価格転嫁Price Pass-through
企業が、仕入れ値や人件費などのコスト上昇分を、自社の販売価格に上乗せすること
💡 3行でいうと
- 企業が仕入れ値や原材料費・人件費などのコスト上昇分を、販売価格に上乗せすることです。
- PPI(企業どうしの“川上”の物価)が上がると、遅れてCPI(消費者の“川下”の物価)にも波及しやすい。その橋渡しが価格転嫁です。
- コストが上がっても転嫁できない企業は、自分のもうけ(利益)を削ることになります。
🏷️ たとえ話
川の上流に工場、下流に私たちの食卓があると思ってください。上流で原材料の値段(PPI)が上がると、その水はいずれ下流に流れてきて、店頭の値段(CPI)を押し上げます。この「上流から下流へ流す」動きが価格転嫁です。ただし、すべての企業が上手に流せるわけではありません。ライバルが多い商品だと『うちだけ値上げしたらお客が逃げる』となって、値上げできずにもうけを削るしかない。逆にブランド力のある会社は、すっと価格に乗せられます。
2026年7月に発表された米6月のPPI(生産者物価指数)は、前月比が−0.3%と、市場の予想(横ばい)に反して下がりました。川上のコスト圧力が和らいだということは、少し先の消費者物価への価格転嫁も一服しやすい、というサインです。前日のCPIも鈍化していたので、『上流も下流も落ち着いてきた』という流れが読めました。ニュースでPPIとCPIをセットで見ると、いま物価がどの段階で動いているのかが見えてきます。
📊 ちいさな図解
※価格転嫁できる企業は利益を守れますが、できない企業は利益を削ります。数値は2026年6月の米PPI(前月比−0.3%)が予想(横ばい)を下回った実績にもとづきます。
⚠️ よくある勘違い
値上げそのものとは少し違う
価格転嫁は『コスト上昇を理由に価格へ乗せる』こと。理由のない値上げや、需要が強くて値上げする場合とは区別されます。
必ず全部を転嫁できるわけではない
競争が激しい業界では、コストが上がっても値上げできず、企業が利益を削って吸収することがあります。『転嫁できる=価格決定力がある』のサインです。
PPIが上がれば即CPIも上がる、ではない
川上から川下への波及には時間差があり、途中で企業が吸収する分もあります。PPIの動きがそのままCPIに出るとは限りません。
コストプッシュインフレとの関係
コストプッシュインフレは『コスト増が物価全体を押し上げる現象』。価格転嫁は、その現象が起きる際の“企業が価格に乗せる行為”そのものを指します。
※本ページは用語の解説であり、特定の商品や投資手法をおすすめするものではありません。本サイトの情報は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
