったら、私はこう主張する」という条件のこと
💡 3行でいうと
- 中央銀行の人が「いま金利をこうします」と言うのとは別に、「もし今後のデータがこうなったら、私はこう主張します」と条件を示すことがあります。この条件のことをリアクション関数(反応関数)といいます。
- 大事なのは、これが約束ではないということです。条件が満たされなければ結論も変わります。あらかじめ金利の道筋そのものを予告するフォワードガイダンスとは別ものです。
- ニュースの見出しは結論のほうだけを運びます。「据え置きを支持」と出たとき、原文には「もし〜なら」と、逆の場合にどうするかも書いてあることが少なくありません。
⚾ たとえ話
野球の球審が、試合の前に「今日のストライクゾーンはこのあたりです」と示したとします。ピッチャーもバッターも、それを聞いてはじめてどう投げるか、どう待つかを決められます。でも、審判はまだ一球も判定していません。示したのはゾーンであって、判定そのものではないからです。
中央銀行の人の発言も同じです。「物価がこう動いたら据え置きを支持する、上振れたら利上げを考える」と言うのは、ゾーンの説明にあたります。実際に「ストライク」か「ボール」かが決まるのは、次の経済指標というボールが投げられたあとです。この区別をしておくと、発言のたびに相場が動くのを見ても、まだ何も決まっていない場面なのだと分かります。
📊 ちいさな図解
※図はイメージです。2026年9月3日、FRBのウォラー理事は公表された発言のなかで、自分の発言を「いまの立場の理由」「リアクション関数」「フォワードガイダンス」の3種類に分け、今回の中心はリアクション関数だと説明したうえで、球審のストライクゾーンにたとえています(FRB公式の原稿。日本語は要約で、逐語の訳ではありません)。
⚠️ よくある勘違い
「据え置きを支持」=据え置きが決まった、ではありません
リアクション関数は条件つきの話です。条件が満たされなければ結論のほうも変わります。発言が出た時点では、まだ何も決まっていません。決まるのは、条件にあたるデータが出たあとです。
フォワードガイダンスと同じものではありません
フォワードガイダンスは「当分このくらいの金利を続けます」のように、入ってくるデータにあまり左右されない道筋を示すものです。リアクション関数は逆に、データしだいで動くことを説明するためのものです。
一人が言えばそれで決まる、ではありません
示されるのはその人ひとりの条件です。金融政策は会合での多数決で決まるので、ある委員のリアクション関数がそのまま結論になるとはかぎりません。
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