事業所調査と家計調査とは?米雇用統計の2つの顔をやさしく図解

← 経済用語辞典にもどる

ECONOMIC TERMS DICTIONARY

事業所調査と家計調査Establishment Survey / Household Survey

米雇用統計は、会社に聞く調査と世帯に聞く調査を、同じ日に並べて出したもの

💡 3行でいうと

  • 毎月発表される米雇用統計は、ひとつの調査ではありません。会社に聞く「事業所調査」と、世帯に聞く「家計調査」という、性格の違う2つの調査を同じ日に並べたものです。
  • ニュースでよく見る「非農業部門雇用者数が◯万人増」は事業所調査から、「失業率◯%」は家計調査から出ます。聞く相手も、数えているものも違います。
  • だから、雇用者数が大きく伸びた月に失業率が動かないということが普通に起こります。矛盾しているわけではなく、もともと別々の調査だからです。

🏢 たとえ話

🏢

ある町の「働いている人の数」を調べるとします。ひとつ目のやり方は、町じゅうの会社をまわって出勤簿を見せてもらうこと。これが事業所調査です。数えているのは人ではなく「仕事の数」なので、2つの会社でアルバイトをしている人は2人ぶんになります。

もうひとつは、家を1軒ずつ訪ねて「お仕事はされていますか」と聞くこと。これが家計調査です。こちらは「人の数」を数えます。自分でお店をやっている人も、家業を手伝っている人も、ここには入ります。

会社をまわる方法では拾えない人がいて、家を訪ねる方法では拾えない仕事がある。どちらが正しいという話ではなく、見ている角度が違うのです。米雇用統計は、その2枚の写真を毎月いっしょに出しています。

📊 ちいさな図解

同じ日に出る2つの数字は、別々の調査から来ています 事業所調査 Establishment Survey 聞く相手 = 会社 数えるもの = 仕事の数 非農業部門雇用者数 (前月比 ◯万人) あとから直るのはこちら 家計調査 Household Survey 聞く相手 = 世帯 数えるもの = 人の数 失業率 (◯%) 自営業もここに入ります 雇用者数が伸びた月に失業率が動かないことは、 別の調査どうしなので普通に起こります 見比べる前に、どちらの調査の数字かを確かめておくと迷いません

※図はイメージです。米雇用統計は米労働省労働統計局(BLS)が毎月まとめて公表しており、非農業部門雇用者数は事業所調査、失業率は家計調査から算出されます。

⚠️ よくある勘違い

日本の「家計調査」とは別ものです

総務省が毎月出している日本の家計調査は、いくら使ったかを調べる家計簿の統計です。名前は同じでも、米雇用統計の家計調査(失業率を出すための調査)とは中身がまったく違います。

「雇用者数が増えたのに失業率が下がらない」は矛盾ではありません

2つは別の調査なので、月によって向きがそろわないことがあります。どちらかが間違っている、という読み方はしないほうが安全です。

あとから直るのは、おもに事業所調査のほうです

回答が遅れて届いた会社のぶんが加わるため、雇用者数は翌月・翌々月に上下へ修正されます。最初の発表が大きく報じられ、修正はあまり報じられないので、古い数字のまま覚えていることがあります。

※本ページは用語の解説であり、特定の商品や投資手法をおすすめするものではありません。本サイトの情報は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。