上方修正・下方修正(業績予想の修正)Earnings Forecast Revision
上場企業が、前に公表した業績の見通し(売上や利益の予想)を変えることです。予想を引き上げれば上方修正、引き下げれば下方修正と呼びます。
💡 3行でいうと
- 会社が自分で出した今期の見通しを書き直すことです。
- 比べる相手は会社の前回の予想で、市場予想ではありません。
- 売上は下げて利益は上げる、のように項目ごとに向きが違うこともあります。
🌤️ たとえ話
朝の天気予報が「午後は大雨」だったのに、昼の予報で「午後は小雨」に変わった、という場面に似ています。
雨はまだ降るので、いい天気とは言えません。それでも朝の予報より良くなった、というのが上方修正の意味です。
反対に、もともと晴れの予報が「くもり」に変わっても、天気としてはそこまで悪くないこともあります。それでも、前の予報より悪くなれば下方修正です。
📊 ちいさな図解
※トヨタは同じ発表の中で、営業収益の見通しを引き下げ、営業利益の見通しを引き上げました。当期利益の見通しも3.25兆円から3.57兆円に引き上げています(トヨタの決算資料)。
🧭 どうやって読む?
東証には「すぐ開示する」基準がある
東証の規則では、新しい予想を前回の予想で割った数字が、売上高で1.1以上か0.9以下、営業利益・経常利益・純利益で1.3以上か0.7以下になると、直ちに開示しなければなりません(東京証券取引所「会社情報適時開示ガイドブック」)。売上で1割、利益で3割が線になります。
基準に届かない修正もある
トヨタの営業利益は3.4兆円から3.9兆円で、割ると約1.15倍です。3割の基準には届きませんが、トヨタは決算発表の資料の中で見通しを書き直しました(自前の計算・トヨタの決算資料)。
理由と前提を一緒に読む
トヨタの資料は、関税の負担が軽くなったことなどを引き上げの理由に挙げています。為替の前提も1ドル160円から157円と、円高の方向に変えていました(トヨタの決算資料)。修正の幅だけでなく、何が変わったのかを見ると読み違いが減ります。
⚠️ よくある勘違い
上方修正なら株価が上がる、とは限らない
市場があらかじめもっと大きな引き上げを見込んでいれば、上方修正でも売られることがあります。株価は、会社の前回の予想より、市場の期待と比べて動きやすいからです。
「上方修正=去年より増益」ではない
上方修正は前回の予想と比べた話です。トヨタの当期利益の見通しは3.57兆円に引き上げられましたが、前の期の実績(約3.85兆円)よりは少ない水準です(トヨタの決算資料)。
一度の修正で終わるとは限らない
見通しは決算のたびに見直されます。上方修正のあとに、次の決算で下方修正になることもあります。
🔗 関連用語
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