EPS(1株当たり利益)とは?決算ニュースの数字をやさしく図解

← 経済用語辞典にもどる

ECONOMIC TERMS DICTIONARY

EPS(1株当たり利益)Earnings Per Share

会社の最終的な利益(当期純利益)を、発行している株の数で割った数字です。株1株に対して、どれだけの利益があるかを表します(野村證券)。

💡 3行でいうと

  • 会社の利益を株1株あたりに割りふった数字です。
  • 株価をEPSで割ると、株価の割高・割安を見るPER(株価収益率)になります。
  • 決算のニュースでは、会計ルールどおりのEPSと、会社が一部の損益を除いた「調整後EPS」が混ざって出てきます。

🥧 たとえ話

🥧

町のパイ屋さんを、10口の出資で共同経営しているとします。1年の利益が100万円なら、1口あたりの取り分は10万円です。この「1口あたり10万円」がEPSにあたります。

新しい出資者を迎えて口数が20口に増えると、利益が同じ100万円でも1口あたりは5万円に減ります。逆に、お店が出資者から口を買い戻して口数を減らせば、1口あたりは増えます。

EPSは、利益の大きさと口数の両方で動く数字です。

📊 ちいさな図解

EPSの出し方と「2つのEPS」 会社の最終的な利益(当期純利益)÷株の数(自社株をのぞく発行済株式数)=EPS 同じ会社・同じ3か月でも、どのEPSかで数字が変わる(RTXの2026年7〜9月期) 会計ルールどおり(GAAP)1.89ドル 調整後EPS2.26ドル 調整後は、買収に伴う会計上の費用やリストラ費用などを除いた数字です 出典:RTX 2026年10月20日の決算発表(米証券取引委員会への提出書類)

※RTXは米国の航空宇宙・防衛の会社です。会計ルールどおり(GAAP)のEPSと調整後EPSで、同じ四半期でも0.37ドルの差がありました。

🧭 どうやって読む?

前の年の同じ時期と比べる

EPSは金額なので、1つだけ見ても高いか低いかはわかりません。ネットフリックスの2026年7〜9月期のEPSは0.87ドルで、前の年の同じ時期の0.59ドルから増えました(会社の発表)。

PERとセットで使う

PERは「株価÷EPS」で計算します。株価が500円で、EPSが50円ならPERは10倍です(野村證券)。EPSが同じなら、株価が高いほどPERは大きくなります。

⚠️ よくある勘違い

「希薄化後」は、株が増えた場合を見込んだ数字

ストックオプションや転換社債のように、あとから株に変わりうるものがすべて株になったとして計算したEPSです(三菱UFJ eスマート証券)。株の数が多くなる前提なので、ふつうのEPSより小さくなりやすい数字です。

「予想を上回った」のは、どのEPS?

特別な損益や一時的な要因を除いて計算したEPSを「調整後EPS」といいます(三菱UFJ eスマート証券)。GMが10月20日に示した2026年通期の見通しは、会計ルールどおりのEPS(希薄化後)が9.72〜10.72ドル、調整後EPSが12.75〜13.75ドルで、約3ドル離れていました(会社の発表)。決算のニュースで「予想を上回った」とあるとき、どのEPSの話かは記事によって違います。

EPSが増えても、利益が増えたとは限りません

自社株買いなどで世の中に出回る株の数が減ると、利益が同じでもEPSは上がります(三菱UFJ eスマート証券)。EPSの伸びを見たときは、利益そのものの伸びも並べて確かめます。

※本ページは用語の解説であり、特定の商品や投資手法をおすすめするものではありません。本サイトの情報は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。